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深夜に真っ暗な感情を転がす

深夜。日付はとうに変わってしまった。

テンポの速いロックを聴きながら、キーボードを静かに叩きつけている。胸の内に暗く渦巻いている怒りを込めるように、ゆっくりと息を吐き出す。

部屋の明るさは調節できるが、私の気分とは反して一番明るい設定になっていた。体内時計が狂いそうな真白の明るさである。

数日前から続く微かな動悸と内臓の重たさが、余計に苛立ちを膨れ上がらせているようだった。この状態じゃ、すぐには眠れないだろう。


何がそんなに気に入らないのか、何に怒っているのか、自分でもよくわからない。わからないからこそ、物や人に八つ当たりをしてしまう。実際は、八つ当たりをする一歩手前で我慢している。本当に感情を表に出してしまうと自分が後悔するからだ。

お茶でも淹れようか、と一瞬考えてみる。しかし、内臓の重さが「これ以上、変なものを身体に入れんな」と拒否している。今日はやめておこう。


正しい言葉、正しい意見。頭では解っているのに、正しい行動を取ることができないでいる。

「何で?」

知るか。嫌だから、できない。何でも明確な理由があると思うなよ。

どうせなら一番間違っている答えを選択して、愛する人の絶望した顔を見てみようか。そしたら満足か?


そんな選択できないから、私はただこうして怒りが収まるのを待ちながら、ただ淡々とキーボードを叩き続ける。

黒い感情を飴玉のようにころころと転がして、ゆっくりゆっくり溶かしていく。そうすれば、ほんのり甘辛い安らぎの味がする。


欠伸を一つ。

そろそろ身体がつらいから、布団に入ろう。明日も仕事なのだ。

おやすみ、朝まで。


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眠れない夜に

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