A Look Back On Amps
どうも、ライターのYuki Kawasakiです。今回もGH STREAMINGのダイジェスト企画として、これまで配信に出演してくれたアーティストに改めてフォーカスします。第7回目の今回は、群馬のローカルヒーローにフォーカスします。人気パーティ「EDGE HOUSE」に、Solid Grooves的なミニマルの風をもたらしたDJ/プロデューサーとして近年脚光をあびる存在ですね。
2009年にDJを開始して以降、彼は現行のミニマル/ディープテック以外にもダブステップ、大文字のハウス、ジュークなど、様々なジャンルを乗りこなしてきました。DJやプロデューサーとしてだけでなく、Addison Grooveなど海外アクトの全国ツアーを組むなど、オーガナイザーとしての一面も持ち合わせております。
2021年には、御大Skreamに自身が制作したブートレグをプレイされ、あまつさえSNS上で「俺のセットではほぼ毎回この曲をプレイしている」と言わしめるほど。SkreamがAmpsさんのキャリアを詳細に把握しているかはさておき、本質的に同じタイプのプロデューサーだと本能的に感じたのではないかと思うんです。ハウスにジュークにダブステップ、それから、Ampsさんはドラムンベースやトリップホップもルーツとして聴いていると仰っています。そのジャンル的な移ろいは、Skreamにも通ずるものがあるような気がするんですね。
そして今年の2月22日にはsensor labelより「Show Me」をリリースし、リミキサーとしてEDGE HOUSEのレジデントDJ・KENTACATSが参加しております。フロア直下型チューンといった感じで、かなり踊れる内容になっていると思います。
で、Skream的存在は度々現れるようで、今年に入ってからもブエノスアイレスのフェスでBlackchildがAmps名義のアンリリースドトラック「The Session」をプレイしました。彼がBlackchiildに支持される理由も分かるような気がしておりまして、その理由は楽曲の構成にあるように思います。以前Ampsさんにインタビューさせてもらった際に、ミニマル/ディープテックトラックの作り方として、「ミニマルゆえになんでもアリだ」と仰ってたんですね。5トラック+ネタをどう持ってくるか。そこに面白さがあると。たとえばPAWSAの変名プロジェクト“TREASURE SERIES”の曲が顕著なんですけど、「FIND ‘EM ALL」ではThe White Stripesの「Seven Nation Army」を使い、「GET IT POPPIN’」ではエミネムネタを丸々使ってドロップに持っていくっていう。
BlackchildのDJを聴いても大ネタ使いが顕著なんですよ。リアーナとドレイクの「Work」をネタに使ってきたりしますから。また、ネタとするジャンルもヒップホップ/R&B、トライバル、ジャズとGH Streamingでのプレイと合致するものが多く感じられます。そういった、まさにミニマルの面白さとバックボーンの共通点をAmpsさんのトラックから感じた可能性は大いにあるなと。
この未発表曲も含め、彼の今後の動向には要注目です。