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ある夫婦の物語「東京夫婦善哉」

予告編を見て気になっていたドキュメンタリー映画「東京夫婦善哉」
を行きつけの映画館、Uplink吉祥寺に見にいってきました。

(ここからはネタバレを含みます)

星野さんご夫婦(夫:稔さん、妻:弥生さん)はご夫婦ともに70代前半、あと数年で金婚式を迎える予定。

子供や孫の訪問もあり、人付き合いも多いよう。

ご主人は気功家、奥様は社会活動家でもありつつスペイン語の翻訳もされていて、
若い頃はスペインに留学して勉強していたのだとか。

一見すると満たされた生活のようですが、長年気功家として積極的に活動し、海外にもよく研修旅行に出かけていたご主人の陰で奥様は複雑な思いを抱いていたようで。

「母子家庭のようだった」
「私を排除するようなところもあった」
「私、本当に寂しい思いさせられていたから」

それでも、長年夫婦としてともに歩んできたある日、ご主人がスキルス性胃がんで
余命3−6ヶ月の宣告を受けます。

ご主人は抗がん治療は受けないことを決め、最後の日々、奥様は献身的に看病をします。

そんな二人のそばにいつもよりそう猫のチャロも、実は糖尿病を患っています。

ご主人が旅立った後、まるでご主人がチャロに残りの命を託していったように感じ、ふとした振る舞いがご主人の仕草のようにも感じられ、奥様はチャロと共に過ごすのですが、チャロにも残された時間は長くはなく・・・。

ご夫婦それぞれがどのように育ち、学園紛争時代にどのように出会い、どのような人生を歩んできたか。 
そして、どのような別れを迎えたか。

ご夫婦に縁のある様々な方たちのお話もあり、周囲から見たご夫婦の姿も伝わってきました。

「結婚していつが一番幸せだったか」
を聞かれた奥様がご主人の最晩年の、すでに余命がわかった時期だと答えたことに驚きましたが、それまで散々家をあけていたご主人がようやく帰ってきたようだから、という理由が切なくて。

それでも、最後の時間をそうしてご夫婦で過ごせたことは幸せなことだったのでしょうね。

ご主人が亡くなる前日、奥様が
「まだ言い残すこと、いっぱいあったよね。私もあったよ」
と声をかける場面には、河野裕子さんの最後の一首、
「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」
を思い出しました。

夫婦として生きること、(思いがけなく早く)生涯を終えること、人との関わり方、家族の関係など、そしてともに暮らすペットの存在の大きさなど、色々なことを考えさせられました。

上映後、映画でも使われていた曲のジャズギターとジャズハーモニカのミニライブがあったのですが、ギタリストの小泉清人さんは映画の主人公の奥様の弟さんとのこと。

この日はトークショーはなかったのですが、奥様の星野弥生さんだけでなく、藤澤勇夫監督、馬場民子プロデューサーもいらしていて、びっくり。

帰る前に奥様に
「素敵な映画をありがとうございました」
と感想を伝えられてよかったです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

*先日、職場で腰をぶつけた時。
「これはまずいかも」
という感触が。

病院に行ってレントゲンを撮っていただくと、尾てい骨にヒビが(汗)。

日常生活はできるのですが、立ち座りなど、尾てい骨周辺に力をかける動作が辛いので、今はゆっくりゆっくり動いています。

場所が場所だけにギブスなどもできないのですが、ひたすら気をつけて過ごせば、
ひと月程度で治るとのこと。

まずは、折れていなくてよかったです。

転んだり尻餅をついて尾てい骨を骨折する方もいらっしゃるそうなので、皆様も、どうぞ気をつけてくださいね。


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