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第28回 「紙幣」「銀行」がなぜ生まれたか説明できますか? とても大事なお金の話

「自分の活動に使えない情報はスルー」だと、生存確率が下がる!ー


今日は『NFTの今』というテーマでお話ししようと思うのですが、本題に入る前にお伝えしておきたい「とっても大切なこと」が一つあります。

それは…

「自分の活動に転用できない情報だからといってシャットアウトしない」

ということです。

「その打ち手が自分にも使えるか、使えないか?」を考えることはとても大切です。

ですが、打ち手(打開策)というのは、そもそも「情報の編集作業」なので、「(現時点の)自分には使えない情報の仕入れ」を止めてしまうと、いずれ、編集素材が少ない状態で編集しなきゃいけなくなり、生存確率(打開策の生産効率)がグンと下がります。

「使える/使えない」の前に、「興味を持つ」ということがとっても大切だということをご理解いただいた上で(ご理解いただいたよね?)、今日は『NFTの今(前編)』についてお話ししたいと思います。
※『NFTの今(後編)』にご興味のある方は、オンラインサロンで!

この話の結論は「NFT×ウイスキーって面白いよね!」なのですが…

これだけだと、まったく何のこっちゃ分からないと思うので、死ぬほど丁寧に(外側から)説明します。

「お金」の成り立ちをおさらい

先日、「NFT×ウイスキー」を仕掛ける会社の代表の方との勉強会がありました。

話は最終的に「メタバース×えんとつ町」に展開していったわけですが、その入り口として、「NFT×ウイスキー」の話で盛り上がりました。

とっても面白い話なのですが、これを理解するには、たぶん「お金の成り立ち」から説明した方がいいと思います。

なので、『NFTの今(前編)』の今日は、「お金って、どうやって生まれたんだっけ?」を、おさらいしたいと思います。

さて。

「お金」というのは、いろんな地域で、いろんな形で生まれ、それぞれの自然環境や宗教ルールや国のオラオラによって、それぞれの成長を遂げているので、「お金って、こうやって生まれたんだよ」と一つにまとめて説明するのはチョット難しかったりします。

「そういう『お金』もあるけど、こういう『お金』もあるし、ああいう『お金』もあるよね」という話なので。

ただ、そんなことを言っていたら話が進まないので、ここでは、めちゃくちゃザックリとした「お金(紙幣)の誕生」についてお話しします。
#異論は認めますが黙れ

…いろいろありまして(#さっそく説明をスッ飛ばすヤツ)、「ゴールド(金)」がお金として使われるようになります。

ところが、ある時、「ゴールドって、持ち歩くの重くね?…かといって、家に置いておくのもリスクあるし…」と言い出したヤツがいました。

そこで、イイ感じの金庫を持っているヤツが「だったら、ウチで預かるよ。100ゴールドを預けてくれたら、100ゴールド分の『預かり証』を渡すから、ゴールドを引き出したくなったら、『預かり証』をウチに持ってきてよ」と言い出して、「WOW! それイイじゃん! 」と村の人。

皆それぞれ、金庫男に「ゴールド」を預けて、預けた分の『預かり証』を受けとるようになります。

ヤキソバを買うときには、金庫男のところに行って、
「3ゴールド分」の『預かり証』を出して、3ゴールドを引き出し、
ヤキソバ屋に行って、店主に3ゴールドを渡して、ヤキソバを買います。

そして、
ヤキソバ屋の店主は、そこで受け取った3ゴールドを金庫男のところに持って行き、
3ゴールドを預けて、3ゴールド分の『預かり証』を受け取っていたわけですね。
そこで気づいちゃったのが、ヤキソバ屋の店主です。

「いや、これ、都度都度、金庫男のところにゴールドを持っていくの、面倒だから、もう、ヤキソバを買うときは直接『預かり証』で払ってよ」と言い出します。
#そりゃそうなるよね

皆、「3ゴールドの預かり証」には3ゴールドの価値があり、
「100ゴールドの預かり証」には100ゴールドの価値があることを知っているので、
「いちいちゴールドと引き換えなくても、直接『預かり証』でやりとりしたらイイじゃん」
となったわけですね。

これが「紙幣」です。

そして、もうお気づきだと思いますが、金庫男こそが「銀行」です。

『預かり証』は「ゴールドと交換できる」が信用になっていて、これを『金本位制』といったりします。
#名前は覚えなくてイイです

面白いのが、この後です。
ゴールドを受け取って、受け取った分の『預かり証』を発行していた金庫男(銀行)は、ある時、気づくわけですね。

「……あれ? 誰も、ゴールドに引き換えに来ないじゃん」
1000ゴールド預かっているのに、引き換えにくる(引き出される)のは、そのうち20ゴールドぐらいで、あとは金庫に眠ったまま。

ここで、金庫男は「どうせ誰も引き換えにこないんだったら、手元にゴールドが無くても『預かり証』を発行しても、大丈夫なんじゃね?」と考えます。
#なんて悪いやつなんだ

1000ゴールドしか持っていないのに、1900ゴールド分の『預かり証』を発行し始めたんですね。

これは「引き換えるゴールドが無い」という状態なので、皆が一斉に、「ゴールドと引き換えてくれ〜!」と押し寄せてきたら、当然、パンクするわけですが、そうならないことを金庫男は知っています。
#悪いヤツだ

その頃には、世界はもう『預かり証』で回っていたんです。
皆が『預かり証』という紙ペラの価値を信じたわけです。

こうなると、もう「ゴールド」は必要ありませんから、金庫男は、ついに「ゴールドと引き換える」というルールをやめてしまいます。
#サヨナラ金本位制

「おいおい! ゴールドを交換できないんだったら、これは一体、何の『預かり証』なんだよ! 」という話なのですが……どっこい、我々現代人は、お財布の中に入っている1万円札を銀行に持って行って「ゴールドと変えてください! じゃないと、意味ないじゃないですかっ! 」とは言いません。

我々はもう、この「タダの紙ペラ」を信じちゃってるんですね。

1万円札の製造コストは「17円」なのですが、「17円で作られた紙ペラ」に1万円の価値を信じているのが我々です。

お金というのは、このように「信じれば存在する」という“極めて宗教的なノリ”で存在しているのですが……さてさて…
…この話が『NFT×ウイスキー』と、どう関係するのでしょうか?
『NFTの今(後編)』は、ぜひオンラインサロンで!
現場からは以上です。

西野亮廣

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