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28年前の11月20日、英国・ウィンザー城で起こったこと

1997年に英国に滞在していた時、
ウィンザー城(Windsor Castle)も
見学に行きました。 
 

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女王の居城でもあるので、
宮殿内はハンプトン・コート宮殿のように
自由に見て回れるわけではなく、
見学できる場所も限られています。  

そのため、ハンプトン・コートより
印象が薄く、
もっとも印象深かったのは
「クイーン・メアリのドールハウス」
でした。 
 
クイーン・メアリはジョージ5世の妃で、
エリザベス女王のお祖母さまにあたります。 
 
クイーン・メアリーに贈られた
このドールハウスは
実物の1/12の縮尺で作られた精巧なもので
ガラスケースに入れられ、
すべての部屋が覗けるようになっています。 
 
蛇口からは本当に水とお湯が出るなど、
まさに本物さながら。
 
細かな部分まで忠実に再現された調度品や家具も素晴らしく、
当然のことながら大人気で、
押すな押すなの大混雑。 
 
ゆっくり見られなかったのが残念でした。 
 
このドール・ハウスから
出口までの通路に沿っては
エリザベス女王が海外を訪問した時に贈られた
人形とその洋服、小物などが
飾られていました。 
 
わたしが見学に行ったこの時、
ウインザー城ではまだ
1992年の火災の後の修復が続いていました。 

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というのも、1992年11月20日、
ウィンザー城で漏電による火災が発生したのです。  

(「1992年ウィンザー城火災」、1992 Windsor Castle fireと呼ばれています) 
 
わたしは火事の後、ウィンザー城を視察する
エリザベス女王の姿を
テレビのニュースで見たのを覚えています。 

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(この写真は「エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主」
(君塚直隆、中公新書からお借りしています) 

その時の火災の後の修復が、
1997年にもまだ続いていたのです。 
 
火災の際、
国賓を迎えての晩餐会などに使用されていた
セント・ジョージの間など9つの部屋が全焼し、
甚大な被害を受けました。 
 
その膨大な修復費用をまかなうため、
女王も所得税を納税し、
それまで公開されていなかったロンドンの
バッキンガム宮殿を有料で公開することを
決めたのです。 
 
(バッキンガム宮殿は通常は非公開ですが
エリザベス女王がスコットランドで
夏の静養をされる
10週間だけの期間限定で
特別に公開されています。 ) 
 
11月20日は
エリザベス女王とフィリップ殿下の
結婚記念日。  

大火災が起こった1992年11月20日は
お二人の45年目の結婚記念日
(サファイア婚式)
でもあったのですが、
なんとも痛ましい日になってしまったのです。 
 
さらに、1992年は
女王の在位40周年の記念の年でも
あったのですが
この年には大火災の他にも
いくつかの残念な出来事が重なり、
女王ご自身がスピーチで
「ひどい年」と表現する1年に
なってしまいました。 
 
そして、5年後の1997年には
金婚式を迎えられましたが、
その年はダイアナ妃がなくなった際の
王室の対応によって王室の支持率が
一時急落しました。 
 
そのこともあってか、
97年秋の修復完了のニュースと並び
金婚式は明るい話題ではあったものの、
「国を挙げてお祝い」というような雰囲気は
あまり感じられなかったのです。
 
それから歳月が過ぎ、
2020年11月20日、
ご夫妻は73回目の結婚記念日を迎えられました。  

英国王室のtwitterやニュースなどには
女王ご夫妻がウィンザー城で
3人の孫(ウィリアム王子の子供達)
から贈れられたカードを見て
談笑されている写真が掲載されています.。

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女王がつけていらっしゃる菊の形のブローチは
ハネムーンの際にも
身につけていらしたものだとか。 

一般の夫婦でも73年を共にすれば
様々なことがあると思いますが、
英国の女王夫妻としての立場で
73年を共にしてこられたご夫婦は
今日、どのようなことを
思い返されているのでしょう。 

御年94際のエリザベス女王と
99歳のフィリップ殿下、
ご夫婦ともに、
お元気でいていただきたいですね。 

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 

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