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とは裏腹に。涼しげな横顔、

フレンチトースト美味しそう。とカノジョはつぶやいた。動画に夢中なカノジョは彼がいないことにやっと気がつく。と思っていたら、彼がコンビニ袋をぶら下げて帰ってきた。無表情な彼は無言のままキッチンへ立つ。

また動画に夢中になるカノジョ。



なにやらバターの香ばしさが

キッチンに目を向けると
彼が涼しい顔で立っていた

どうやらなにか作るらしい


「なにやら」と分からないフリをしたものの
実はわかっているのだ
さっき呟いたひとこと

彼は涼しい顔をしてキッチンに立つ
されど知っているのだ
必死さ、を

たまごをかき混ぜるソレ
箸でたまごをかき混ぜる
その右腕に浮き上がる血管

涼しい横顔とは裏腹に
彼の右腕は必死なのだ

あぁぁあ
フレンチトーストが食べたいのではない
涼しげな横顔と
必死な右腕が見たかったのだ


フレンチトーストは仕上げにひとつまみ塩をふりかけて食べるのが好きです。トーストはよく食べますがフレンチトーストは滅多にです。ジブンの何気ないつぶやきでさりげなく行動に移すヒト、素敵だなと思います。


親友と肩を並べてお喋りしながら歩いているとき。夢中になりすぎてかなりの距離を歩いていたようです。靴づれに気がつくこともなく。信号で立ち止まったときに痛みに気がつきました。

「話に夢中で靴づれに気がつかなかったぁ」と何気なくつぶやいた一言

信号は青になり歩き始めたわたしたち。彼女は変わらず弾むように会話をしていたのですが、フと気がついたのです。彼女のやさしさに。歩くスピードがさりげなく緩やかになっていました。

大丈夫?、えぇぇぇっ、大変だね痛い?そんな言葉は一言も発することはなく、ただただ足並みが緩やかなさりげないやさしさへと変わっていました。



彼女は今日、職場の人たちとカジュアルフレンチの食事会だそうです。先日会ったとき深刻な顔で「私、持ってる靴はスニーカーだけなんだよね。」と。足幅の広い彼女の靴を探すことに苦戦したわたしたちでした。数店舗まわり、スタッフさんと会話し、やっっとお気に入りを買うことができました。

やさしさ・相手を想う・大切さ・親友・真の友、などなど。キレイな言葉は数知れずです。角度によってはキレイゴトのようになってしまいそうな言葉です。ただ、本当にキレイなことというのは、誰かの心を動かすことができるのだな、と。

ありがとう。ほんとっ、いい買い物ができた。

靴を試し履きしながらワタシにかけてくれた彼女の言葉です。わたしといえば、さりげなさは皆無。サプライズやさりげない行動はどうやら苦手なので、彼女の靴をさがすときも腕まくりで鼻息荒く店舗をまわっていたと思います。実店舗での買い物やスタッフさんとの会話が苦手なわたしをそこまで必死にさせる彼女の「さりげなさ」は、魔法のようにかっこいいやさしさなのです。


◻︎いつもは500文字ほどの言葉を公開しています。親友のことになると、いつもより言葉が増えるわたしです。好きなヒトのことになると言葉(オモイ)というのは自然と多くなるものです、ね。「さりげなさ」について書きました。これは、noteの世界でも感じることがあります。自身のことを書きつつも読み手をおもうさりげなさを感じる。そんなnoterさんの言葉はやはり魔法なのです

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