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目を使う種目がジムと日常生活のギャップを埋めるという話の解説

先日以下のようなツイートをしました。
全文を表示できないのでさらに下にもコピペしますが、目と身体を両方使うような種目(エクササイズ?遊び?)も取り入れることで身体機能を高めていこうという趣旨のツイートです。

ちょっとイメージがつきにくいかもしれないので、内容をもう少し深掘りして解説したいと思います。

(ツイート内容)
セッションのプログラムを考える時「目を閉じたままでもできる種目」ばかりになっていないか注意するようにしています。

マシンで行うものは目を閉じていても大丈夫。
サイドレイズやアームカールも問題ないでしょう。
スクワットも目を閉じる人は少ないけどできないこともない。

例えば飛んできたきたボールのキャッチ、何かを正確に狙う、ターゲットに対して動く…など、直接的には筋トレに関係ない動きですが、「身体の機能を高める」トレーニングとして実施します。

身体機能が高まると、より質の高いトレーニングが実施できます。
また、日常生活が楽になって、より良いコンディションでトレーニングができるといったメリットもあります。

トレーニングはオーバーロードの原理に従い、「その人が普段得ていない負荷」を安全に効率よく与えることが大切で、過負荷は筋力だけに限定されるものではないと考えています。


身体の機能を高めるとは

「機能的な身体を作る」と言い換えても良いかもしれませんが、まずこれは何を指すのかという定義の話をします。
私が考える身体の機能とは「課題の解決能力」です。

これだと抽象的な言葉すぎるので、具体的な例をいくつか出していきます。

①段差を安全に越えられる人は機能性が高く、転倒してしまう人が機能性が低い。
段差を超えるという「課題」を解決していますよね。

②バク転ができる人は機能性が高く、できない人は機能性が低い。
これもバク転という「課題」をクリアしています。

③100㎏のバーベルをスクワットで持ち上げられる人は、20㎏しか持ち上げられない人と比べて機能性が高い。
重いものを持ち上げられる人ほど「課題」の解決能力が高いと言えます。

身体機能についてイメージがついたところで、なぜ目と使った種目と身体機能が関係するのか考えていきます。

日常生活では目の重要度が高い。

先ほどの3つの具体例において、日常生活で遭遇する可能性が高いのは最初の「段差」ですよね。
後半の2つを日常生活で求められる機会は圧倒的に少ないと思います。

そして、3つの具体例の内で目の重要度が高いのも最初の「段差」です。

考えてみると、日常生活で遭遇する課題はほとんどが目を必要とします。
歩いて駅まで行く、電車にのる、電車に乗ってつり革を掴む、、、など考えていくとほぼ全ての動作で目と身体が協力して課題を解決しています。

というか、目を使わずに解決できる課題というものがむしろ限定的な状況なのです。
目を使わない課題はトレーニングや一部のスポーツ、文化活動などに限定され日常生活に出現することはまれであると言えます。

つまり、日常生活における身体の機能を高めようと考えた時、目を使わずに行える種目だけではそこにギャップが生まれてしまい、目的の達成は難しいということが言えると思います。

空間の認識と正確性

ここで目の役割についてもう少し詳しく確認したいと思います。
私が考える目の持つ重要な役割は「空間の認識」と「正確性」です。

空間の認識を言い換えると、自分が今どこにいるのかという認識です。
移動を行う時に必要なのが空間の認識です。

自分自身が空間に対してどこにいるのかという認識がないと、動き出すことはできません。
スイカ割で目隠しをしている時、どこに進んで良いのかまったく分からないので、「前!」とか「右!」とか周りの人の声掛けを頼りに移動を行うことになります。
これは空間の認識をするのに目が非常に便利であることが良く分かるエピソードだと思います。

次に正確性も目が持つ非常に大切な役割です。
目をつぶった状態で、左手で握りこぶしを作り胸の前で構える。右手はその上をかすめるように動かす。ということは可能です。
では、目をつぶった状態で針に糸を通すことは可能でしょうか?

恐らく、目を開けて行う数倍の時間が掛かってしまうと思います。
このように、正確性、精度を高めるためにも目はとても大切な役割をしてくれています。

トレーニングの効果はいつ発揮されるのか

話を戻して一度、整理します。

【目を使わないトレーニングは日常の課題の解決に結びつきにくい】
【目を使うトレーニングが日常の課題の解決に役立つ可能性がある】


トレーニングは、トレーニング以外の何かを良くするために実施されることがほとんどです。
トレーニングが(もしくはピラティスが、ヨガが)うまくなっただけでは、もったいないと感じます。

ジムでのエクササイズによって動きが改善して、それによって日常生活の動きに変化があるからこそ、体力がついたと感じるし、痛みが減るかもしれないし、筋肉のつき方が変わり身体が引き締まっていくような「具体的に嬉しい変化」が起こるのです。

繰返しお伝えすることになりますが、これが身体の機能性を高めるために目を使った種目もプログラムに組み込みたいと考える理由です。

どんなトレーニングを実施するのか

トレーニングの捉え方をもう一度考え直してみましょう。

目を使わないトレーニングは次のように捉えることができます。
・意識を身体の内部に向けたエクササイズ
・意識を身体の内部に向けることができるエクササイズ

目を使う必要があるトレーニングは次のように捉えることができます。
・意識を身体の外部に向けたエクササイズ
・意識を身体の外部に向けなければいけないエクササイズ

つまり、ここまで目を強調していましたが大切なのは意識を身体の外である「空間」に向けることなのです。
目が不自由な方は、目ではなく別の感覚を通して「空間」を認識して、課題を解決していっています。

このような捉え方をすると、飛んできたきたボールのキャッチ、何かを正確に狙う、ターゲットに対して動くといった例としてあげたエクササイズも「空間」に対して行われるものであると言えますね。

つまり、運動という文脈で考えると目を使うにしても、何かを詳細に見るというよりも「空間の認識」をさせるような使われ方をしていきたいということです。

また、ツイートでも過負荷が大切であると強調しましが、これらの例を単体で実施しても過負荷とは言えないような強度になってしまうケースが多いと思います。
なので、課題を組み合わせることで負荷を高めるような工夫をするようにしています。

バランスを取らせながらであったり、判断をともないようなゲーム性を取り入れたり、、、ここはクリエイティブにちょうど良い強度設定を考えていきたいところです。

目を頼りすぎることにも注意

ここまで、目と身体のつながりについて説明してきましたが、一方で気をつけないといけないのが「視覚への依存」です。

課題を解決するのに目は便利なので、目を使い過ぎてしまうケースも出てきます。
現代はデジタルデバイス(PC、スマホ、タブレットなど)の発達で、視覚の中でも、何かを見続けるということを過剰にしてしまいやすい環境です。

視覚への依存によっても、やはり課題の解決能力は下がってしまいます。

こういった依存を起こさないための対策として必要なのが意識を身体の内部に向けたエクササイズ、意識を身体の内部に向けることができるエクササイズなのです。

やはりどちらか一方に偏らずに、必要なことを的確に実施していくことが最大の効果を出すために必要であると思います。

まとめ

目を使ったエクササイズはジムと日常生活とのギャップを埋めるために大切なピースであると思います。

いわゆる遊びや外での運動なども目を使う種類のエクササイズになるので、あまり考えすぎずに楽しみながら実施できるものができればよいのかなと思います!

恵比寿駅徒歩5分のパーソナルジムでトレーナーをしています。
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恵比寿でパーソナルトレーナーをしています。 ダイエットやボディメイクに興味のある方はお声かけ下さい。