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誰でも足を速くさせられる!100mを10秒台で走る人が教える、5つのポイント②

こんにちは。
1つ目の記事を読んでいただきありがとうございます。
そして2つ目の記事に、ようこそお越しくださいました。

1つ目の記事では「速く走るというのはどういうことか」というのを、
冒頭から考え方を長々と書いてきました。

ですが、この記事を読んでいる人は、
「考え方じゃなくて、簡単に足が速くなりたいんだけど、、、」
「今すぐできることってないの?」
って思っていると思います。
だって、僕がタイトルに「誰でも足を速くさせられる!5つのポイント」って書いたから。

はい、教えます。
本当に簡単な方法を。
ここから要素を分解しながら説明しますので、
ご覧ください。
子供にも理解してもらいやすい、教えやすい方法で書きます。

1つ目の記事の最後でも書きました、
5つのポイントです。

①姿勢
②腕振り
③顔
④もも上げ
⑤足の裏

こちらを1つずつ、分解してお教えします。

①姿勢

走る上で一番大事な要素と言っても過言ではありませんね。
走る時に「体幹」「フォーム」が重要ってよく言います。
体幹というのは文字通り、「体の幹(からだのみき)」のこと。
これがしっかりしていないと、地面に与えた力がちゃんと戻ってこない。
地面に与えた力を真っ直ぐ体の中心でとらえて、頭の上から逃がすイメージ。

ここでイメージに必要な誰しも一度は聞いたことのある言葉、

「作用反作用の法則」

走るって正に一歩一歩がその繰り返しなんです。
与えた力が同じ方向に返ってくるってことですよね。
そうなんです。
でもこれは簡単な話ではないのです。
これが難しいのは、走っているから。移動しているから。
どうやって力をかけて、どうやって力が戻ってくるのかを理解した上で、
ちゃんとした姿勢でないと、ちゃんと力が戻ってきてくれないのです。

でもそれができると、楽に速く走れます。
そのために、正しく楽な姿勢をとる事が重要なのです。

そんなこと言われても、、、と思うと思いますが、
実は物凄い簡単なお話なのです。
それは「立ち方」を意識するのです。

これは色々表現の仕方があって、
自分や教え子が納得できて理解しやすいものを下からチョイスしてみてください。

(1)白樺のポーズをとる。
 1.直立した姿勢を取る
 2.ま先を外側に開いて両足の踵(かかと)を着ける
 3.両手で木を抱くように肩の前で輪を作る
 4.その姿勢を維持したままつま先と手を元の状態に戻す
(2)頭の上から一本の糸で吊るされているイメージを持つ。
(3)身体測定の時に「身長計」に乗る時の姿勢になってみる。
(4)手を肩甲骨の部分から上にあげてスッと手を下す。
(5)骨盤をニュートラルなポジションに置く。

色々言っていることはありますが、これは全て同じ事を指しています。
地面からの反発力を効率良く受ける姿勢がこれなのです。

実際に大学まで陸上競技をやってきた僕も、
常に(1)のポーズは練習前に意識付けとしてやってました。
白樺のポーズをとってから走りだす、という感じで。
常に「正しい姿勢」を意識して取り組みましょう。

この正しい姿勢は姿勢の良さと合わせて、
「腰の高さ」がキープできるのが大事です。
腰が低く下がってしまうと、足の回転が大きくなりません。
足の回転はストライド=歩幅に直結するので、
「腰の高さ」は常に高い位置でキープしていないといけないのです。

そしてその姿勢のまま、左右の足どちらかを一歩前に出し、
体を少し前に倒して「前傾姿勢」を取れば、完成です。
この「前傾姿勢」は横から自分の姿を鏡で見ながらやると良いですね。
体がくの字に曲がってたりするとダメです。
地面からの反発力は直進しかしないので、曲がってるとそこで力が抜けちゃうのです。(しかも怪我につながる)
真っ直ぐの姿勢をとれるようにしましょう。

②腕振り

あまり速く走れない人が皆んな共通しているのが、
「腕振り」を重要視していないことです。

腕って振るだけでしょ、って思ってるんだと思いますが、
腕を振るから足が前に動くのです。

腕振りのポイントは4つ。
1つ目は「手のひらの形」です。
これは色々言う人がいるかもしれませんが、
ここで正解をお伝えします。

グーでもパーでもありません。その中間。
自然に開いた手の感じが重要です。
グーとかパーとかする時って、当然意識的にやってますよね。
それだと力が入ってしまうのです。
力が入ってしまうというのが、走る上では一番割けないといけない行為なのです。
だから意識しない自然な形が一番の理想形なのです。

とはいえイメージしづらいって思うと思います。
なので、お教えします。

「卵を割れないように握って走る」
これですね。

このイメージは聞いたことがある人もいるかと思います。
ただこれだとどの指も手のひらについていない状態ですよね。
僕はそれだと感覚的にやりづらかった。
なので、そういう人にわかりやすいようにもう少し踏み込んでお伝えします。

「小指だけ自然な形で握る」(力はかけない)
このイメージが良いです。

小指だけ手のひらにつくかつかないかぐらいにして、
それ以外の指は自然な形で卵を握れば良いのです。

人体の構造上、親指を握ると二の腕に力が入るようにできてます。
ただ小指に力を入れても、腕や体に力が入らず、
体が強張らない中で、安定して握ることができます。

2つ目は「どっちに振るか」です。
これは正直意見が割れると思います。
後ろに振る派の方が正直多い気もしますが、
前に振る派もいますね。

ちなみに僕は前に振る派でした。
でも、正直言うと、前でも後ろでもどっちでも良いのです。
本当に重要なのは腕を振る時に「どこにアクセントをつけるか」なのです。

後ろに腕を引くこと、前に腕を出すこと、
そんなことを意識をするのではなく、
大事なのは腕と腕が交差する瞬間、(例えば右手が前に移動して左手が後ろに移動しているとき)
その瞬間にアクセントをつけることなのです。

人によっては前ばっかで腕を振っている人もいるので、
そういう人には後ろで振る意識が大事だったりするので、
そのあたりも含めて、アクセントをどこにつけるか、
どこにアクセントをつける意識を持つと、自然に振りやすいかを探るのがいいですね。

ただ意識をし過ぎると腕も肩も固くなってしまうので、
そこだけ注意です。
固くなることが一番、足を遅くする原因です。
それだけは絶対に避けてください。

3つ目は「どこまで振るか」です。
どこまで振るかなんて考えたことないですよね。
僕も最初はあまり考えていませんでした。
だって意識しちゃうから。

腕は「大きく振る」のが前提です。
その上で、前は自分の目線の高さまで振ると良いです。

例えば親指と人差し指で丸を作って腕振りをした時、
その丸が目の高さまで来て、丸を通して先が見えるようなくらいの高さまで、
腕を振ると良いです。

ただ意識し過ぎて、腕を大きく振ることばかりに捉われると、
動きが当然遅くなってしまいますし、
肩が上がってしまうので、その点は要注意ですね。
練習の時に意識をして、無意識にそれくらい腕が振れることを目指す、ってことですね。

4つ目は「腕の角度と振り方」です。
腕の角度は90度です。
これは意外と誰でも知っていると思います。
ただ、腕を後ろに振った時、意外と90度ではなく、
伸びてしまっている人が多いと思います。
なので、こちらも鏡を見ながらチェックしましょう。

そして、振り方も当然真っ直ぐに振ることを意識してください。
腕を横に振って走る人や多少脇を空けて振ったほうが走りやすいんだよね、
って思う人がいると思いますが、
大至急やめてください。
それは走りやすいのではなく、筋力が追い付いていないからそうなってしまっているのです。
変な癖がついてしまう前に、腕は真っ直ぐ振りましょう。

この4つが腕振りの重要なポイントです。
「手のひらの形」は卵を握るイメージで。小指だけ握っても良し。
「どっちに振るか」というより、腕と腕が交差する瞬間にアクセントをつける。
「どこまで振るか」は大きく振ることを前提としながら、前に振る時は目線の高さまで。
「腕の角度と振り方」は90度で真っ直ぐ振ろう。それ以外の正解はない。

これが腕振りの完璧なイメージです。

③顔

走っているときに顔まで言われたくない、って思いますよね。笑
当然です。

でもオリンピックや世界陸上を見ていると、
ゴールする瞬間を正面から映しているときってありますよね。
その時選手たちは、皆んな辛そうな顔をしているでしょうか?歯を食いしばったりしているでしょうか?

してないですよね。
だって歯を食いしばるというのが一番人間の体を強張らせてしまうもの、力が入ってしまう元凶だからです。

だから、笑いましょう。
ヘラヘラして走っているのは気持ちが悪いので、
笑うぐらいの気持ちで走りましょう。
それぐらいの表情と気持ちで走るのが一番良いのです。

そして真っ直ぐ前を向きましょう。
真っ直ぐ前というのは、目線の話ではなく、
顔自体の話です。
人は疲れてくると顔が上がります。酸素をうまく取り込むために。
だから顎を引きましょう。
その意識でだいぶ変わります。

そして自分の走るスピードに体が追い付かないと上半身が後傾してしまいます。 ※後傾=体がのけぞってしまう。
それも減速の原因なので、走る時は顎を引いて、前傾しながら走ることを意識しましょう。
それでも意識してもどうしても後傾してしまう場合は、
根本的な筋力不足です。体幹=腹筋が足りないので、筋トレをしましょう。

正に陸上はポーカーフェイス選手権のようなもので、
いかに全身に力を入れずに、リラックスした状態でパフォーマンスを発揮できるか、
そこが大事なスポーツなのです。
0.01秒を競い合うスポーツなので、ほんの少しの差が結果に大きな影響を与えます。

④もも上げ

もも上げってよく言いますよね。
トレーニングする時も「もも上げ何十回!」とかあった気がします。
これはトレーニングでは良いと思うんですけど、
走る時には意識としてはいらないです。

むしろ「もも下げ」の方が意識としては重要です。
イメージとして近いのは「ももを下げたら、ももは自然と上がってくる」です。
姿勢の説明の時に「作用反作用の法則」の話をしたので、
勘の鋭い人はもうわかったかと思いますが、
ももを下げて、地面に力を加えて、初めて地面から力が戻ってくるのです。
なので、意識するところは「もも下げ」なのです。

そしてもっと突っ込んでお伝えすると、
足はもも上げともも下げの繰り返しで、前に進みます。
その切り替えしが最も重要です。
腕の振りのアクセントの話の時も出てきましたが、
足も切り替えのタイミングでアクセントをつける意識で取り組みましょう。
その切り替えが速くなればなるほど、ピッチ=回転数があがりますよね。
なのでそういう練習をするのが重要です。例えばラダーを使った神経系トレーニングですね。

⑤足の裏

良く「つま先で走ると速くなる」という人がいます。
それ自体は間違っているとは思いません。

陸上のスパイクという試合の時に履くシューズも、
踵(かかと)が上がっている作りです。
また、走る時には前傾姿勢というのもお伝えしましたよね。
体が前傾姿勢の時は足は地面に対して並行ではなくなるので、
自然とつま先だけしか地面につきません。

なので、意識としてはあってますが、
レベルの高い選手になると、正確には「意識していない。むしろ足の裏全部をつけている。」という感じです。
つま先で走るという意識ではなく、
前傾姿勢でスパイクを履いて走っているとフラットな着地(足の裏全部をつける)を意識していても、
自然とつま先の方に重心がいく、
というのが正しい説明かなと思います。

でも初心者や子供に簡単に伝えるとなると、
「つま先をあげて走る」の方が良いかもしれません。
そういう意識で走ると、足が前に出やすくなりますし、
良い足の回転につながるからです。

あと、足が地面について離れる時、
どこが最後についているかというと、
「母指球」という親指の付け根あたりの部分です。
ここが一番踏み込んだ時に力が入るポイントなので、
足を地面から話す最後の瞬間に、ここで地面を押すイメージが重要です。

接地時間のことを1つ目の記事で書きました。
地面についている時間のこと。
走っている時、地面に足がついている時間はほんの一瞬です。
でもその一瞬でどうやって力を地面に伝えるか、そこが重要なのです。
足が地面についている瞬間のイメージをもう少しお伝えすると、
縄跳びをしている時のポンポンと跳ねている感じが感覚的には一番近いです。

良く陸上選手がトレーニングでハードルをポンポンと飛び越えているのを見たことがあるかもしれませんが、
地面から母指球で力を受け、縄跳びをするようにポンポンと跳ねて力をもらうトレーニングですね。

まとめ

はい、ここまでつらつらと書いてきました。
お付き合いいただきありがとうございます。
重要なポイントを改めて下記にまとめます。

①「姿勢」は、立ち方を意識。白樺のポーズを試してみて。
②「腕振り」は、4つのポイントをマスターしよう。
③「顔」は、笑いながら顎を引こう。
④「もも上げ」というより、もも下げを意識して。
⑤「足の裏」は、つま先をあげ、母指球のあたりで縄跳びをするように走ろう。

このポイントを意識するだけで、絶対に足は速くなります。
そしてこれを教えるだけで、誰でも足を速くさせられます。
是非とも試してみてください。

最後に

長文をお読みいただき、ありがとうございます。
感覚的なこと、イメージ的なことをお伝えするために、
どうしても長くなってしまいました。

ただ、意識するだけで全く違います。
なので、是非騙されたと思ってトライしてみてください。

そして、運動会や試合に向けて努力している人たちへ、
上記とは別に教えられる重要なことを、最後に2つだけ。

今までお伝えしてきた技術の他に、
気持ちとして本当に大事なこと。

それは、
・「走る」ではなく「走り抜ける」という意識を持つこと。
・常に楽しんで取り組むこと。

人は意識やイメージを持つだけで、実現できる生き物です。
100mというのはとても短い距離です。
はたまた運動会とかは50mとかかもしれません。
それを力を入れずに、気持ちよく走り抜けることを意識しましょう。

そして何事にも通じる一番大切なことは、
楽しむことです。
どんなに力があって、技術があっても、
楽しめないと最高のパフォーマンスは出せません。
また逆に楽しめればある程度の技術は補えます。

技術は後からついてくるし、後から身につければよい。
まずは思いっきり楽しむ、
皆から褒められたい、モテたい、いい結果を出したい、
その楽しむために走っていることを思い出してください。

この2つを忘れずに、頑張ってください!

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