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【人事・HR編12冊】麻野耕司氏(リンクアンドモチベーション取締役)

「組織と個人の幸福を最大化する。」


経歴

慶應義塾大学法学部卒業後、株式会社リンクアンドモチベーション入社。 2010年 中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任。同社最大の事業へと成長させる。 2013年 成長ベンチャー企業向け投資事業立ち上げ。HR Techを中心にビズリーチ、ネオキャリア、あしたのチーム、Fond, Inc.(旧AnyPerk)など20社近くに投資。 2016年 組織改善クラウド 「モチベーションクラウド」立ち上げ。国内HR Techの牽引役として注目を集めている。 2018年 株式会社リンクアンドモチベーション取締役就任。 著書に「すべての組織は変えられる〜好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか〜」(PHPビジネス新書)。


「戦略から学ぶ」

(1)新訳 経営者の役割

本書が世界の組織論の潮流を変えたと言っても過言ではありません。今の働き方改革は、労働時間の短縮適正化など個人に拠った論調が目立つが、それで組織全体の成果は担保できるのだろうか。本書を読んで、組織づくりも働き方改革も、事業戦略と人事戦略の両論で考えるべきという原点に立ち返っていただきたいです。


(2)組織設計概論 戦略的組織制度の理論と実際

本書を読めば、組織人事の全体像がつかめると思います。マッキンゼーでは企業戦略と人事戦略の相関を定義した「7S」がありますが、同社出身のコンサルタント・波頭亮氏はそれを「3S」に落とし込み、ここの施策がどう事業戦略とリンクするのか、細かく丁寧に解説しています。


「組織再編」

(3)組織デザイン

組織形態の基本形を明確に定義し、メリット・デメリットをわかりやすく教示した書です。組織形成に対する理解の現状を見ていると、ティール組織やホラクラシーなどの流行りをやみくもに取り入れて失敗する企業が出てくる懸念があるが、本書で組織編成の本質を理解すれば防げるはずです。


(4)ウォー・フォー・タレント 人材育成競争

02年の出版ですが、今改めて読んでも新しい気づきがあります。労働市場で圧倒的な勝ち組となっているメルカリでは、全社員がリクルーターの役割を担っているが、その組織編成論のバッグボーンとなっているのが本書です。


「人材育成」

(5)企業内人材育成入門

人材開発を合理的かつ実践的に論じているのが、立教大学・中原淳教授著の本書です。人事担当者はもとより、中原先生のブログ「NAKAHARA-LAB.NET」も必見です。


「管理制度」

(6)改訂5版 職能資格制度 日本型成果主義の基盤

版を重ねている名著です。人材採用や育成、労務の知識はあっても、人事制度の正しい知見がある人は意外と少ないです。人間を何によって管理すると一番成果が上がるかを解説しています。


「モチベーションを高める」

(7)無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論 18人の巨匠に学ぶ組織がイキイキする上下関係のつくり方

リクルートのナンバー2だった大沢武志氏が、アカデミアの知見を徹底活用することで具現化してまとめた名著『心理学的経営』。現在は絶版となっているが、その遺志を継いで出版された同書を読めば、そのエッセンスを余すことなく理解できます。


(8)モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

「成果を出したら、ボーナスを与える」といった交換条件付き報酬の動機付けはもはや機能しなくなってきています。著者は「自律性」「熟達」「目的」がその要因として機能すると説きます。古い価値観を引きずるリーダーの意識改革に役立つ書です。


(9)The Employee Experience

モチベーションの延長線上にあるエンプロイー・エンゲージメント(企業と従業員の相思相愛の度合い)からエンプロイー・エクスペリエンス(従業員の経験)へという時代の流れを押さえる事ができます。


「事例」

(10)リクルートのDNA 起業家精神とは何か

「5M」の事業戦略、動機形成、役割設計、人材開発、管理制度を、見事なまでに具現化し、その全てをリンクさせているのがリクルートです。創業者の江副浩正氏は特に人材採用を重視し、優秀な人材がモチベーション高く働く仕組みを作りました。


(11)日本一働きたい会社のつくりかた 社員が夢中になれる企業、ライフルの人事は何をしているのか?

本書では、オードソックスな施策を地道に積み上げ、「日本一働きたい会社」へと成長させた組織変革の軌跡が描かれています。


「エンジニアリングの組織づくり」

(12)エンジニアリング組織論への招待 不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

本書は組織におけるエンジニアリングの課題や解決の手法を、天才エンジニアの広木大地氏が自身の経験や社会科学の知見からわかりやすく解説しています。

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