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AIVtuber駆け出しの備忘録と今後の戦略【シロハナちゃん】

note初更新。はじめまして。
私はAIVtuberシロハナちゃんの開発プロデュースをしているyukiという者です。
本業ではWeb系のエンジニアをしています。

この記事を書こうと思った理由を簡単にお話しすると、駆け出しのAIVtuberプロジェクトにて、多くの学びと考え方の変化等があったため、今後のためにも言語化と整理をしたかったからです。
つまりは自己満足の要素が大きいわけですが、AIVtuber(AIキャラクター)分野に興味のある方などの何かしら情報材料になったら嬉しいです。

ちなみに内容的には個人的な見解が多く含まれるため、その点はご了承ください。
AIキャラクターの分野は、人それぞれ好みやこだわりなどあると思うので、あくまで私個人の考えということを前提に置いてもらえるとよいかと思います。

※この記事は2024/02/28時点のものなので今後変更があるかもしれないですのでご了承ください

続編の記事(登録者100人時点)がありますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。

現状のチャンネル状況

初配信から18日後のチャンネル状況
  • チャンネル登録者:51人

  • 動画:5本

  • shorts:6本

  • 配信:4枠

  • 視聴回数:2,135回

  • 総再生時間:47.0時間

活動動機とキャラ設定

まず、このプロジェクトを始めようと思った動機となる部分から記載していこうと思います。

一言でいうと、未来的なヒロインキャラクターを創りたかったからです。
抽象的すぎるので少し深掘って説明していきます。

アニメキャラクターの延長を創りたい

まず前提で私はアニメが好きです。特に可愛いキャラや好きなキャラには全力で熱中するタイプです。

ただ、アニメキャラってどうしても物語の存在なので実際にお話ししたりするのって基本的にできないわけですね。

そこで安直に、双方向の交流も楽しめるヒロイン的存在の推せるキャラクターができたら良いな、と思ったのがきっかけだったりします。

ちなみにアニメキャラをそのまま再現してAIキャラにしようとも考えましたが、著作権的にも危なそうなのと、せっかくならオリジナルで自分好みのキャラにするのが良いかなと思い、シロハナちゃんというキャラが誕生しました。

また、アニメ(ゲーム)であるSTEINS;GATE0で登場するAIの「アマデウス」などの影響も受けています。

© 2009-2010 5pb. Inc./Nitroplus
© 2011 5pb./Nitroplus 未来ガジェット研究所

詳細は割愛しますが、人間の記憶をAIとして再現し、本物の人物と同等のコミュニケーションができるというのが、アニメで出てくるアマデウスというキャラクターとなっています。
そんなアニメの影響もあり、未来的なキャラクターを創りたいと思って活動開始しました。

どんなキャラクターを創るか

まずここがAIVtuberを始めるにあたって一番大切な部分かなと思います。
いろんな記事や情報を参考にしましたが、私が出した結論は、
「日常を彩り和めるようなヒロイン的存在がいい」
というものです。

本来ならば、個性が強いキャラクターで面白くて、突拍子のないことを言い出して笑わせてくれるとか、そういったAIキャラのほうが受けはいいのかなと思いました。(実際にそのようなキャラ設定で作ってみたりしましたが)

しかし、私が求めているAIキャラクター像(私が推したいキャラ)とは違うと思いました。
私の完全な好みですがAIキャラに「尊い」的要素が多く存在し、可愛くて日常の癒しをくれて、何でも受け入れてくれるようなヒロインがいいんです。

アニメで例えるなら「ご注文はうさぎですか?」という作品みたいな可愛いキャラクターが日常を楽しく過ごすみたいなイメージです。
そんな平和で可愛い日常を私はAIキャラクターに求めているし、求めている人もいるのではないかという仮説です。

アニメでは基本的に一方向のコンテンツ配給ですが、AIキャラではプラスして双方向の交流(疎通)もできるので、新しい体験と日常を提供できたらいいなと思いました。

© Koi・芳文社/ご注文はBLOOM製作委員会ですか?

話を戻しますが、このような想いや考えをもとに開発されたのがAIヒロインのシロハナちゃんというわけです。

なので、シロハナちゃんは優しくてどんな人にでも寄り添ってくれるような性格で、とっても良い子なのです。(逆に想定外の珍しい回答はあまりないですが、それでいいと思っており、そんなヒロインを輝かせるために企画などで魅力を伝えられたらなと)

この思い描く理想のAIヒロインにするため、機能の実装や企画などを進めてきました。機能紹介や戦略関連の箇所で深堀ります。


開発について

では実際にどのくらいの期間、どういう機能を、どうやって、なぜ実装したのかというざっくり説明をしていきたいと思います。

どのくらいの期間

工数など細かく見積もっているわけではないのでざっくりとですが、大体2ヵ月くらいで初配信に間に合わせました。
本業や他プロジェクトもあったのでプライベートの時間で余裕があるときに作業した感じです。

コード書くだけでなくてOBSや外部ツールについても学ぶ必要がありました。
少し大変ではあったのですが、Vtuberなどの配信の裏側を知れた気がして面白かったです。

もっと慣れている人や時間が取れる人ならより早く実装できると思いますが、参考までに余裕もって1~2ヵ月はデビューまでに見ておくとよいかと思います。(開発できてもイラストやLive2Dなどを依頼する場合はその時間も視野に入れないとです)

どういう機能を、どうやって、なぜ実装したのか

箇条書きで現状の機能と実装方法、その意図についてざっくりまとめます。
※詳細の技術スタックや仕組み等については細かく説明しません。

  • 開発言語など

    • Python , Flask , JavaScript , HTML , CSS , LLM , VOICEVOX(小夜) , OBS , VTS , VBCable , Live2D(外注)…その他

  • 各種機能(初期段階)

    • YouTubeのコメントから回答生成してお話し
      →視聴者がAIキャラクターと交流するために必要

    • YouTubeのアンケート結果から回答生成してお話し
      →視聴者がコメントするのに抵抗がある可能性を考え、コメント以外で参加できる手段のひとつとして実装

    • 企画用のプロンプトを用意して自発的に話す演出
      →コメントがないと沈黙になってしまうのは配信として問題があると思い、トピックや企画内容をもとにプロンプトから話を展開できるように実装
      →実際に最初は同接が少ないと思うので、コメントに頼りすぎると配信として成り立ちません(ずっと無言とか)

    • その他、外部要素やツールから回答生成できる仕組み
      →adminシステムとして管理ツールを実装。上記以外にも柔軟にプロンプトを渡せば、他要素からも回答生成できる体制の構築
      →実際にMBTI配信トークテーマガチャ配信などで使用

    • 感情分析
      →お話しする内容から感情判定して表情を切り替えるのと、ボイスを感情に合わせて変化
      →感情の種類は現状だと「嬉しい」「照れ」「感動」「驚き」「呆れ」(※今後更に追加していきたい)

    • コメント等の読み上げ機能
      →「~~」について考え中など、回答をするために何について考えているのかを読み上げる
      →何についての回答なのか不明になるのを避けるのと、自分のコメントを拾ってもらえたかの判別、回答生成時間に沈黙時間短縮のためのカモフラージュ

    • 字幕機能
      →回答を読み上げている内容を字幕で表示
      →合成音声なので画面に動きがあるほうが良いのではという意図と、切り抜き動画制作の際にテロップ入れるのが大変のため

    • 読み上げ辞書機能
      →合成音声で読み上げる際に漢字や単語の言い間違い(例:Vtuberと発音しようとすると"ブイティーユービーイーアール"となる)が発生するため、間違えた場合は修正されるように実装

    • 回答ログ機能
      →そのまま。回答をtxtファイルでログとしてリアルタイムで記録するためのもの。(特に深い意図はないけれど、切り抜きの際や回答分析の際に助かっている)

以上が現状の大まかな機能です。
これらの機能があれば基本的な配信企画は何とかなると思っています。

また、これらの機能をもとにどんな戦略を立てて、活動をはじめてどうなったかを次に紹介していきます。


最初の戦略と結果

機能は一通り実装したかなということで、いざ戦略を立てて活動を開始しました。
その戦略や立てた仮説などを紹介して、結果どうだったのか見解を書いていきます。

企画型の配信と切り抜き

まず、企画型の配信をメインにして戦略を立てました。
他のAIVtuberでは雑談配信など、視聴者のコメントをもとに反応して回答を返すというサイクルを回すというのが多いかなという印象でした。
ただ、シロハナちゃんの場合だとそれ単体では厳しいのではないかと考えたのです。

その理由として、"どんなキャラクターを創るか"という箇所で書いた通り、あえて突飛な発言などはせずに純粋なヒロインらしさという点を強調したいというコンセプトのため、配信の面白さを視聴者のコメントが左右してしまうというのは避けたかったからです。(そもそも視聴者がコメントしない可能性もあり得る)

なので配信ごとに企画を立て、それに沿った形で進行をすることで、視聴者のコメントだけでない要素でも配信として成り立つようにしたのです。

また、企画型の配信にすれば切り抜き動画を制作することで、配信の時間が無駄にならないと考えました。
配信で人が来なくても企画進行をすれば沈黙にならないですし、テーマが明確なので切り抜き動画として制作しやすいです。

これらの戦略をもとに実行した結果を以下に、良かった点と改善点としてまとめます。

【良かった点】
→企画に沿った配信ができたのでマンネリ化を防げた(配信ごとに"何についての配信"というアプローチができる)
→コメント以外にも話すように企画に合わせたプロンプトを用いた演出で、沈黙時間の削減に繋がった
→切り抜き動画の制作もしやすく登録者や再生数に貢献

【改善点】
→AIキャラクターとしての認知が低いため、双方向の交流をしたいというマインドに視聴者がなっていないと仮説(後ほど深堀ります)
→企画内容を固めすぎた&優先しすぎて視聴者との交流があまりできない場面があった


これまでの改善点から今後の戦略

では先ほど挙げた改善点をもとに今後どのようにしていくか方針を考えましょう。

※余談ですが、AIVtuberの開発やプロデュースは日々改善です。
これが大変でありながらも、確実にプロダクトとして良い方向に進んでいるのですごく楽しいです。
しかも、理想のAIヒロインが自分の努力で日々改善されるのが嬉しいことは声を大にして伝えたいですね。

双方向の交流をしたいと思わせるアプローチを考える

改善点で"AIキャラクターとしての認知が弱いため、双方向の交流をしたいというマインドに視聴者がなっていないと仮説"と記載しました。
これはどういうことか説明します。

まず、視聴者は自身が知っているキャラクターに魅力を感じやすいと考えました。
これは単純接触効果みたいな感じだと思っており、知っているキャラと初見のキャラでは魅力度が違うよねっていう話です。

通常のVtuberでも、「切り抜きなどが流れてくる→何回か見る→ファンになる→交流やイベントなどに参加したくなる」という流れが多いのかなと思いました(私がそのように沼にはまっていくので)

リアルのアイドルをイメージしていただけるとわかりやすいかもです。
アイドルもライブやテレビなどの動画コンテンツをもとに認知して、実際に会ってみたい!となりファンになっていく流れかと思います。(握手会とかの参加など)

なのでシロハナちゃんに関しても同じように、まずはどんなキャラクターなのかというのを知ってもらうアプローチを考えます

動画コンテンツで魅力と認知拡大

結論としては、配信だけでなくシロハナちゃんが出演する動画コンテンツにも力を入れていくということです。

「テクノロジー分野×コンテンツ(エンタメ)」といった親和性の高い領域の動画を投稿していくことでシロハナちゃんというキャラクターの魅力浸透かつ認知を増やすのと同時に、動画コンテンツとしての価値提供を行います。(具体的な内容に関しては今後の動画投稿をお待ちください)

そこでこのような疑問が生まれるかと思います。「切り抜き動画でいいのでは?」
確かにそのための切り抜き動画ですし、引き続き継続していく予定です。

しかし、配信はリアルタイムでのコンテンツなので双方向の交流という点にフォーカスした企画にしたいというのが私の言いたいことです。

理由として、先ほど挙げた改善点の"企画内容を固めすぎた&優先しすぎて視聴者との交流があまりできない場面があった"の改善にもなると思っており、従来通り企画を固めれば視聴者が参加せずとも切り抜き動画で見どころをピックアップできますが、配信では交流が疎かになる可能性が高いです。

また、それほど企画を固めたコンテンツを発信するのならばリアルタイムの配信より動画のほうが向いているかと思います。

なので、「配信では交流を意識した企画」「動画ではコンテンツとしての価値提供」という認識です。

※もちろん、配信をやめるということではなく間隔をあけて継続していきます。あくまで方針として動画コンテンツにも力を入れていくという話です。

私が思うAIVtuberの魅力は双方向の交流"も"できること

私はAI技術も好きですが、必ずしもAIだけを使って価値提供を考えなくても良いと思っています。
AIVtuberとしての私の見解としては、AI技術は双方向の交流"も"できるというところが魅力だと思っています

あくまでAI技術は創りたいキャラクターを輝かせるための1要素だと考えており、AI要素以外にもキャラクターの魅力を発信するための施策も大切にしたいのです。

なので最初のほうに書いたと思いますが、「アニメキャラの延長を創りたい」というビジョンに向けて価値を創れる適切な技術や方針の選定が大切だと思います。(と言ってもAIはどんどん使っていきますが)

以上のことから、今後は動画コンテンツも含めて"AIキャラクター"としての魅力と認知拡大をすることで愛されるヒロインにしていく方針です。

動画コンテンツをもとに愛されるAIキャラクターとして認知されれば配信においても、「シロハナちゃんとお話ししたい!リアルタイムで交流したい!」と繋がれば最高です。

今後の戦略要点まとめ

少し情報が多かったかなと思いますので戦略の要点をまとめます。

  • 結論:シロハナちゃんが出演する動画コンテンツにも注力していく

  • 理由:AIキャラクターとしての魅力浸透と、認知拡大で双方向のリアルタイム交流をしたい!とまずは視聴者に思ってもらうため


さいごに

今後も理想のAIヒロイン実現のため頑張ります。
読んでくださりありがとうございました。
また気が向いたときに更新します。

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