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ココロとカラダの緊張と疲れやすさ
「すぐに疲れてしまうので、体力をつけたいです。」
パーソナルトレーニングのカウンセリングでこういった希望を口にされる方は少なくなくありません。
「長い距離を歩くとしんどくなる。」
「仕事が終わるとぐったりしてしまう。」
「旅行でも体力が続かず思うように楽しめない。」
色々な場面で「体力の無さ」を感じられるようです。
このようなご相談を受けた時、私は「体力を増やすことよりも、疲れにくくすることを考えてアプローチしましょう。」とお伝えしています。
このnoteでは冒頭の質問とおなじ悩みをお持ちの方に役立てるような内容をまとめたいと思います。
体力を増やすよりも、疲れにくくする
穴の開いたバケツに水を注いでも水は漏れ続けてしまいますよね。
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体力を増やすよりも疲れにくくすることが必要なのも同じ理由です。
いくらバケツの容量を増やしたり、注ぐ水の量を増やしても穴が開いていたら結局はすぐに水が尽きてしまうので、まずは穴をふさぐ作業が先決なのです。
実際に、体力の無駄遣いをなくすだけでも、今まで以上に体力が続く体感を得ていただけることが多くあります。
では、バケツに空いた穴とは何なのか?私はそれを「過度な緊張」であると考えています。
緊張によって、体力を無駄遣いしている
精神的にも、肉体的にも緊張すると多くのエネルギーを消費することになります。
ここでお話する緊張は「面接試験がある」といった時の緊張というより、無意識的におこっている体や心のこわばりのことだと考えてください。
過度に緊張すると必要以上に力が入ったり、本来はその動きに不要な筋肉に力が入ったり、必要以上に多くのシミュレーションを脳が行ったりします。
このように、心身の過度な緊張が体力を無駄に消費しており、それによって体力の消耗を早め、「疲れやすさ」が生じていると考えています。
直立二足歩行のリスク
なぜ過度な緊張がおきるのか、それはヒトが2本の脚で立つというとても不安定な戦略をとっていることが原因の一つであると考えられています。
ヒトは直立二足歩行によってエネルギー効率の良い移動手段を手に入れましたが、それには転倒というとても大きなリスクと引き換えにしたものでした。
犬とヒトを比べてみましょう。
4本足で立つ犬は体勢が安定していますし、万が一頭が地面に激突してもそれほど高い位置からの落下ではなく衝撃は比較的小さいです。
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それに対してヒトは2本足で立つため、常に不安定さをケアする必要があり、さらに頭の位置も高く転倒した時の衝撃、ダメージが非常に大きいのです。
こうした危険から身を守るために、「緊張」がおこり、それが必要以上であったり慢性的なものであったりすると「過度な緊張」と呼ばれる状態となります。
緊張のメカニズム
ここから、転倒という危険に備える防御反応という意味で緊張のメカニズムを解説します。
どういった場合に緊張が生まれてしまうのか、自分を操縦する小さい小人がコックピットに座っていることをイメージしてください。
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コックピットからは外の景色が見えており、また水平や垂直、進行方向、スピードを検知するメーター類がついています。
また、皮膚や筋肉、関節からも情報が集まってきて、計器を通じてそれらをチェックする事が可能です。
これらが「感覚」と言われるもので、この感覚を頼りに身体を操縦することになります。
視界が確保されており、メーター類が正しく働いていればその時々の環境に適切に対処することができます。
危険のない、平らな地面にただ立っている、歩いているだけなら警戒して、緊張する必要はありません。
危険を感知した場合に限り、適切に警戒度を上げ、適切なレベルの緊張で対応をすれば良いのです。
しかし、視界が曇っていたり、メーター類が正しく働いていないと「いま自分がどこでどうなっているのか」が分からなくなり、とりあえず警戒度を高め危険信号を鳴らし続けておくという戦略を取るしかありません。
これが過度な緊張であり、慢性的な緊張です。
筋肉を緊張させたり、血圧を上げたりといった「いつでも動ける」準備をしている状態が続くので、当然エネルギーの消費量は増えてしまいます。
ちなみに、過度な緊張が「身体の硬さ」として認識される場合も多くあります。
予想する危険に対して、「身体をかためる」という手段で対抗している状態です。
前屈で床に手が届かない、足首が硬い、背骨が硬い…こう言った硬さに対してストレッチだけを行なってもなかなか効果は出にくいかもしれません。
緊張そのものの原因に目を向けてアプローチすることが身体の硬さを改善するヒントになりそうです。
緊張を落とすためにできること
例えば、コックピットからの視界で足元側が曇ってしまうと何かに躓いたり、段差から落っこちたりするという「転倒」の危険が高まります。
また、足の裏から届くはずの情報がうまく測定できていないと、その地面がツルツルなのか、デコボコなのか、硬いのか柔らかいのか、傾斜があるのか…が分からず、どう歩いたらよいのか、その地面に体重をかけていって良いのかが分からなくなってしまいます。
こういった「うまく拾えていない感覚」を見つけたら、それに対して強い刺激を入れることで感覚を活性化していきます。
また、眼や足から地面の情報を同時に得ることで、ある感覚と別の感覚が矛盾せずに働けるようになり、より安定した身体の操作ができるようになります。
セッションでは、エクササイズを通してどのような感覚がうまく拾えていないのかを探りつつ、やはりエクササイズによってその感覚をうまく使える状態にしていくことで緊張を落としていきます。
視覚やバランス感覚、筋肉が伸びている感じ、縮んでいる感じ、様々な感覚を刺激するような種目がこのアプローチでは重要です。
緊張が緊張を生む
また、身体や感覚に問題がないケースでも、別の要因によって脳が警戒度を高めていて緊張した状態になることがあります。
それが慢性化すると、脳や身体はそもそも本来のパフォーマンスを発揮することが難しくなり(コックピットの中で常に警戒音が鳴り響いている状態)、さらに危険が高まったと認識して緊張が強化される可能性があるのです。
ここまで解説してきた過緊張は「交感神経の過度な働き」だと捉えることもできます。
交感神経は自律神経のうち「興奮」を担当しており、これが働くことで筋肉の緊張、血圧上昇、心拍数増加など、「アクセル」の役割をしています。
つまり、交感神経を高めるような刺激があると身体は緊張し、それが慢性的なものになると身体の過緊張にも繋がってくるということです。
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慢性的に交感神経の働きを高めてしまう原因についてはストレス、低い睡眠の質、低い食事の質、などがあり、お互いに影響しあっているような関係です。
こういったことも踏まえて、交感神経を過度に働かせないため、スマホなどの電子機器の使用を控える(特に寝る前)、食事を減らしすぎない、食物繊維や発酵食品などが含まれた食事を日常的に摂るなどの対策をとっていく必要なケースもあります。
また、呼吸の回数を抑え、特に吐くことにフォーカスしたエクササイズを取り入れていくと交感神経の過度な働きを抑えるために有効だとされています。。
まとめ
体力があるってどういうことなのか、なぜ緊張が疲れやすさに繋がっているのか、緊張を落としていくためのヒントについてまとめました。
肩こりや首回りに痛みがある、腰の張りがひどい、ふくらはぎがパンパン、深い呼吸ができていない…などの症状がある人は過緊張になっている可能性があります。
そうでない方も現代人のライフスタイルは過緊張に陥るリスクが高く、それを予防するために定期的な運動として、週に2回くらいの筋トレ、1日30分くらいの有酸素運動を行うことをおすすめします。
筋トレはできるだけ、頭の位置が大きく動くようなもの(スクワットや腕立て伏せ)が有効で、有酸素運動はできるだけ早歩きの散歩でも大丈夫。
あとは野菜が豊富な食事をとって、8時間くらいは寝れるようにできたらばっちりです…と、なんでもかんでも詰め込むと大変なので、できることだけでも取り入れていきましょう!
「完璧でないと意味がない」というゼロか100かの思考ではなく現時点でのベターに取り組んでいただけたら嬉しいです!
恵比寿駅徒歩5分のパーソナルジムでトレーナーをしています。
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恵比寿でパーソナルトレーナーをしています。 ダイエットやボディメイクに興味のある方はお声かけ下さい。