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人は35歳から情報弱者になる! 時代遅れな人にならないためのアップデート術

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出した・桝本壮志のコラム。

「アップデートできていますか?」

最近、よく見聞きするフレーズですよね。
ビジネスシーンでは、自分より若い世代が出てくると「時代遅れになっていないかな?」「ズレていないかな?」と、不安になるでしょうし、社会生活では、騒動を起こした人やネットで炎上した人が「アップデートできていない」と指摘されることも多いですよね。

そこで今週のコラムのテーマは、売れっ子芸人になった元教え子たちに伝えてきた「時代遅れな人にならないためのアップデート術」です。

35歳までは年上、35歳からは年下の感覚をもつ


芸人学校には20代の生徒たちが多いのですが、僕はよく「35歳までは自信たっぷりの“年上の感覚”、35歳を過ぎたら“年下の感覚”をもつと得をするよ」と伝えています。

なぜなら、30代前半までは、聴く音楽、ファッションの好み、出かけるスポットが衣替えのように変わるので「情報強者」でいられますが、結婚、定住、仕事の固定化がすすむ35歳くらいからは「情報弱者」になっていくのが世の常だからです。

スマホをアップデートするとき、ネット環境が悪いとうまくダウンロードできないように、「時代遅れになっていないかな?」と感じだすミドル世代がアップデートしていくためには、まず「アクセス環境」を整える必要があります。

そして、私たちミドル世代の“最大のアクセス障害は「プライド」”です。

大切なのは、仕事上ではグイグイ若手を引っぱる頼れるリーダーであっても、若手がもつトレンド、カルチャー、ワードといった最新情報には“年下の感覚をもって、学ばせていただく姿勢”をデフォルトにする。これが最もスムーズにアップデートできる環境です。

さあ、分からないことがあれば「知らない」と認め、「教えて」を口ぐせにしましょう。
ちなみに僕は、卒業生とご飯に行ったら「教えて!」だらけです。

大切なアップデートは「変化」と「進化」の2種類

「時代遅れ」への対策が分かったら、次は“本当に大切なアップデートとは何か?”です。

最近、「アップデートができていない人」=「ダメな人」という風潮が強まっており、「アップデートしなければ」という強迫観念をもつ人々が量産されています。

しかし、「知らないと人生損をする!」と謳った書籍や記事が大した内容じゃなかったり、SNSで「こいつはアップデートできてない!」と指摘している人も、いまだにハンコを押している同じ国の人だったりするように、すべての売り文句や売り言葉を真に受けていると、アップデートどころかメンタルがシャットダウンしてしまいます。

僕の場合、大切なアップロードは「変化」と「進化」の2種類に分類しています。

「変化」とは“生活や命を守るために変えていかなければならない更新”のこと。
失業しないためのパワハラやコンプライアンスの情報更新、財産を守るための新手の詐欺への知識更新などがそれです。

そして「進化」とは“ビジネスで武器となる持ち味の進化”です。
例えば、仕事のアップデートにまつわるネット記事や動画はたくさんありますが、すべて見るのはタイパが悪いし、みんなが集まる鉱山には「金」がないので、得意分野をさらに伸ばすアップデートに力点を置いています。

みなさんも、会話が上手い、計算が得意、デジタルに強い、美的感覚があるなど、必ず得意分野があるはずです。あなたの武器を見極め、それを進化させることに注力してみてください。

最後に、どんな文明の利器だって“ちゃんと入力しないと、ちゃんと出力されません”。
人間も同じで、あれこれインプットしても、日常で活きるアウトプットになっていないと意味がありません。
必要なアップデートを自分なりに選別し、自分なりの方法で取り入れてください。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。

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