農業をひも解く33 ~新たな公~
新たな公。
この言葉をご存じだろうか。・・というか、覚えておられるだろうか。
もうずいぶん昔に、政府が言っていたことである。
この頃僕は、カイシャの本店にいたのだが、「ふーん・・」と思った記憶がある。
「公」というのは文字どおり「おおやけ」ということだけど、その「公」の仕事ってもんが
回ってないんじゃないか??
と感じていたからだ。
ブラック化している・・とも聞くけど(笑)。
一方でボランティア活動。
ボランティア活動が不要とは思わないが、僕としては、
民
の力に頼らないとどうにもならない「公」ってどうなんだろう?と思ってしまうんである。
さて、農業である。
農業は、その目的が「食料の供給」であるから、機能的には「公」であると言える。実際、旧ソ連では「コルホーズ」とかありましたよね。
なので、「食料生産は公的仕事であるから、農家さんを皆公務員にしちゃったらどうだ・・」という議論が昔からあるわけである。
先述のように、今この国を見ていると、明らかに「公」は破綻している。昔は、”霞ヶ関”から出てくる資料に間違いなんてあり得なかった。僕が思うに、きっと、「公」においては、マンパワーが絶対的に不足しているのだろう。・・特に地方においては。
なので、現在、公ともいうべき「農業」という産業、公務員ともいうべき「農家さん」という存在を、正しく質・量ともに確保するための対策が必要であっても、それを「公」に頼れない、という状況になっている。
・・違うだろうか?
そこで、「新たな公」である。
上記の対策、つまり、農業・農家の支援を、「公」ではなく「新たな公」で行う。
そう、
新たな公=民間
である。
・公では、お金を動かすことができない。けれど、新たな公では、お金を動かすことができる。
・公では、時間の流れが遅い。けれど、新たな公では、時間の流れが速い。
・公は連携ができない。けれど、新たな公は連携ができる。
このような”新たなエンジン”が、農業の再起動には必要だと僕には思える。
もちろん、その過程で消えざるを得ない農業・農家も出てくるだろう。悲しいけれど、それは致し方ない。ひょっとしたら「違った形の農業」として、独自の進化の道を歩むかもしれない。
日経なんかを読んでいると、とても断片的ではあるが、そういう胎動を見て取れる。
スタートアップ、という言葉が、僕は好きだ。
そして僕も、2か月後には自分が農業分野の小さなスタートアップとなる。
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