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サンカン(フルートのソナチネ分析2)

前回、フルートのカデンツァが終わり、ピアノとの協奏部分のところで終わりましたので、その続きからお話しします。

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フルートの変ホ短調(es-moll)から、ピアノのホ短調(e-moll)に入るというところで、旋律は、フレーズの区切りで、半音ずつ上がっている感じだったと思います。

そしてピアノの伴奏は、ロ長調(H-dur)からメジャーセブンスを使い、旋律のホ短調(e-moll)、どうも教会旋法を使っているようで、ロ長調に対するフリジアンを選択しているようです。

ジャンルは変わりますが、ヘビーメタルのソロなどで、フリジアンが使われることがよくあり、ダークさ・浮遊感・不気味さなどを表現するために、コードに対してアウトサイドなフレーズが使われることがあります。
(参照:音楽理論 ざっくり解説 フリジア旋法)

教会旋法と言われる旋律があった時代では、基本的に白鍵の音(ドレミファソラシ)だけで、曲の中でどの音が基音・終止音(ドレミファソラシ)になるかで、曲調を変えていました。
例えば、ミの旋法(フリジアン)では、ハ長調に対して、ミファソラシドレミの白鍵を弾いた時の、音階パターンを他の調で表したものになります。第3音のソに#を付けると、スパニッシュスケールと呼ばれます。
(ミファソ#ラシドレミ)

クラシックでは、主にドから始まる長調のスケール(アイオニアン)と、ラから始まる短調のスケール(エオリアン)は残っていますが、後期ロマン以降から印象派あたりから、旋律の一種として取り入られています。

バークリーなどのジャズなどでは、教会旋法をソロ・アドリブで即興的に取り入れることが多くなってきています。

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