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【読書感想】二宮金次郎 日本人のこころの言葉 著:二宮康裕

今回はこちらの本を読みました。
選んだ理由は、タイトルを見た時に「二宮金次郎の事殆ど知らないな」と思ったからです。
小学校で見た銅像とそれに纏わるちょっとした逸話のイメージしかありませんでした。

結果として、農民出身でありながら地に足のついた地道な努力と実行力で農民から武士に上り詰めた凄い人でした。

金次郎は悪い奴をやっつけたり、戦で派手な活躍をしたわけではないので、格好良いヒーローというわけではありません。

しかし、財政的に沢山の人を助けました。
その範囲は自分の家から始まり、他人の家、街、藩と、どんどん拡大していきました。
当時の財政難の問題は深刻で、口減らしのために子どもが犠牲になることもあったそうです。
そんな問題を解決しようとした訳ですから彼は間違いなくヒーローです。

また、成功ばかりしていたわけじゃなく、失敗も書かれていました。
そこから学んだ事もあるというのが実在した人物感が増しています。
凄い人も常に苦労していたんだなと思えました。

財政難の街を改革する為にただお金を一時的に配るのではなく、民が自主的に働いて長期的に生活を安定させるという理想のやり方を実現させていました。
多くの人を説得して同志を集めて、やる気のある人を増やして地道に時間をかけて根本的な解決を目指していました。
時間もお金も掛かるし、反対勢力もいるので並大抵の覚悟で出来ることではないと思います。
本当にすごいと口に出してしまうくらい感心しながら読んでいました。

不安の漂う社会情勢は現代に似ていて、今でも活かせることが沢山あると思います。
私自身、裕福とは縁遠いので襟を正す気持ちで自分の生活を見直そうと思います。
まずは、自分ができる範囲で自分や周りの人が余計な苦労をしない様に地道にしっかりと生きていこうと思います。

読む前は私の中で単なる銅像の人でしかなかった二宮金次郎が、今では尊敬できる偉人になりました。

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