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夜に潜る

吸って吐いた息
細く声音を連れていく
掠める程の残響なのに
耳の奥震わせてこびりつくみたいに
綴じ込めた

閉鎖空間
傾けた心の天秤
ゆらゆら ふわふわ
ただ漂っていられる
不自由な自由に
笑いが漏れても 傍らには安堵

紡がれる言葉も
交わす沈黙さえ
計ったように嵌る心地好さ
ひとりじゃないからなる
異様な求心力

気づけば数時間が数分体感
今日はもう秒針は外して放り投げて
目の前にだけ釘付け
昨夜の泡沫 醒めて遠のいて充足感
絡まない体温に埋めてしまおう

浮かぶイメージ
どこまでも交わして絡めて編んで
出来上がるのはなんだろう
不格好でも器用でも構わない

他愛ないのもいいね
他愛ないのがいいね

隣空い 隣逢って 隣愛になった
ただ横に座って暮れる空に溶けていっても
星の片隅には残っていく
なんでもない何気ないから愛しい





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