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【保育の場から】「赤ちゃんは自由」?

小児科病棟で保育士として
働いていたときの話です。

大部屋で、私があやして遊んでいる
赤ちゃんが、ご機嫌でキャッキャッと
ベッド柵につかまってピョンピョンするのを
見ていた隣のベッドの6歳さん、

「赤ちゃんは自由でいいなぁ」。

6歳で言っちゃう?と、ウフフとなりつつ
ちょっと考えて

私:「○○ちゃんは、自由じゃないなぁと思うことあるの?」

6歳さん:「うん…まぁね」

私:「どんなときにそう思う?」

6歳さん:「えー、わかんない」

私:「…本当はこうしたいけど、こうしたほうがいいかなぁ、とか、することある?」

6歳さん:「そうだね、まぁ、そんな感じ」

私:「うーん、○○ちゃんがそうして気を遣ってるときあるの、わかるよ」

6歳さん:「へぇ、そっかぁ」

ときどき入院していた子で、私たちには
病院はみんなに会えるから好き、とか言って
はしゃぐ姿を多く見せてくれたけど
聞き分けがよくて我慢強いタイプなのは
感じていた。

地頭がいい、というのか、周囲の状況や
自分の立ち位置などもよく見えている
ようだった。

ママには感情をぶつける姿がときどきあり
発散できているならいいけど
頑張ってるよなぁ……と、気になっていた。

「なんか自由じゃない」と感じるというのは
だいたいみんな通る道なんでは、
と思うけど(ほんと?私は通ったけど)
早くないかなぁ、6歳で思うの、悲しいなぁ。

それとも、そこから「自由になりたい」と
模索し始めるのは早いほうがいいの?
どうなんだろうか。

ふと吐露してくれた
忘れられない言葉です。

久しぶりに会うと「先生会いたかったよ」
とハグしてくれたあの子。

退院する前に私とお別れするとき
ダメだよって言っても廊下まで見送りに
来てくれたあの子。

元気でいてほしいな。
もう入院していないといいな。

ときどき思い出しては、幸せを願います。


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