#89 厳粛なground zero・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月7日(水)7日目・・・4

お昼過ぎに英語レッスンを終え、今日はground zeroへ行く。
駅を降りground zeroへ向かってウロウロしていると、オキュラスに出た。

広い広いスケートリンクのような、真っ白な空間に白い骨組があり、散々写真で見ていた場所に、本当にあったのだと、当たり前の事に感動してしまった。
東京・有楽町の国際フォーラムに作りが似ていた。
ショッピングモールになっていて好奇心をそそられたが、まずは、ground zeroへ行こう。ショッピングは滞在中に時間があったら楽しめばいい。

外へ出ると、ポップな壁アートがあり、高層ビルがニョキニョキ建っていた。

ground zeroに向かって人の流れができており、その流れに付いて行くと、
敷地内は緑の多い公園になっていた。

突然、とてつもなく大きな大きな四角いプールが現れた。
滝のように水が流れ落ちる慰霊碑。ノースプールだった。

あまりの大きさに圧倒され、しばし呆然としてしまった。大量の水が地下に流れ落ちる様子は少し怖くて、でもその音は優しく聞こえた。

2001年9月11日の朝(日本は2001年9月11日の夜)まで、当たり前のようにあったツインタワー。
実はその日、5日前(9/6)に産んだ次女と退院し、授乳をしながらかなり遅めの食事をしていた時だった。
煙を上げて崩れていく様を、きっと映画の番宣だよ、CGだよ、合成画面だよ、と思いながら、映画のワンシーンを見るようにテレビ画面を見ていた。

17年経って、その跡地のプールの側に立つと、心臓がキリキリ痛んできた。

晴れたり曇ったりを繰り返す天気が、私の心の中の気持ちとあいまって、
忙しかった。
プールの周りを、彫られた犠牲者の名前を見ながらぐるりと1周していると、所々、彫られた名前の部分に、ピンクの薔薇1輪が手向けられていた。ボランティア団体によって、犠牲者の誕生日に飾られる。

涙を流したり、沈痛な面持ちの人と何人もすれ違った。
刻まれた人名を見ながら〝この人はここで何をなさっていたのだろう。生きていたら何歳だったのだろう。どんな人生ドラマを持っていた人だったんだろう。無念だっただろうな。やり残したこといっぱいあっただろうな〟などと思った。
17年前に自宅のテレビで見たあの光景は、フィクションではなかったのだと、改めて実感させられた。

敷地内の地図を見ると、同じ敷地内にもう1つ、サースプールの表示があった。ノースプールからはWorld Trade Center, WTCが建っているため直接見ることはできない。そこで公園内をさらに進んでいくと、そこにサースプールはあった。ノースプール同様、滝のように水が流れ落ちる慰霊碑。
犠牲者たちの名前が彫られ、所々にお誕生日の花が一輪手向けられていた。しばらく流れ落ちる水を見ながら、音を聞きながら、見えない水の行く先を、犠牲者やご家族の心情を慮りながら、ずっと眺めていた。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?