診断士の”説明””解説”技術は重要だよ、という話

最近、同じ養成講座を受講している方たちと勉強会をしよう、ということになり、企画を着々と進めています。
私、昔から「勉強会」ってイベントが好きなんです。
学生の頃、テスト前には学内の図書館にある自習室(個室、予約制)に友人たちと毎日のように集まり、黙々と、あるいはワイワイと過ごしたものです。
なんなら、休日には朝9時から夜9時までいましたからね。

幹事を務めるのも好きな方なので、こういうことしたいな、誰かモデルを呼びたいな、こんなお菓子があったらいいかな、他に誰を呼ぼうか、なんてことを考えながら準備しています。
第一回目は、私の友人をモデルに実技練習をし、更に事前説明や結果の解説を添削しあう形で固まりそうです。
今回の参加者は私、診断士仲間のHさん、そして、養成講座を受講していることが最近判明したNさんの3名。本当はもう1人お呼びしたかったのですが、予定が合わず、次回からになりそうです。

そして、企画を進めているLINEグループは、発端の私が(謎テンションで)お嬢様口調を使ったことから、この下りがずっと続いています。
皆さんノリの良い方々なので、今もこの調子が続いています。そろそろサロメ嬢化しそう。

退勤ってこんなにテンション上がりましたっけ? 労働はクソということですかね。


さて、診断士にも、説明が得意な方とそうでない方がいます。
で、後者の方だと「〇〇色は似合わないので止めましょう」「そのメガネの形は骨格に合わないので、新調しましょう」とか、平気で言います。
私も実際に経験しました。

私は、パーソナルカラー診断を2度受けています。
①「誤診されることもあるから、何か所か見てもらった方が良い」という意見を目にしていたから
②単純に診断が面白かったから
③割と有名なサロンで、行ってみたいと思っていたから
④物理的な診断書が欲しかったから
⑤ミニドレープやおすすめコスメ一覧など、特典がついていたから
というのが、主な理由です。

口コミでは良いサロンさんでしたし、診断結果は、一度目と同じサマー判定で納得もできたので、これ以上は受けなくていいかな、と安心しました。
ですが、私のがっかりポイントは最後の質問タイム。
「推しグループの色は濃くて暗めの緑なんですけど、どう着たら良いですか? どうしたらメンカラと合わせやすいですか?」に返ってきた言葉は、
「あ、その緑色はサマー色ではないので、サマー色の緑を着ましょう!」でした。

いやいやいや、と思いましたね。
パーソナルカラーでない色の取り入れ方を教えて欲しかったのですが、まさかの、「その色は着るな」という。

オタクにとって、推しカラーって大事なものではないでしょうか。
しかもそのジャンルは、同じ色でも、微妙に明るさや色味を変えて何人も対応させている某ジャンルです。約30色のカラーチェンジとかしんどいです。赤系だけで何人おんねん。
グッズの印刷とペンラの色って微妙に違うから見分けつかない。
ある公演では「6色中3色が赤? そして青系2色に白? 順番で何とか判別するか……」みたいなこともありました。見事に死んだ。

だからこそ、推しアピールを(色で)したいなら、ジャスト推しカラー、でないとアピールできません。
問題の「サマー色の緑」を着ると、他の子を推していることになってしまうのです。
「サマー色の緑だと、××くん推しということになっちゃいませんか?」と食い下がっては見たものの、「でもパーソナルカラーではないお色ですから……」と回答は変わらず。

(左)私が着たかった色 (右)勧められた色

全然違う色じゃないですか?

オタクに理解のある診断士さんで、しかもそのジャンルも詳細にご存じだったので分かってくれるかなと思ったのですけど、そうではなかったようです。
推しの色は着たい、でも自分に似合わせたい。それって、不可能なことだったのでしょうか。
私は、ここで初めて、"迷子"になってしまいました。

(後日談として、何もかもどうでも良くなった私は、気にせずその色のニットを着ることにしました。
 その後、今の師匠とランチに行ったとき、世間話程度にこの話をしたら、大爆笑された後に「その素材と形なら、何も考えずに着ても大丈夫!」と言っていただきました)

……今だから言えるのですが、この診断士さんは、知識や経験、レベルが低すぎて、全く答えになっていません。
(あんまり他者を貶すようなこと言いたくないんですけどね)
これ、多分ですけど、資格取得の方法に問題があるんじゃないかと思っています。
問われるのは知識と技術なんです。"実務"までは資格取得の必須条件に入らないんですよね。
代表的なパーソナルカラー診断の資格試験内容を確認しましたので、ほぼ間違いありません。

例えば、NPO法人日本パーソナルカラー協会の「モジュール3」と呼ばれる、上級者向けの資格試験では、出題範囲が下記のとおりとされています。
試験では「お客様に説明ができるかどうか」、までは見られていないことが分かります。

・色彩理論の中級程度を理解していること
・指定の条件に沿った色を的確に選ぶことができること
・顔の見え方の違いから、テストカラーの色の属性を確認できること
・指定されたイメージワードの色を的確に選ぶことができること
・色からイメージワードを解答することができること

https://www.p-color.jp/certification/outline/

ちなみに、NPO法人日本パーソナルカラー協会では、「合格後のシステム」として、「JPCAパーソナルカラーアナリスト®養成講座」というものが設定されています。
任意参加の講座のようですが、ここで初めて、実務に関わる内容が出ていました。
……ということは、「モジュール3の資格を持っていること」と「実務ができる」ことが、イコールではないということが分かります。

だから、教科書通りにただ説明する……正確には「読み上げる」診断士がいるのです。
診断を受けるお客様からしたら、たまったものではないですよね。聞きたいことに回答してもらえないのですから。
しかも安くない金額を払ってるんですよね~~~! 十分なサービスを提供できないのであれば、それなりの値段設定というものがあると思うんですよ! 私は!!!(ガチギレ)
(診断の値段に関しても色々書きたいことはあるので、それはまたいずれ)

師匠からは、診断結果の説明の仕方まで、きっちりと叩き込まれました。
こちらの記事でのレポの通り、説明の仕方も資格取得のためのテスト内容となっていて、ここまで仕上がった人間でないと合格できません。

先日お邪魔させてもらった方の最終試験で、採点をしていた師匠が採点表を見せてくれたのですが、説明の部分がかなーり厳しく見られていたことを改めて実感しました。
だって、「〇〇について説明しているか」みたいなのが、5項目くらい並んでいるんですもの。
私はもう終わった試験とはいえ、恐ろしかった……。
未だに学校でテストを受けたり課題をこなしたりしている夢を見て、起床後5分くらいは「テスト! 課題! やばいどうしよう!!!」って焦る人間です。何かトラウマでもあるのでしょうか。不思議ですね。

教科書通りに読み上げるだけなら、誰にでもできます。
診断士に求められるのは、100%の正答率を持って診断を行うこと、そして、相手が納得してくれる説明を行うこと。
教科書に書いてあることが、目の前にいらっしゃるお客様に100%当てはまる、なんてことは99.9%※あり得ません。
お客様が当てはまる特徴、当てはまらない特徴を見極めなければなりません。
(※100%とは言えない理系の性。悲しいですね)

ですから、私なら、
「ワンピースを着るなら、骨格に合わせた着こなしをしてください」
「アクセサリーで顔と服の間に緩衝地帯を作りましょう」
「メイクの色味を調整しましょう」
と切り出して、具体的な案をご提示します。

「これくらいの色味なら他の子と被らずにパーソナルカラーに近づけられます。ジャストの推しカラーではないですけど、いかがですか」
「メンカラはパーソナルカラーと合っているので、メンカラをトップスに、グループカラーをボトムスに持ってきてください。苦手なお色であることは変わらないので、生地や柄を骨格に合わせたものにしましょう。〇〇(店名、ブランド名)のスカートなら、柄も推しの衣装に近いですし、着こなせそうですよ」
「今持っているお洋服で、グループカラーのものはありますか? そのお洋服で行く予定なら、着こなし方を一緒に考えましょう。小物やアクセサリーで調整できますよ」
「このお色だと少しお顔が暗く見えてしまうので、下地やファンデーションを少し明るいお色のものにしましょう。今、コントロールカラーや下地は何色を使っていますか?」
とかね。

知識を売る職業ですから、これは当たり前のことです。ただの技術職とは少し違うのです。
……と、元化学系・生物系技術職の人間として、そう思っています。

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