アンチエイジングは"足し算引き算引き締め算"。

実は先日、あるところから、コラム依頼が来ました。

私の文章は、
代筆しても、私が書いたとバレてしまうようで、

今回もいつものごとく、
公になる頃には、
形が変わったように思います。


それが、こちらを始めたきっかけ。


初めての投稿は、
それの全文をお届けします。


___________


"エイジングと上手に付き合っていくために。"


 
アンチエイジングにおける美容医療は、このコロナ禍のマスク生活の中で需要が増えたように思う。

それは、ひとつはリモートワークにおけるズーム会議などで画面に映る自分の姿を客観的に評価する機会が増えたことや、

単純にマスクで顔の半分を隠して日常生活を送り得ること、などがその原因の一つであろう。


本当を言うと、
このコロナ禍で、
今まで安価に韓国に行ってケアしていた層が、
しぶしぶと、日本で美容医療を受けている、
その
結果が、いまの
コロナ禍での美容医療がブームのように見せている原因にも思う。


 
そこで、これからアンチエイジングを始めよう、継続しようと思う方々に耳に入れてほしい言葉がある。


アンチエイジングの基本は、
「足し算、引き算、引き締め算」
であるということだ。
 


今までの美容医療は、いわゆる“ヒアルロン酸顔”などの名称が代表するように、
“ケアしている顔感”
が出てしまうことが多かった。

 
これの原因としては、

弛みや皺に対して、その溝を埋める。
つまり、足し算のみで解決しようとしたことが原因である。


だが、本質的なことを考えると、
弛みというのは、

✔︎土台のボリュームが減ったこと
✔︎組織に張りがなくなったこと
✔︎締まりが悪くなったこと

というのが基盤となり、それにより引き起った事象である。
 


骨は年々痩せていく。
つまり顔の骨も痩せていく。
そうすると、骨の上にある筋肉や脂肪や皮膚は、落ちるしかないのだ。


 
それに比べて、顔の脂肪は
何層にもわたって重なり合っているが、
文献上としては、
年々ボリューム減る脂肪から、変わらない脂肪、あるいはボリュームが増える脂肪など、
部位によってまちまちであることが分かっている。

 
皮膚は、赤ちゃんの時と比べて、
光老化の甲斐あって、(ここは敢えて甲斐と書きたい)
皮膚も痩せ、
ターンオーバーも乱れ、
張りのある状態を保つことができなくなっていく。

 
そして、顔の筋肉は、年々力が強くなり、
それにともない、痩せた皮膚は新聞紙のように顔が動くごとにクシャクシャと皺が入るようになる。


 
 
それぞれの組織が、それぞれの組織ごとに年々変化をしていることで引き起ったエイジング。

それを単に、足し算のみで、
やれ引き伸ばせ、
としたとしても、それはナチュラルからは程遠くなるのだ。




では、どう考えてエイジングに付き合っていけばいいのか。

 
まず、アンチエイジングに対してできる手段は4つである。 

 
✔︎フェイスリフトが代表するような手術。
✔︎糸リフトと呼ばれる糸を顔の中に通して、中身だけ引き上げる治療。
✔︎ヒアルロン酸、ボトックスといった注射で行う注入治療。
✔︎そして機械(狭義ではレーザーではないが、機械自体をレーザーと認識されていることが多いであろう。)で組織に熱を加えて引き締める治療で、さらにその中の手段としては、HIFU、RF(ラジオ波、高周波)、近赤外線。

のみである。



 
これらは当然、機械治療、注入治療、糸リフト、手術の順に一般的にダウンタイムが強くなる傾向にある。
 
 

では、何を実際に治療を受けていけばいいのか。
選択すればいいのか。
 


いまのSNS社会、情報が多く、どうも来院される患者様は、○○をしたい。と、手段を決めて来られることが多い。

だが、実際それが適応になることはほとんどなく、その方の原因によって選択肢は多岐にわたるのだ。
 



例えば、
「法令線が気になる」
と言われる患者様が来院したとしよう。


それはいつから気になり始めたのか。

10代のころから気になっていた、ということであれば、それは骨格的に、鼻の横の溝が深い、影によるほうれい線かもしれない。

そうなると、治療方針は、
まずはその骨格を、その溝を骨レベルで補填することである。

つまり足し算

その手段はもしかしたらヒアルロン酸かもしれないし、はたまたプロテーゼかもしれない。もしくは、自身の軟骨を用いて補填するのかもしれない。
これについては“貴族手術”と検索するとイメージはつくと思う。
 


いえいえ、40代になってきてから気になってきたの。

であれば、頬の頂点を確認していただきたい。


10代の頬を見たときに、光が当たる場所は、目の下付近の頬に一つ、スポットが当たっている。

が、年を重ねるごとに、その頬の土台となる骨は痩せていき、その上にあったはずの皮膚だったり脂肪だったりは、重力に逆らえずに下に落ちる。
そうなると、もしかしたら、その頬の頂点は、目の下の頬ではなく、鼻横の、いわゆる法令線の鼻横に位置しているかもしれない。

さらにその部分に位置する法令線の上の脂肪はnasolabial fatと呼ばれ、先に述べた、
年々ボリュームが増える脂肪
と言われている。
 

であれば、手段としては、その脂肪を減らす引き算が良い。
脂肪吸引か、脂肪溶解注射が挙げられる。


 
そして、落ちる原因となった、痩せた骨を補填しよう。
あの頃のように再現しよう。

手段としては、頬にヒアルロン酸かもしれないし、脂肪注入かもしれない。

足し算である。
 


いえいえ、脂肪はあんまりなくて、皮膚の余りのように見えるわ。

であれば、その皮膚はきちんとタイトニングをしよう。
機械で熱加えてもいいし、もういっそ、糸で引き上げてもいいかもしれない。

引き締め算だ。
 
 


もちろん、診察もしていないのに、これがすべてだ、と勝手なことは言うつもりはない。


言いたいのは、
その、気になるようになったことには、
前にはなかったのに、
今できたその、気になることには、
必ず原因がある。


その原因別に、対応をするべきであって、
結果として、できた皺だったり溝だったりに何かを埋めるようなことをしても、ただただ顔が大きくなるだけで、
それはアンチエイジング、
エイジングに逆らうこと

にはなっていない。

エイジングによって出来た悩みを根本的に巻き戻していることにはならないのだ。
 

 
もう一度言う。

アンチエイジングの基本は、
「足し算、引き算、引き締め算」
であるということだ。


そして最後に言う。

木を見て森を見ず。ではなく、
木を見ず森を見てほしい。

一部だけ10代になることは、ほかの部位のエイジングをより際立たせることになるのだから。

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