【保育の場から】2歳児のやっつけ仕事

定期的に一時保育を利用する子には、季節の製作をしてもらっています。

先日、画用紙のおひなさまをよく来る2歳さんのひとりとつくることに。
その子の利用状況を考えると、この時間にするしかない!

絵の具つかって、指でぬりぬりしてみない?
と誘う。

おひなさまとお内裏さまがいるので、寒色系と暖色系の2枚を作成しそれぞれの着物にします。

まずは寒色系から…
本人は指でぬる感触を楽しんで何色か絵の具を使いご機嫌の様子。
いいねいいね、素敵な色だね。
では次は暖色系の着物だから、一度手を洗いましょうね。

洗い終えてテーブルに誘うと
「しない、ブーブ(車のおもちゃ)する」
……あぁ~、手を洗ったら飽きてしまわれた!!

でもさでもさ、おひなさまって、ふたりいるのね。
ふたりとも着物があったほうがかわいいよ。
ふたりともかわいい着物があると、持って帰ったらママ喜ぶよ。

完全に大人の都合による必死の説得に、真顔で憮然としながらイスに座る2歳さん。

よかったぁ、早く終わったらブーブしようね!
さぁ、3つ色があるから、また指でぬりぬりしようね。

すると2歳さんは、赤・ピンク・黄色のうち黄色だけを手に取り雑にぬりぬり。
「……やったよ」

いやいやいや、あと2つ色があるしさ、黄色だけだとちょっとおひなさまにはね、寂しいから。
どうかな、こっちの色も使ってみたら?ほらほら…

2歳さんは真顔のまま、残りの2色をぐりぐりとぬり付けました。

「やったよ」

最初におこなった寒色系の着物より、あからさまに手数の少ない仕上がり…
でもこれでよし!
よかった、かわいいのできたね!
お部屋に飾ったあとに持って帰ろうね!

「…ブーブする」

…なんといいますか。
2歳なのに、ちゃんと大人の説得に応じて渋々でもやってくれる素晴らしさ。
そして、やったんだからこれでいいんでしょ、と言わんばかりの
「やったよ」。

2歳でも、やっつけ仕事とか、するんだなぁ…と、関心してしまいました。
求められていることに応じつつ、なるべく自分の負担を軽減し、早く自分の欲求も満たすことを考えてる。
なんて賢いんだろう。

そして、もう少し、途中で興味を失うことを想定しつつ余裕のある日程でおこなうべきでしたね。
子どもにちょっと申し訳ない、けど、関心させられたできごとでした。

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