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高度専門職としてのトレーナーを目指して

恵比寿でパーソナルトレーナーをしている倉田です。

KEYFITで働くトレーナーは、代表である久野との面接でトレーナーとしての資質があるかを見極められています。
トレーナーとしての資質は「知性」「誠実さ」「エネルギー」を重視しており、面接の時点で知識があるかどうかは問われません。
実際に、私も面接を受けたときトレーナーとして現場で働けるだけの知識はほぼありませんでした。
なぜ知識を重視しないかというと、「知性、誠実さがあり、エネルギーもあれば勉強をするので知識は後からついてくる。」という考えがあるからです。

<参考記事>

自分自身の資質については分かりませんが、目の前のお客様の悩みや目標、夢に応えるためにトレーナーとして働き始めてからも継続して勉強を続けてきました。

勉強は書籍を読むこと、セミナーに参加すること、パーソナルトレーニングを受けることなどがありますが、今回はここ最近受講したセミナーについてまとめたいと思います。
紹介するセミナーも新しい知識だけではなく、新しい物事の考え方、新しい視点を与えてくれる素晴らしい物でした。
トレーナーを目指している人、トレーナーとして学びを重ねたい人にとって役立つものになればと思います。
また、私自身もまだまだ勉強を続けていきたいと思っています。このnoteをご覧になった方でおすすめのセミナーがあれば教えていただけると嬉しいです!

S&Cバイオメカニクス入門セミナー

河森直紀さん

バイオメカニクスは人間の身体ならではの特徴(解剖学など)と力学をかけ合わせて考える分野です。実際の身体の動きは解剖学的な筋肉の作用だけでも、力学だけでも正確には捉えられません。
動きを指導する者として、バイオメカニクスを根本に考えないと何が優れた動きなのか、何が非効率な動きなのかが分からなくなってしまうのです。

このセミナーでは「力」「仕事」「パワー」などの基礎的な用語の解説から、「力の分解」「力の合成」「モーメントアーム」といった形で一つ一つ段階を踏みながら進み、とても理解しやすかったです。タイトルの通り入門にはぴったりのセミナーでした。
バイオメカニクスは人間の動作の大前提、原理原則としてあるものなので最低限の知識は必須のものだと思います。

このセミナーはオンラインでの受講だったので、地域を選ばす参加できるのが嬉しいポイント。セミナー中にした質問についても、後日動画を撮影してお答えいただきとてもありがたかったです。

不定期でセミナーを開催されていますが、動画教材としての販売もあるようなのですぐに受けたい!と言う方はそちらがおすすめ。

追記:セミナーの時に質問した内容についてのnote記事です。さらに分かりやすくなっていました!

運動と感覚の統合:感覚①②③

近藤拓人さん

我々は様々な情報を「感覚」を通して収集し、自分がどのような状況にあるのかを認識しています。例えば足の裏で自分の重心の位置を感じているし、目は足元の状況や周囲にあるものとの距離など、前庭覚はどこに向かっているか、どちらが上かなどを感じています。
その様々な感覚がうまく働いておらず、自分自身の認識に不安があると人は危険を感じ、緊張します。それによって身体のこわばりが発生するのです。
また、それらの脳と体の相互的な関係は脳の左右、身体の左右の半身といった特徴的な繋がりがあるのも面白い点です。

この講座で運動に強く結びついた体性感覚、視覚、前庭覚それぞれの評価方法や介入方法を学び、人の動きを考えるにあたり、筋肉や骨格だけでは捉えきれない部分があることを知ることができました。
動きの左右差がある、右半身ばかりに痛みが出る、左半身のトレーニングがうまく効かないなどのケースでは脳や感覚に関する原因があるかも。と考える必要があります。

また、コンテストでのポージングは鏡がない状態で自分の姿勢を認識することが重要となります。内在的なフィードバックで姿勢を調整する必要があるのです。そういった点でも大会に出場するクライアントへの指導に活かすこともできました。

ほぼ一日中、3日間通して行われる講座ですが近藤さんの(時にブラックな)ユーモアが随所に出現し難解なテーマを楽しみながら学ぶことができ、あっという間に時間が過ぎたことを覚えています。

この記事を作成している現在はオフラインの講座の開講を控えていらっしゃるようですが、オンラインのサービスでは引き続き学習ができる仕組みがあるようです。

慢性疲労症候群・ブレインフォグ

近藤拓人さん

慢性疲労症候群、ブレインフォグ、オーバートレーニング症候群はどれも身体や心にかかる負荷(ストレスや練習、トレーニング)に対して回復(睡眠、食事など)が不足し続けることが原因とされています。

脳と副腎のつながり、自律神経のバランスなどを通してストレスに対してどのような評価があるのか。慢性的な問題となる前にどのような予防、ケアができるのか。慢性的な問題に発展した場合どのような介入で改善をしていく必要があるのかを学ぶことができました。

コンテストに向けた減量はハードなトレーニングと慢性的な栄養(カロリー)不足を長期間続けることになります。
慢性疲労症候群などのメカニズムを知ることやそれの対策を学ぶことで減量での活動量低下や代謝の低下、それに伴う停滞を防ぐことに応用ができる部分があったと思います。
実際に自分自身のコンテストに向けた減量でも、これらの考え方を取り入れて活動量の低下をかなり抑えることができたと感じています。

RDL・HT実技セミナー

加賀洋平さん

門前仲町にあるGS Performanceで開催された実技セミナーです。ルーマニアンデッドリフト、ルーマニアンデッドリフトの修正種目、ヒップスラストについて実践しながらご指導いただきました。

パーソナルトレーナーの勉強として「人の指導を受ける」のはとても有効な方法だと考えています。このセミナーでは3名同時の受講ではありますが実技を一人一人チェックしながら進行し、それぞれに対して個別のキューイング、フィードバックがもらえます。つまり、他の人にどのような指導をしているかという見学も同時に可能なのです。
自分が指導を受けることができ、他の人への指導も見学できるというトレーナーの学習にとって素晴らしいシステムだと感じました。

その種目に何が必要なのかを理論的に突き詰めて、それを徹底させるための観察眼、キューイング、細部にわたるこだわりがそこにあり、とても勉強になりました。

Mentorship Education Program

Best Peformance Laboratory さん

・Performance Trainingの原理原則
・運動制御理論
・運動学習理論
・評価の概論と各論
・SOAP概論 (POS的思考方法)
・Reset (リセット)
・Breathing(呼吸)
・Mobility Exercise(可動性エクササイズ)
・Motor Control Exercise(運動制御エクササイズ)
・Movement Preparation(ムーブメントプレパレーション)
・Plyometrics Training(プライオメトリクストレーニング)
・Movement Skill Training(ムーブメントスキルトレーニング)
・Medicine Ball Training (メディシンボールトレーニング)
・Strength/Power Training(パワー&ストレングストレーニング)
・Energy System Development Training (エネルギーシステム向上トレーニング)
・Regeneration(回復エクササイズ)
・運動指導者のためのコミュニケーション&コーチングスキル
・プログラミングの理論と実践
・トレーナーのためのホスピタリティの原理原則

これだけの内容を、現地での4日間+オンラインでの予習復習を通して学びます。
学習の量にも圧倒されますが、特筆すべきはこれらの情報が一貫したシステムに基づいているという点です。
トレーナーに求められている知識は広範囲にわたり、それぞれ学習を深めていく必要がありますが、「それらの知識は根底では繋がっている。」ということを改めて学ぶことができたのが最も大きな収穫でした。

「まず、メンターシップを受けた方がよい」とも言われますが、自分自身で様々なことを学んでから受けるのもよいと思います。
私も「もっと早く受ければよかった...」とも思いましたが、「今受けたのがベストだった」とも感じていますし、「数年後にまた受けたい」とも考えています。
ただし、トレーナーの実務経験ゼロで解剖学など基礎的な知識が全くない状態だと内容についていくことが難しいかもしれません。

トレーナーとして活動していて、「まだまだ色々なことを学びたい」「自分の指導に確固たる軸がない」など考えているなら必ず受けるべきだとおすすめできます。

年に2回ほど開催されていますが、毎回ほぼ即時満員になるようなのでご注意ください。

ボディメイクトレーニングの実践

KEYFIT 久野圭一

ここまではトレーナー向けのセミナーがほとんどでしたが、趣味でトレーニングをされている方、コンテストに出場されている方におすすめなのがKEYFIT代表の久野のオンラインセミナーです。

私も現地で見学させてもらったり、アーカイブを送ってほしいとお願いして毎回受講しています。

久野は自分自身、何年もかけて自らトレーニングを実践し、改善や微調整を重ね、少しずつ順位を上げてフィジークという競技で階級別日本チャンピオンになりました。
そして、その実践してきた内容を人に伝えるトレーナーとしての仕事を10年以上続けています。

日本一になる為に実践している、現場での最先端と言えるトレーニングの理論や方法を余すことなく知ることができるのがこのセミナーです。
久野はパーソナルトレーニングの新規受付をしていないので、そういった意味でも貴重な機会だと思います。

高度専門職

会社員をやめてトレーナーに転職した時、せっかく挑戦するのだから一流のトレーナーになろう!と心に決めました。学べば学ぶほど、発見や気づきがあり、学びたいことが増えていきます。これからも学ぶこと、自分自身で実践すること、伝えることを止めずに成長を続けていきたいと思います。

トレーナーは関わった方の人生にポジティブな影響を与えることができる存在だと信じています。そんなトレーナーという職業が「高度専門職」として認識され、トレーナーからポジティブな影響を受ける人が1人でも増えていったら良いなと思い、自分自身の学びをシェアしました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、書籍の紹介などもしていきたいと思います。


恵比寿駅徒歩5分のパーソナルジムでトレーナーをしています。
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恵比寿でパーソナルトレーナーをしています。 ダイエットやボディメイクに興味のある方はお声かけ下さい。