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第105回 コロナ後の今、オンライン配信チケットの売り上げは肌感でいうと、コロナ禍中の3分の1ぐらい

コロナ禍中に「オンライン配信」が伸びたからといって、まだそのままの感覚でいたら失敗する!

今日は『「コロナ」と「オンライン配信」のリアルな話』というテーマでお話ししたいと思います。

会社設立から「6年」走り続けて、経験した「現場のリアル」

大学で「経営」を学んだ人や、あるいは元・経営コンサルタントやマーケター、あるいは経済学者といった「経営、ビジネス、経済のことは頭に入ってますよ〜」といった人達。

そういった「経営の合格印」を押されたような人達が会社を経営したら上手くいきそうなもんですが、実際のところは、「会社経営をやってみたけど、思っていた感じにできない」というのがほとんどだったりします。

ウチの会社の設立は吉本興業在籍中の2017年で、気がつけば「6年」も走り続けてきて、どうにかこうにか(皆様の応援のおかげで)今も生き残っていますが…

会社経営って、学校で教えてもらえる分も大きいと思うのですが、実際のところは「◯◯さんが、『俺、聞いてないぞ!』と怒って、今回のプロジェクトを降りられるかもしれないから、謝りにいこう」とか、「スタッフがヘソを曲げちゃった。さて、どうすんべ?」とか、

そういった「人間の感情」に振り回されることってザラにあって、ここの対応をしくじると、会社が傾くわけですが、何が起きるかは誰にも分からないので、学校で「予習」ができないんです。

「田舎で事業を立ち上げる時は、ご近所の挨拶に行く順番がメッチャ大事」とかあって、これが現場のリアルなんです(笑)。

僕は「評論家」ではなく「実践家」なので、voicyで話す時も、サロン記事を書く時も、ビジネス書を書く時も、ちゃんと「実際はこうですよ」という現場の声を届けるように心がけているのですが、そんな中、今日は現場のリアルなレポートです。

「イレギュラーをイレギュラーとして捉える力」が大切

これはもうサービス提供者全員が、いろんな形で味わったと思うのですが、やっぱり「コロナ」のインパクトというのは本当に大きかった。

僕の場合で言うと、コロナ真っ只中の時に『映画 えんとつ町のプペル』の公開だったので、これはもう本当に大変でした。

「不要不急の外出はするな」みたいな感じで、外出した人間は非国民みたいに扱われていた時代だったので、映画館に人を呼ぶことが大変で大変で、
そして、人を呼んだら呼んだでバッシングに遭う…みたいなことがあって、自分の人生の中でもトップ3に入るほどの「苦労」を味わいました。

その一方で、「オンラインサービス」はコロナの恩恵をメチャクチャ受けました。

主に配信系ですね。

僕は時々、オンライン勉強会をするんですけども、コロナ禍でも3回ほどやったんですが、当時(巣ごもり需要があった時)だと、毎回1万名以上の方にご参加いただけたんです。

多い時で1万5000人ぐらい。

ちなみにこれ、フェイスブックのグループを使っておこなった勉強会で、自宅から配信したので、スタッフは僕1人です。

僕1人で1万5000人の(有料の)お客さんを相手していた時期があったんです。

ちょっと狂ってますよね(笑)。

キングコングの武道館ライブの配信チケットも2万5000枚ほど売れました。

今あらためて思うと、やっぱりあの当時というのは、ちょっと異常で、ぶっちゃけ今はオンライン配信チケットの売り上げは肌感でいうと、あの時の3分の1ぐらいのイメージです。

最近、『西野と学ぶ!ChatGPT勉強会』というオンライン勉強会をやって、

そちらは8000名近くの方にご参加いただけたのですが(※今もアーカイブを販売中です)、

見誤ってはいけないのが、あれは「ChatGPT」という話題のテーマを取り上げたからであって、そうじゃなかったら、そこまで伸びなかったと思います。

「巣ごもり需要」というのは確かにあって、生々しい話をすると「巣ごもり需要」で伸びた会社(巣ごもり需要に合わせて作られたサービス)が今、軒並み苦戦していて、

あらためて「イレギュラーをイレギュラーとして捉える力(ボーナスタイムをボーナスタイムとして捉える力)」というのが大切だなぁと思いました。

「巣ごもり需要」が完全に終わったことを、見誤ってはいけない

これは全然他人事じゃなくて、

オンラインサロンメンバーさんはご存知だと思うのですが、舞台『テイラー・バートン』も、僕がプロデューサーとしてバトンを受け取る前は、「オンライン配信チケットが売れる前提」で予算を設計していたんですね。

僕が入って、「すぐにそれはやめよう」と大鉈を振るって、オンライン配信チケットが仮に1枚も売れなかったとしても、赤字にならないように、配信の売り上げ以外を強化しました。

2023年8月2日時点で舞台『テイラー・バートン』のオンライン配信チケットは「3800枚」ですが、
前任のプロデューサー的には、おそらく、この時点で「7000枚」ぐらいは売れていると考えていたと思うんです。
(※じゃなきゃ採算が取れない収支表だった)
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もう「巣ごもり需要」は完全に終わったので、ここを見誤ると、一発アウトになるので、ここは本当に気をつけた方がいいと思います。

ちなみに、前任のプロデューサーの収支表ではオンライン配信チケットの売り上げは「1万枚」を目指していましたが、西野が入ってすぐにそこは「3000枚」に下方修正しました。

「下方修正」ってネガティブなイメージがありますが、会社を守る為には必要なディフェンスであり、ディフェンスが弱いチームは勝てません。

参考にしてみてください。 

西野亮廣

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