契約の話
私は生来ぐうたらな性質で、
日々読書か寝るかで過ごしたい生き物なのですが、
そんな私をしょっちゅうせき立てる声がありまして、
「魂の契約を思い出せ」
「ごろ寝してる場合じゃないから」
と、ふとした瞬間に言われるのです。
契約、2文字が脳裏に浮かんでくることもあります。
契約ってなんだ?
漫画描けってことかな?
生まれる前に決めてきた、
個人的な目標って誰しも持ってると思いますが、
しかしどうも、そういうのとは少し違うようだと考え始めました。
よく脳内に出没する外人男性がいるのですが、
この人がダライラマの顔写真も一緒にチラチラ仄めかしていまして、
要するにダライラマ的な職業の人だという自己紹介もあると思います。
宗教者。
神官、神父、僧侶。
その辺りだということでしょうけど、
私はおそらく、この人と共同で何かをやるという契約を、
地底世界における古代(だと思う)にしてるようなのです。
母の気功の師匠の奥様(ややこしい)がいろいろ視える人なので聞きに行きましたが、今ひとつ取り止めのない話で終わってしまいまして、
さらなる謎を深めてしまいました。
微妙に扱うジャンルが違うのかもしれませんが、
私にとっての個人的な契約なのかもしれません。
ダライラマチラつかせ神官は奥様に、
契約の内容は語ってくれなかったようです。
「他人に聞かなくても本人はわかっているでしょ」
いくら考えても、
おそらくは漫画を描くことがその契約に該当すると思いますが、
描いたらそれを渡す相手がいるということですよね…。
私は2年ほど前に育児疲れか、
漫画で心情を描けなくなってしまっていたことがありました。
そんなとき、
コルクラボに入ったら再び描けるようになりそうだと思って受講、
予想通りまた描けるようになったのですが、
そのときの卒業制作で主人公が地底の神さまに食べられちゃう話を描いていまして、
自分の過去作品をいろいろ振り返ってみて、
「捧げる」というテーマが一貫して横たわっていることに気づきました。
大昔の地底世界で、
私は(地底の)創造主に何かを願い、
その代償に捧げるものを描いているんだと思います。
捧げるものはお金でも宝石でもないし、
血肉でもない代わりに、
創作したものを。
漫画を描いているとみぞおちから丹田まで、
ぐるぐる火が燃えて回っているような感覚があるのですが、
目に見えない契約書でも入っているのかもしれません。
創造主がその日々の業務に飽きないために、
暇つぶしになるものを。
しかし一般的に契約というと、
西洋の悪魔を連想させるイメージがあります。
初めはちょっとギクっとしまして、
私は審神者ができませんから、
その場合どうしたらいいのかなと思いましたが、
今まで40数年の人生の流れ的に、
おそらくそこは心配しなくてもよさそうなのです。
たぶん。
この神官は過去の並行世界に生きているのですが、
時間はあってないようなもので、
向こうからしたら未来の私をせき立てにきているわけです。
そして私以外にも、私の分魂(トータルセルフ)たちもあちこちで、
契約書を抱えて生きている。
隣の並行世界では、
やっぱり別の姿をした神官と私が何かを共同制作している。
知る人ぞ知る大峠に話が及びますが、
私「来年以降の大峠を乗り越えられなかったらどうしよう?」
ダライラマチラつかせ神官「そのときは戻ってくればいいんじゃないの」
いざとなったら地底に帰る場所があると思えば、
多少気持ちにゆとりができます。
(あっできちゃマズいのか)
視えない世界で進んでいく個人的な神仕組み。
目に視える舞台上の出来事のうしろには、
たくさんの思惑が絡み合った台本が眠っている。
懐かしさ、望郷。
すべては契約のために。
明日もペン入れがんばろっと。
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。