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【裏技編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方

初級編・中級編・上級編と続けてお読み頂いた皆様、また、この裏技編からお読みいただいている皆様、この記事をご覧いただきまして、どうもありがとうございます 今回、平成27年判例を読み解くに伴って、結婚に関する法令等を調べていたところ、法改正や判例変更をすることなく、今の日本の制度の中で「夫婦別姓」を実現してしまえる裏技を発見したので、それをお伝えしていきます その裏技とは、すなわち というものです まあ、「戸籍回避措置」という言葉は私の造語ですし、これだけでは分からないと

    • 【上級編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方

      前回の中級編では、判決文のうち、14条と24条の部分を扱いましたが、今回は13条の部分について、読み解いていくことにします 憲法13条は、次のような条文になっています なんか、シンプル過ぎてよくわかりませんよね しかし、13条こそ、日本国憲法の中で最も重要な条文であるとされています そのことを理解するためには、芦部憲法に唯一掲載されている、上の図を見るのが一番わかり易いと思います(ちなみに、芦部憲法というのは、日本の憲法学における権威的古典で、既に妥当しない記述はある

      • 【中級編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方

        前回の初級編では、平成27年判決が、「夫婦同姓制がギリギリ合憲であることを示し、選択的夫婦別姓制度等の検討を国会に求めた判決」だということをお伝えしました。 判決について、このような理解が広まれば、国会も動かざるをえなくなると思います。 しかし、このような理解を、草の根の活動で広げていくのは、膨大な時間がかかってしまいます。 そこで、今回の中級編では、平成27年判決を構築するロジックを解き明かし、そのロジックに乗っかって、改めて違憲判決を導くにはどうすればいいかというこ

        • 【初級編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方

          はじめに本記事では、平成27年に最高裁判所が出したいわゆる「夫婦別姓訴訟」に関して解説をしていきます この記事を書くきっかけは、とある講演会での、次のようなコメント もしかしたら、多くの人はこのように思っているのかもしれないなぁと でも実は、最高裁判所が平成27年12月16日に出した判決文を読んでみると、一応、ロジックは通ったりしているんですよね と、別に私は、裁判所の判断を擁護したりするつもりは一切ありません。ただ、ここで「もう裁判所を通じて夫婦別姓を実現するのは無

        【裏技編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方