雫 水 滴 / ほかのことに夢中でキミのことを忘れちゃって、た
グラスに大きめの氷をひとつ
水を滴るほどにそこへ
ひと口含む
潤ったのどに満たされ
キミを放置
夢中から覚め
健気な雫に気がつく
ごめん
キミのことを忘れちゃって、た
それはとても何気ないことでした。喉が渇いたので冷たい水が飲みたくて氷をグラスに入れました。そこから始まった些細すぎる小さなことです。ひと口、冷たい水を飲んで満足するわたし。そして他のことに夢中になりグラスを放置。
雫。
わたしが夢中になっているあいだ、氷は水を冷たく保とうとしてくれていました。グラスにしがみついている水滴をみて、そんなふうに思ったのです。自分が困っているときは満足を乞う。されども満たされると、なかったことのように忘れてしまう。それでも相手は自分を忘れずに思ってくれている。
そんなふうにフと思うことはありますか
当たり前に過ごしている毎日のなかで、自分の想像よりも遥かにたくさんのヒト・モノ・コトが、ジブンのことを思ってくれているのかもしれません。グラスのなかで消えてしまった氷、だけど水はとても冷たく美味しかったのです。氷のぬくもりを感じました。
◻︎見出し画像は 「雫とコンパス」さん の画をおかりしました
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