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フィンランドの森で、歩く瞑想。

フィンランド・ヘルシンキ郊外のヌークシオ国立公園を歩きました。
3つのコースのうち、一番お手軽な道のりで、1時間から1時間半ほどの行程です。
森の入り口では、他にもひとがいらしたのですが、先に行かれたり、ゆっくりだったりで、程なく見渡す限り私たちだけに。

立派な毒キノコ発見!

秋の始まりだったので、キノコがたくさん。
それもいろんな種類が。
食べられるものと、毒キノコは判別が難しいらしいので、見るだけにとどめます。
それにしても、華やかなんですね。
「私を見て〜!」って感じ。

ビルベリー、わかりますか〜?

夏の風物詩・ビルベリーも少しだけ残っていました!
”自然享受権”といって、例え森が誰かの所有でも、そこに育つ恵は誰でも自由にとって良いという権利が北欧諸国にはあるらしく、ありがたくつまみました。
少し小さめの実でしたが、ほんの少し甘酸っぱくて、残っててくれたことに感謝。
森でのベリーつみ、ずっとやってみたかったんです!

道のりの中程だったでしょうか。
湖に見渡せる高台にベンチと机、火を起こせるところがあって、飲み物やお菓子などを持ってきていたら、ほっと一息つくのに最適な広場でした。

そこで、何かを書いている先客の男性がひとり。
私たちが来たことに気づいて顔を上げたので、「モイ!」とフィンランド語の挨拶をしたところ、会釈をしてくれました。

誰もおらず、何の音もしない、ただただ静寂な場所なんです。
そんなところで、その人は、何を書いていたんでしょう。
どんな思いとともに、ひとりでそこへ来たんでしょう。
すれ違ったほんの一瞬にその人の背景に思いを馳せると、全然知らない人なのに親しみが湧いてきます。

お天気に恵まれて、最高の眺め!

森の中では黙々と歩きました。
きのこを見て、ブルーベリーを見て、木々を見て、苔の生え具合を見て、岩を見て、湖を見て。
視覚は忙しいんですが、一歩一歩振り子のように足を進めると次第に頭が空っぽになり、ちょっとした瞑想状態。
目の前に現れるものを、ただ見ている、それだけ。
いまフィンランドにいる、ということも忘れていたような気が。

日本の森だと多分、午前中なら何かしら鳥が鳴いていると思うんですけれど、ほとんど鳥の鳴き声がしなかったんですよね。
それにおそらく、日本なら誰かしらとすれ違うはず。
人の気配がするはず。
そんなことが全くない、その静けさもまた、瞑想具合を高めました。

フィンランドの人々は、時々森に入っては、こうやって自分と向き合う時間を持っているのかな。
何かを書いていた、あの男の人のように。
うまく表現できないけれど、予想もしなかったあまりの森の静寂に、フィンランドという国や人々を垣間見た気がしました。

ムーミンやマリメッコ、イッタラやシナモンロール…に目が向きがちですし、それらは私も大好きですが、それ以上にフィンランドの人々の在り方に、今はとても惹かれています。
きっと...また行ってしまうな!😆

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