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開業前の日暮里・舎人ライナー沿線を歩く

つい最近、日暮里・舎人ライナーが数日連続で運転見合わせとなった。

以前、この沿線に本社のある会社に勤務していたこともあり、思い出深い路線の一つ。

振り返ってみれば、開業したのは2008年3月30日。今から15年前の出来事となる。

開業直前の2008年1月末。当時の悪友に唆され、起点の日暮里から終点の見沼代親水公園まで歩いたのだった。

その記録はmixiに書き残したのだが、今では見返すのも難しい。

というわけで、手元に残っていた資料から、当時の記録を再現してみた。

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3月末の開業まで2ヶ月を切った日暮里・舎人ライナー。時刻表の巻頭地図を見ると、この部分だけぽっかり空白域となっている。今まで軌道系交通機関がなかったわけで、地元にとって待望久しい新線となることだろう。そんな開業前の様子を見てきたので、リポートしたいと思う。

日暮里駅東口に直結してライナーの駅が出来上がっている。ホームには、試運転の車両も見える。ゆりかもめ同様、自動運転となるらしい。5両編成が12本用意されるとのこと。

駅の周辺は、道路もビルも工事中だらけ。ライナー開業に合わせ、お色直しが完了するのだろうか。駅から直角にスタートした軌道は、すぐに尾久橋通りを左折。常磐線、京成線をオーバークロスして、西日暮里へ。

尾久橋通りに沿って軌道も右へカーブ。終点の見沼代親水公園まで、このままこの道路沿いに進むのだ。

西日暮里駅は、そのカーブした直後。JRの駅からやや離れた位置に設けられ、長い連絡通路が延びている。なぜか、西日暮里のみ駅名表示が見当たらなかった。

道路は、貨物線をアンダークロス。ライナーは、そのさらに上を北へ進んでいる。軌道は荒川区をはずれ、北区をほんのわずかにかすめるが、北区内に駅はなし。3番目の駅は、赤土(あかど)小学校前。学校の敷地隅を一部削って駅へのエレベーターが設置されている。

尾久橋通りは、クルマの通行量が多く渋滞気味。頻繁に走っている都営バスも、ノロノロ運転を余儀なくされているようだ。どのバス停にも多くのお客が並び、バスの車内はぎっしり満員である。

4番目の駅は、熊野前。西日暮里以外の途中駅では、唯一の他線乗換駅。都電荒川線が尾久橋通りを横切って走っている。

高架軌道はずっと道路中央に延びてきたが、この先隅田川と荒川を渡る部分は、さすがに単独の専用橋梁となって道路の東側へと移動する。

隅田川に架かる尾久橋を渡って足立区に入り、荒川との間の中洲のような位置に5番目の足立小台(あだちおだい)駅。隣には、ケーズデンキが。

荒川を渡る扇大橋付近。開業後には、沿線随一のビューポイントとなるだろう。

首都高中央環状線を跨ぎ越し、再び道路中央に軌道が戻って6番目の扇大橋駅。

さらに北上を続け、7番目は高野駅。「たかの」でも「こうの」でもなく、高野山、高野豆腐と同じく「こうや」と読む。全部で13ある駅のようやく半分を超えた。

8番目は江北(こうほく)駅。さすがに、少々足が疲れてきたぞ。

環七との立体交差江北陸橋を越えると、9番目は問題の西新井大師西駅。なんじゃこりゃ~という駅名である。確かに西新井大師の西側に位置しており、歩けない距離ではないが、道は全然まっすぐには通じていない。初詣客が間違えてこの駅で降りたら、どうやって道案内するのだろうか。まあ、その辺りの深謀遠慮があって、こういう駅名にしたのだろうが・・・。

当初の仮称だった上沼田東公園駅の方が、よっぽどすっきりするなあと思う。

10番目の谷在家(やざいけ)。駅への連絡口には、開業後の時刻などが表示されているのだろうか。エレベーターも、今や遅しと稼働を待ち構えている。

11番目は舎人公園(とねりこうえん)。広大な都立公園が、道路の両側に広がる。ここは、車両基地隣接の駅。上に延びているのが本線、下へ降りてくるのが車庫への引き込み線である。車両基地は地下になっており、地上からその全貌は窺えない。

さて、残る駅はあと二つ。この辺りは、ガソリンの激戦区なのか値段がかなり安い。複数のセルフスタンドで、ハイオク150円、レギュラー140円と表示されている。

12番目の舎人(とねり)を経て、いよいよ終点の見沼代親水公園が近づいてきた。早速、開業を当て込んだ分譲マンションがちらほら。

やったぁ~、ついに到着。終点の13番目見沼代親水公園(みぬまだいしんすいこうえん)である。日暮里からの営業キロは、10km弱。写真を撮りながらゆっくり歩いてきたので、2時間半ほどかかった。終端から目と鼻の先には、東京都足立区と埼玉県草加市の都県境が通っている。

駅の真下には、舎人二ツ橋バス折返場。日暮里へ行く都営バスと伊勢崎線竹ノ塚へ向かう東武バスが発着している。

日暮里-舎人二ツ橋間がバスで40分かかっているところ、ライナーは半分の20分で結ぶ予定。ただし、運賃はバス200円に対してライナー全区間を乗り通すと320円。1.5倍以上になる。バス路線は再編され、計6路線が舎人二ツ橋へ乗り入れることになるらしい。

せっかくなので、駅名の元となった見沼代親水公園を見学。農業用地の縮小によって廃止された見沼代用水跡地を公園化したそうで、長さは1.7kmにも及ぶ。地元のじいさまが数人、のんびり日向ぼっこしていた。

江戸時代、今のさいたま市見沼区にある見沼から農業用水を引いていたが、堆積物の増加により水が流れてこなくなった。そこで、見沼に代わる用水を新たに敷設したのが、見沼代用水の事始めということらしい。

帰りは、東武バスに乗って竹ノ塚駅へと移動。

帰宅後の万歩計はご覧のとおり。2万2千歩を越え、総歩行距離は18km弱であった。

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以上、15年前の街歩き日記でありました。

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