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貿易の歴史を色濃く残す 赤レンガパーク

横浜赤レンガ倉庫は、みなとみらい地区にあり、ノスタルジックな雰囲気の漂う人気の観光スポットです。今回は、赤レンガ倉庫の歴史と、その周囲に広がる赤レンガパーク、周辺の見どころなどをご紹介します。

みなとみらい地区の公園

グランモール公園は、ランドマークタワーから横浜ジャックモールまでみなとみらい地区を南北に貫く広大な公園です。
グランモール公園内の横浜美術館前「美術の広場」の噴水では夜になるととても美しいライトアップを楽しむことができます。また、休日になると、日本丸パークに臨む「グランモール円形広場」では、大道芸人によるパフォーマンスが行われるなど、見どころがたくさん。

みなとみらい地区には、このグランモール公園以外にも、臨港パーク、日本丸メモリアルパーク、汽車道(プロムナード)・運河パーク、新港パークなど数々の公園があります。

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そんなみなとみらい地区の公園の中でも、歴史的建造物である赤レンガ倉庫を中心とした赤レンガパークは、連日市外から観光客も訪れるとても有名な観光スポット。

今回は赤レンガパークと赤レンガ倉庫について、ご紹介したいと思います。

赤レンガ倉庫の歴史


赤レンガ倉庫は、横浜港の開港、発展とともに生まれ、貿易を支えてきた施設です。
明治32年(1899年)に新港埠頭が着工された時、その付属設備として赤レンガ倉庫は建築されました。2号倉庫は明治40年(1907年)に着工、1911年(明治44年)に竣工。そして1号倉庫も明治41年(1908年)に着工、大正2年(1913年)には竣工しました。

赤レンガ造りの3階建て、2号倉庫は約150メートルもの長さを誇る巨大な建物です。これは当時の最新技術を導入して建てられたもので、明治・大正の頃の横浜の人々にとっては、とてもハイカラで巨大な建造物として感じられたことでしょう。

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関東大震災と赤レンガ倉庫

しかし、関東大震災で1号倉庫は大きな被害を受け、昭和2年(1927年)から昭和5年(1930年)にかけて復旧工事が行われましたが、現在残っている倉庫は建設当初よりも小規模なものとなってしまいました。

震災の痛手を受けてもなお、昭和18年(1943年)まで横浜税関の管理のもと、葉タバコ、羊毛、光学機械、洋酒、食料品など多数の貿易品を扱う倉庫として使用され続け、中でも生糸貿易の拠点となって活躍し続けたのがこの赤レンガ倉庫です。

第二次世界大戦後から現在の赤レンガ倉庫

第二次世界大戦後は、一時米軍に接収されましたが、昭和31年(1956年)に接収解除。その後、1号倉庫は税関施設として、2号倉庫は公共上屋(港などで貨物を短期間収めておく倉庫)として、活躍を続けてきましたが、昭和51年(1976年)以降、新港埠頭の取引量が激減するとともに、赤レンガ倉庫の需要も大幅に減ってしまいました。そして平成元年(1989年)に、赤レンガ倉庫は長らくはたしてきた「倉庫」としての役目をついに終えることとなったのです。

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赤レンガ倉庫は「ハマの赤レンガ」として、市民から長い間、愛され親しまれてきた施設。倉庫の役目を終えてもなお、取り壊されることはなく、むしろ歴史的資産として保存し、市民にとって賑わいの場となるように、と平成4年(1992年)に横浜市は国からこの倉庫を取得しました。建物補強工事や内装工事を終えた後、平成14年(2002年)に、横浜の新名所赤レンガパークの中心的建造物として、見事な復活をとげたのです。

現在の赤レンガ倉庫


現在、2号館には多くの飲食店や雑貨店が並んでいます。1階の一番海側にはサンルームのようなガラス張りのカフェがあり、真冬でも寒い思いをせずに大桟橋やベイブリッジなどを臨みながら、ゆったりとお茶を楽しむことができますよ。

1号館は3階に演劇や音楽を楽しめる300席のホール、2階には絵画や写真の展示、コンサートやパフォーマンスなど多目的に利用できるフリー・スペースが3室あります。1階にはバッグやスカーフ、食品まで横浜ならではの老舗ショップが並び、ここへ来れば横浜のお土産はすべて手に入るといっても過言ではないくらい。

また、冬には1号館と2号館の間にある大きなスペースが、なんと屋外スケート・リンクになるんですよ。

このように大きく様変わりした赤レンガ倉庫ですが、赤レンガパーク内には現在は役目を終えた旧横浜税関跡の遺構や、旧横浜港(よこはまみなと)駅のプラットホームも保存されています。

赤レンガパークの一番海側の突端まで行けば、ベイブリッジを臨むことができ、また右側を向けばランドマークタワーやクイーンズスクエアなど近代的な建物が目に入ります。しかし、陸側を振り返ってみると、赤レンガ倉庫をはじめ、キング、クイーン、ジャックなど横浜を代表する歴史的建造物たちも一望することができるのです。


新しい横浜の魅力を堪能しながら、かつての古き良き横浜も同時に楽しむことができるのが赤レンガパークです。

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横浜赤レンガ倉庫

住所 神奈川県横浜市中区新港1-1
最寄り駅 JR京浜東北線・横浜市営地下鉄線「桜木町駅」より汽車道経由で徒歩約15分、「関内駅」より徒歩約15分
みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分、「みなとみらい駅」より徒歩約12分


※この記事は、2005年に作成した記事に加筆修正し、再構成したものです。写真は2005年当時に撮影したものです。

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