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新<彼女>の撮り方|#1,2

#1

カメラの中3秒間だけ僕らは
突然恋をする
そして全てわかるはずさ

大好きなフリッパーズギターの「カメラ!カメラ!カメラ!」という曲の一節なんですが、いつもこんな感覚で、女の子を撮っています。

カメラの中で、見つめる、笑う、恥じらう、
いろんな表情が、万華鏡のように。
どの顔も、素敵。どんな女の子も、可愛い。美しい。
本気で、そう思っています。

写真って、楽しいです。
カメラがなかったら、今の自分はないと思います。

写真の楽しさを知らなかった頃の僕は、
女の子と目を合わせることすら、できなかった。
もちろん話すこともできないし、分かることができるわけがなかった。

カメラを持ち、写真の楽しさに目覚め、
少しずつ、女の子と向き合えるようになった。

僕が緊張していると、カメラの中の女の子たちも緊張してしまいます。
だから、一生懸命にピエロになります。
笑ってほしいんです。楽しんでほしいんです。

撮影って、一期一会です。
カメラがあるから、会える、話せる、そして写真を撮ることができる。

写真は、一生残るものになります。大げさに言えば。
だからこそ、ちゃんと可愛く、美しく残してあげることが、大切です。

どの瞬間も、素敵。
だけど、それは僕がそう思っているだけで、
彼女たちも同じ思いでいてくれているとは、限りません。

彼女たちは、撮られた写真を見て、よくこう言います。
「わたし、ブサイクだなー」

え? そんなことないよ? めっちゃ可愛いですよ?
これらの言葉は、必ずと言っていいほどに、空回りします。

撮る側と、撮られる側は、同じ写真を見ていても、
見ているところが、全く違うんですね。

僕は、笑顔が可愛いなって思うんですが、
彼女たちは、自分の笑顔をキモいって言うんです。

それは、なぜか?
自分の顔の嫌いな部分が、強調されてしまうから。なんですね。

いわゆる、コンプレックス。
彼女たちに限らず、我々はコンプレックスを抱える生き物です。
だからこそ、もっと綺麗になりたいとか、マイナスをプラスに変えるように努力するわけです。

多くの女の子は、自分の笑顔が嫌いです。
ホント? 意外に思われる人も多いかもしれません。
(女の子にとっては、そうそう! って思ってくれると思います)

人は笑うと、当たり前なんですが、歯が出ます。
(でなかったら、怖いよね)

歯が出ると、彼女たちは、
歯並びが悪いとか、歯茎が見えて嫌だーとか、ほうれい線が目立って老けて見えるーとか、言います。

そんなの気にならないよ、こんなに素敵な笑顔なのに。
って思うんですが、
コンプレックスは、強いんです。そんなに簡単に倒せるもんじゃない。

#2

スマホの普及によって、誰もがカメラを持つ時代になりました。
なので、女の子たちも、自撮りしています。
SNSなどにアップしていいねもらっ承認欲求を満たすだけでなく、人には見せないけれど、自分を撮っている女の子って案外多いそうです。

女の子たちは、毎日鏡を見ています。
(男性の多くは、鏡そんなに見ないと思います)

鏡で見ている時の自分の顔が、正解だと思っています。
自撮りする時の自分の顔が、正解だと思っています。

だけどそれは間違いで、鏡も自撮りも、完全に作り込まれた世界の中の、理想化された自分です。
自分が嫌だなって思うコンプレックスを巧妙に隠します。
でないと、やってられないもんね。分かります。

だから別に、否定しているわけでなくて、
そんなもんだよねって話です。

そんな女の子たちを撮るときに、鏡や自撮りには勝てないよなーなんて、ちょっと諦めにも似た感覚で撮影しているのですが、一方で、
そんな作り込まれた、自己満足なものよりも、もっと素敵な瞬間がカメラの中では起きているし、それを彼女たちには知ってほしいし、むしろコンプレックスはチャームポイントなんだよって、伝えたいんです。

女の子の笑顔って、超可愛い。
歯の形なんて、全然気にならない。誰も気にしてない。
綺麗な歯並びしてても、いつもムスッとしていては、もったいない。

カメラの中で僕らは、笑い合いたい。
そして、認め合いたい。
新しい君に、出会いたい。

そんな気持ちで、今日も写真を撮っています。



8年ぶりに女の子についてのエッセイを書くことにしました。
女の子のコンプレックスとチャームポイントについて、
女の子たちにとって、前向きになれる、自分が好きになれる本にしたいです。