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生命理工学系3年1Qの授業の感想

東工大での生活もあっという間に3年目に突入しました。2年生の実験生活が終わって3年前期は座学ばっかりです。3年後期になったら研究室所属をしてしまうので、授業をたくさん受けるのは3年2Qまでです。

生命理工学系の授業の感想を書いています。2年生の授業の感想は下のリンクからどうぞ

私は3年1Qに生命系専門科目を3科目しか受講していないため、3年1Qに開講される生命系の科目についてのレビューは少ないです。ご了承ください。

生命系の方はご存じのように、21Bまでの生命系は3年前期までのGPT(成績の合計点)によって研究室が決定します。そのため、できるだけ多くの科目を履修した方が研究室所属において有利になります。

22B以降は研究室所属のルールが変更となります。研究室所属だけでなく、卒業要件なども入学年度ごとに異なるため、学修案内や系の担当の先生に確認を取ってください
科目の変更の例では、23Bからは今まで3年2Qの選択科目だった「生命倫理・法規」が3年後期に移動し、さらに必修科目となります。
開講科目・時期などの情報は21Bの時点のものですので、ご了承ください。

2年生と異なり、3年生には必修の実験がありません。必修科目は3年1Qの研究プロジェクトのみです。文系教養の300番台、英語第九に関しては、他の時期でも履修・得単することが可能です。

私の3年1Qの時間割は下の通りです。

黄色は生命系、赤は他系、緑は文系、灰色は広域教養科目です。

生命理工学系専門科目

300番台の生命理工学系専門科目は、3年1Qの研究プロジェクトと4年生に取る学士特定課題研究(=卒業研究)が必修です。その他は全て選択科目です。

研究プロジェクト(生命理工学系)

生命系300番台の必修科目です。
最初の一回はオリエンテーションと研究倫理教育です。その後、第11回まで各回6~8名の教員が研究室の紹介をします。東工大HPにまだない新設の研究室の紹介もありました。
第12回~第14回は気になった先生のところへ研究室見学に行くことができます。各回に2回、合計で6回見学の機会があります。
課題は以下の2つです。

  • その日の担当の先生から1名を選択して、提示された課題を解いて提出

  • 日本学術振興会の「研究倫理eラーニング」を受講する。

研究倫理eラーニングはクリック連打していれば60分程度で終わります。

面白そうな研究室を探す時間なので、気になった分野のところはよく聞いておくと良いと思います。課題は楽なものを選べば大丈夫です。論文要約や感想を書く課題が楽でした。

ちなみに生命の研究室はほとんどがすずかけ台ですが、大岡山にもELSIや緑が丘、西3号館に合計で12の研究室があります(2023年5月時点)。

研究室配属のルールについての説明もここであります。21Bの場合はおおまかに次のようなルールでした。
1人の教員あたり基本的には3人(一部は2人)所属でき、優先して研究室に所属できるB2Dや1年早期卒業の学生は各研究室1人までとなっています。また、定年退職で修士や博士課程まで所属できない研究室も説明があります(配属自体は希望すればできる)。
また、配属は(21Bの場合)GPT順に東工大の入試システムのように決まっていきます。3年2QまでのGPTを集計し、10月頭の研究プロジェクト2で希望調査と配属が行われます。配属されると研究室での活動が開始します。

合否科目なのでリラックスして聞けますね。
(月木1-4限、合格)

基礎神経科学

同じ時間帯に高分子科学が開講しています。
シラバスでは各教員からの課題or小テストだったのですが、それに加えて期末試験をやることになりました。レポートだとchatGPTで作成する人がいるから、らしい…そのせいか第2回から受講者数が大きく減少しました。
急に期末試験になったからか、先生方がどこを試験に出すか教えてくれました。それでも範囲が広すぎて、対策が難しかったです…
カンデル神経科学の内容に沿って講義が行われますが、参考書なので購入する必要はありません。英語版カンデルの図を貼っただけの講義資料を出す先生がいるので、その時だけ図書館で日本語版を図書館で借りて読めばいいと思います。
期末試験は5人の先生がそれぞれ問題を出します。全範囲暗記はきつかったです。問題数も多いので、時間がきつかったです。暗記はもちろん、講義資料中の実験の結果から考察できることを考えておかないと試験中に記述するのは難しいと思います。
どうしても覚えきれなかったので点数が伸び悩みました。だからクソ神経なんてよばれるんですよ…
(火金1-2限、81点)

遺伝子工学

同じ時間帯に生命金属科学が開講しています。
核酸関連酵素、遺伝子の発現や機能解析、応用技術など遺伝子に関することは何でも勉強します。分子生物学第一を取っていればそんなに勉強に支障はないと思います。
各先生が小テストを行い評価が行われました。最後の先生のテストはしっかり覚えていないときつそう。
教科書を買いましたが結局使いませんでした。
(火金5-6限、83点)

系外科目・文系教養科目・広域教養科目

200番台の系外科目をいくつか受講しました。

化学数学第一(化学系)

生命系では、同じ時間帯に植物生理学と酵素工学が開講しています。
ルジャンドルの陪関数、常微分方程式、フーリエ変換、ラプラス変換などを学びます。数学の授業というより、量子化学の要素が強めの科目でした。
板書が速いのと先生がたまに学生を当てるので忙しい講義でした。あと教室が狭い…自分もそうですが、他系の学生が多く受ける科目でした。
試験で出す問題は講義の後半に先生が教えてくれます。出る問題を覚えておけば大丈夫です。
(火曜3-4限、85点)

物理化学1(応用化学系)

生命系では、同じ時間帯に植物生理学と酵素工学が開講しています。
熱力学第一法則や第二法則,ギブズエネルギーなどを学びます。一年生の熱力学基礎の続きのような科目です。教科書を持って来いと言われましたが、一度も使いませんでした。ですが、テスト勉強のためには持っておいた方が良いかと思います。
毎回の講義後に丁寧な演習と解説があるので取り組みやすいと思います。期末試験は全範囲からまんべんなく出されて量も多めです。難易度は基本ばかりで講義中の練習問題レベルです。
(金曜3-4限、91点)

物理数学A(地球惑星科学系)

生命理工学系では月木5-6限に構造生物学、月木7-8限に生物有機化学と細胞生物学が開講されています。
この科目は、学部一年で習った数学を基にベクトル解析、フーリエ変換、常微分方程式を学びます。最初に前回の内容の小テスト、前半は講義で後半は演習です。講義はゆっくり進みますし、演習時間は先生とTAに質問ができます。小テストは演習と同じ難度なので簡単だと思います。
数学をかなり頑張りたいという人には暇すぎるかもしれません。
石川台で開講するため少し遠いですが、まあまあ綺麗な建物だったので環境が良かったです。
期末試験は講義資料持ち込み可ですが、ベクトル解析の各記号の意味など、記述問題もあるので講義資料をずっと見ている暇はないかと思います。計算ミスでかなり減点を食らったのが悔しいところ…
(月木5-8限、91点)

応用基礎データサイエンス・AI第一(情報理工学院)

情報理工学院の200番台の科目です。この時間帯に開講されている科目は、他に古典ギリシャ語、第二外国語の中級クラスやセミナーくらいしかありません。
データサイエンスやAIに関する基礎知識を学ぶ講義とPythonを触る演習があります。知識面は情リテと線形代数を合わせたような感じです。コンピュータサイエンスを受講していればPythonに関しては大丈夫です。小課題はじっくり考えることができるので、ミスなく乗り切りたいところ(一敗)
ほとんどの授業が対面となった2023年でも、まだZoom開講のありがたい授業です。
(水曜7-8限、94点)

政治学C

文系教養300番台は事前の抽選がなく、1回目の授業で抽選となります。宗教学Cは定員180名に対し70名もオーバーしていたので、こちらの科目に変更しました。今年度、政治学の抽選はありませんでした。
明治維新〜現在までのナショナリズムや宗教観を含めた日本政治について学びます。先生の話は分かりやすく、学ぶことも多かったです。
出欠なしなので2回目以降は欠席者が多く、教室も快適でした。また、課題が最終レポートで扱いたい内容のメモと最終レポート(目安3000~4000字)の2個だけなのも良いところ。文系教養でとって良かったなと思えた科目です。
(火金7-8限、90点)

技術経営I

受講している学生が少ないため、あまりにも情報が少なかった謎科目、のはずでしたが、今年は思ったより受講者が多かったせいか講義室ギリギリまで受講者がいました。全7回で、7名の教員が各回を担当します。課題はそれぞれの先生が出すので、そのうち1つを選んで課題を解いて、提出します。
私は最初の先生の課題を解きました。行動経済学についての記事を読み、授業内容との関連を踏まえて考察する問題で、A4で2~3ページでした。追加課題もやったのに思ったより伸びなかった。
他の先生の課題は、「サービスの定義とは何か?」やプロトタイプの作成などアイデアが必要なものもありました。後半の先生は500字×2とかなり楽な課題もありました。
技術や理論を実際に市場に出すためには、どのようなことを考えるかについて学びます。経営に関することや技術を商品化するためにのアイデア出しなど先生ごとに違う観点から講義が行われるので、楽しかったです。
(水曜3-4限、90点)


水曜日は語学科目が開講されているのですが、私は語学科目が苦手なので、水曜に開講されている語学でない科目を探して受講しました。

1Qは英語第九のためにTOEFLとTOEICも受験しました。

2年生の間は必修授業が多く、自由な科目選択があまりできなかったので、今年は好きな系外科目をたくさん取りました。生命系では数学の勉強をほとんどしないので、数学を勉強できる科目を取れたのは良かったです。

また、実験がなく座学の試験科目がほとんどなので、レポートを書かなくなりました。時間の余裕ができたので2年の時より意外と楽な印象です。ただ座って暗記ばかりなのでつまらないと感じる人もいると思います。

CAP制度の上限単位数まで余裕があったので、一橋大学の授業も登録してみました。一橋大学の図書館は文系教養のための本がたくさんあり、自習にも快適な環境だったので行ってよかったです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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