私と同人誌即売会とスケブの話
私は二次創作の漫画・イラストを作成し、同人誌を作って頒布している。同人誌を発表する場である「同人誌即売会」では、私の絵を見てくれた人達にはスケッチブックに無料で絵をかいて渡すサービス(「スケブ」という。芸能人のサインみたいなもの)もしている。
頭のツイートは、その「スケブ」についてのご意見だった。他人には描くのに、自分には描かないんだな。ムカつく…という意味だったと思われる。
スケブ、というのは基本的に無料で行うサービスだった。「だった」…というのは、近年このスケブサービスを悪用する・作家に異常な負担をかける等々の問題が多くなってきており、作家間でも有料化が進んでいる。私も今年から有料化に方向転換をはじめた作家のひとりだ。スケブを受けることで不快な思いをすることが増えたからだ。
スケブを通して、この即売会いるのはこの作品が好きな奴だけだ、これを好きな奴に悪い奴はいない!…という風に思えなくなってしまったのが悲しかった。
スケブは基本的に即売会の開催時間に受付・引き渡しを行う。即売会は11時から15時くらいの間で行われるので、その間で受付できるスケブの数には作家によって差がある。1枚5分程度のものしか描かない人もいるし、1時間かける人もいる。クオリティは作家の好きでいい。即売会の時間でしか描かない人もいるし、家で描きたいから後日郵送で送ります・次のイベントで返しますという作家もいる。
スケブのルールは作家によって違う。お願いする側はそのクオリティ・ルールを受け入れるのが前提条件だ。私には私のルールがある。それを受け入れられないのであれば、私からお別れしてもらうのが一番良い。上記のご意見については、そのルールに至った経緯とお別れが良いという旨を回答した。
私が決めた私のルール。今はこれが最適と自信を持っている。まだ改善できる余地はきっとあるけれど、今の最善はこれ。無理なものは無理!と思える。前はそういう風に思えなかった。とにかく自分という存在すべてに自信がなかった。自分で決めたことに自信が持てないのは、心にも身体にもしんどいこと。上記のツイートはそういうもの。
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スケブは基本的に無料のサービスだ。これは「二次創作」で続いてきた「即売会」という特殊な環境から生まれた文化だからだ。二次創作でお金を取ることは良くない事…これは今も議論されている問題だ。だからといって無料で最高を求められるのは、二次創作作家とはいえ負担が大きすぎる。スケブを続けたいと思う作家が、負担を感じつつ続けるか、嫌になって辞めるか…その2択しかないなんて不幸だ。
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私も最近までは、無料もしくは安い値段で物を提供できるのが良いことだと思っていた。安ければ買ってもらえる、手に取ってもらうには安くするしかない。こう思うようになった原因は、新卒・その次に入った会社がそういう発想で、そう刷り込まれたからかもしれない。
とにかく安く、利益は少ないけれどいっぱい売ればよいのだ…。でも、正直いっぱい売れているかといわれると、そうは感じなかった。取り扱っている「高いもの」を買ってくれる顧客がいなかったし、延々と安いものだけが出ていく。そして、その2社ともあまり顧客によい扱いをされていなかったように感じる。
Twitterでよく言われている、安いものしか扱わないと、安さに群がる人で治安が悪くなる…というのは飲食店に限ったはなしではないのだと、今は思う。
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話は逸れたが、「スケブを求めるだけの、攻撃的な人・よろしくない人」避けるためには、無料サービスを辞めるのが一番いいのだと思う。もし、無料のまま続けるのであれば、受け手との信頼関係を築くための仕組みが必要になる。SNSがそういう使い方ができればいいのだが、実際は「文句」しかこないんだなぁ…これが。
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