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パウパーのマイナーデッキのしかじか

● はじめに


 いつもお世話になっております。MOではHeterodoxという名前でプレイしている、ゆーきと申します。パウパーやってる?

前回の記事が想像よりも反響があり、完全に味を占めたのでせっかくなら第2弾を執筆しようと思った所存です。
今回はトーナメントシーンでは中々お目にかかる事のない、マニアック且つマイナーなデッキを紹介していきたいと思います。
念のためですが、「俺が使ってる〇〇はマイナーじゃねぇ!」といった意見は受け付けておりません。記事内で取り上げた=弱いとか、マイナーであることがデッキの弱さという訳ではないことはご承知願います。

 根本的なテーマは前回から変わらず、「初見殺しを防ぐための知識」です。
それを基にデッキをピックアップし、同様にして箇条書き的に対処手段や諸々を書き連ねていきます。

 そして、前回記した有利・不利に関してですが、マイナーデッキともなると割と見たまま想像がつくような相性であることが多いので割愛させて頂くようにします。「どうしても知りたくて―――」という方はコメントかXのDM等で僕に問い詰めて下さい。

 参照するデッキリストは、2024/1/14段階の晴れる屋に登録されているデッキリストの中で、信頼性のあるものをピックアップして掲載しています(例外あり)。


● ちょっとマイナーなデッキ

■ スリヴァー

‣ プレイヤーによって採用するスリヴァーは様々であるものの、12枚の《筋肉スリヴァー》達によって横並びするスリヴァーを強化しながら戦う戦術自体は共通している。採用されるスリヴァーはメジャーどころだと黒以外の4色すべてに存在している為、《虹色の断片》の宣言が困難であることも強み。

‣ 壁コンボやエルフよろしく、《暴走の先導》と《紆余曲折》により、リソースを確保しながら横展開を仕掛けてくる。
 ⇒ スリヴァーの《紆余曲折》は、クリーチャーを回収しながら《虹色の断片》や《鋭い痛み》等のフラッシュバック持ちスペルを墓地に落とす可能性があることに注意。適当に通しているといつの間にか墓地を含めたリソースが膨れ上がっていく。

 ⇒ そこで、《宝革スリヴァー》は《暴走の先導》等のリソース札をキャストしやすくしたり、手札に抱えたスリヴァーを放出しきったりする等テンポの取り方がすさまじい為、状況によっては12筋肉よりも処理する優先順位が高いことがある。
往々にして、序盤の《宝革スリヴァー》は危険である。

‣ 《横這スリヴァー》は12筋肉に加えてもいいかもしれないと思えるほど甘く見れない性能であることは知っておきたい。
初見だと150%ジャッジを呼ぶことになるが、《横這スリヴァー》の持つ側面攻撃は「側面攻撃を持つクリーチャーの攻撃中に、ブロックに参加したクリーチャー”すべてを”-1/-1修正する」効果である。
そのため、2/2になって側面攻撃を持った《筋肉スリヴァー》をコンバットで相打ち以上に討ち取る為には、少なくとも3/3以上のスタッツを持つクリーチャー1体以上、若しくは2/2以上のスタッツを持つクリーチャー2体が必要となる。間違えても《スレイベンの検査官》2体でダブルブロックしないようにしよう。
 ⇒ 《活性スリヴァー》が盤面にある状況において、攻撃プレイヤーは《横這スリヴァー》をブロッククリーチャー指定後に瞬速でキャストしてシャクろうとしても、ブロックされるタイミングを逃している為出来ない。シャクるなら大人しく12筋肉をキャストしよう。

‣ 一見普通のクリーチャーで攻め立てるデッキではあるものの、実は《石角の高官》や《一瞬の平和》といったコンバット拒否に対して、《刃背スリヴァー》という回答を持っている。暴勇という条件こそあれど、盤石かのように思われた盤面から突然死する危険性がある為、是非とも頭に入れておきたい。

‣ 個人的に最も気を付けるべきなのは《狩人スリヴァー》。挑発を全体に付与するため、一方的にコンバットでクリーチャーを討ち取られる。たとえタップしていても強制的にアンタップされてブロックに参加させられるため、こちらの盤面が壊滅することは不可避である。
 ⇒ 挑発関連の小テクだが、《ケンクのアーティフィサー》等でクリーチャー化した土地に挑発を対象すると、挑発の解決前にタップしてマナを出せば2マナ出ることになるので、《喪心》をキャストしたり《稲妻》を2回キャストしたり出来る。スリヴァー側が気を付けておくテクニックでもありつつ、挑発を逆手に取るテクニックでもある。
尚、同様の事象は《熟達の刃の精鋭》を採用している白単英雄的に対しても用いることが可能。

■ 感染

‣ 青を採用したシミックカラーの感染も存在する。それは以下を参照。
(Unfinity収録前のリストの為、《Embiggen》が不採用)

‣ また、つい最近海外にて青黒で構成される感染も現れ、トーナメント優勝の実績を残したこともある。以下を参照。


‣ 何の型にせよ、とにかくクリーチャーに除去を切ろう。
 ⇒《稲妻》等の火力除去の場合は、なるべくこちらのメインフェイズに打とう。《巨森の蔦》や《地うねり》といったジャイグロで火力を避けられる分には、実質的なキルターンが短縮している為。
《喪心》等の確定除去を打つのであれば、相手のエンドフェイズ、若しくは強化呪文を重ね掛けている時に打つ方が良いだろう。《殺し》と《喪心》が両方手札にある時に限り、《荒廃のマンバ》の為に《殺し》を温存するべき。

 また、関連してチャンプブロッカーを用意することが非常に有効になる場面が多いことも覚えておこう。《荒廃のマンバ》や《胆液爪のマイア》以外の感染クリーチャーであれば、強化呪文を唱えない限り1/1のブロッカーすらも越えられない。

 ‣ サイドに搭載されていることが多い《死体の野犬》に注意。2体揃うと除去を打っても打っても蘇ってきてとても面倒臭い。仮に《死体の野犬》によってゲームを落としたのであれば、サイドアウトするカードが多い場合のみ墓地対策をサイドインするのも一つの手段である。

‣ 《Finishing Move》《Command Performance》といったステッカー関連のカードを見てもおかしくないデッキであることも頭に入れておこう。感染であることが判明して、且つステッカーをゲーム開始時に公開していた場合は警戒して動くべき。例えば《Finishing Move》を警戒する場合は、こちらの盤面にむやみにクリーチャーを展開しないことも一つのケアである。
 ⇒特に青黒型の場合、《まだ死んでいない》系呪文により、パワー・タフネスがステッカーで書き換えられた感染クリーチャーがリアニメイトしてくる為、注意しておく必要がある。

■ キャットフード(白黒ゲート)

 ‣ Mvanniによって開発された、《大釜の使い魔》と《ジンジャーブルート》のシナジーを主軸にしたゲートデッキ。見た目よりも粘り強い。
上記のリストは《Command Performance》を採用し、より《大釜の使い魔》を強く使う構成にしていて、ステッカーの捲りが良いと無限コンボを仕掛けることも可能。
 
① 《Giant Mana Cake》の能力ステッカーを《大釜の使い魔》に張り付ける。
② 《Carnival Elephant Meteor》の能力ステッカーを①の《大釜の使い魔》に張り付ける。
③ 《Carnival Elephant Meteor》の能力ステッカーを起動し、①②の状態である《大釜の使い魔》を生贄に捧げて2枚ドローする。
④ 《Giant Mana Cake》の能力ステッカーが誘発し、食物・トークンが2つ生成される。
⑤ ①②の状態である《大釜の使い魔》の起動型能力で、④で生成された食物・トークンから自身をリアニメイトする。
⑥ ①②の状態である《大釜の使い魔》の誘発型能力で、1点のライフをドレインする。
⑦ ③~⑥を任意の回数繰り返して、ドレインし切る。
※ 尚、③の時点での2枚ドローがスタックに乗った状態で④から⑥を繰り返すことが出来る為、ライブラリの枚数関係なくドレインをすることが出来る。

‣ ステッカーギミックを採用しない構築も存在する。以下を参照。

‣ 《レオニンの従者》と《血の泉》でぐるぐるする。そこに《間に合わせの砲弾》が存在していると、マナこそかかれどかなりの点数のダメージが与えられる。
 ⇒ 関連して、《岡門》は《間に合わせの砲弾》の種を毎ターン供給してくることを知っておこう。尚、《間に合わせの砲弾》に《Trendy Circus Pirate》の能力ステッカー(接死)が貼られると、全てを焼き尽くす最強の置物と化す。

‣どちらの型にも共通して言えるが、先に処理するべきは(墓地に《大釜の使い魔》がいない)《ジンジャーブルート》。
 ⇒ 《大釜の使い魔》が墓地にいる状態で《ジンジャーブルート》を《バジリスク門》の対象に起動し、相手から除去を当てられればそのまま《大釜の使い魔》でリアニメイトしてアドバンテージを稼ぐのが常套手段である為。
除去を打てば打つほどアドバンテージを奪われていくので、リソースゲームを仕掛けるには注意が必要。
 実はグリクシス親和とリソースゲームが出来る程の持久力を持っている。

■ 拷問生活

‣ デッキ名を冠する《拷問生活》を主軸とするデッキ。
最近はゲート基盤によって色を安定的に供給することが可能となり、以前より足回りが良くなった(とされている)。
 ⇒ 黒マナの数=《拷問生活》を起動できる回数であり、対戦する時は「相手が何回《拷問生活》を起動できるか」を考えながら動くべきである。
たとえば墓地に《台所のインプ》がある状況で黒マナが3つ構えられていると、回収⇒捨てる⇒マッドネスで突然《台所のインプ》がブロックに参加してくることがある為。

‣ 基本的には墓地を肥やすことで真価を発揮していくが、墓地に少しのクリーチャーを落としておけば《拷問生活》でどうにでもなってしまうので、見た目以上に墓地対策は刺さりづらい。
 ⇒ それよりも、《拷問生活》そのものを対処する方がわかりやすく有利を取れる。

‣ 搭載されているクリーチャーや除去の種類があまりにもプレイヤーの好みに拠る為、断定することができない。プレイヤーによっては《喪心》等のスペルでの除去を許容したり、《肉袋の匪賊》のような除去を内蔵したクリーチャーを使ったり、《神々との融和》で引っ張ることのできる《未達への旅》を採用する等、ありとあらゆるレシピが検討される。
 ⇒ 例外なく《墓所のネズミ》は搭載されているので、横並びをする時は常に頭に入れておこう。

‣ 日本で一番《拷問生活》を研究しているプレイヤー、たなべいちろうさんによる記事は、拷問生活を使うプレイヤーならば必読であるし、そうでなくともパウパープレイヤーであれば読むべきもの。

■ 青白想起

‣ 《蘇生の天使》によるリアニメイト効果を最大限活用し、《熟考漂い》や《渡る魂》の想起能力を有効活用して戦うデッキ。
純粋な青白コントロールとしての完成度が高く、豊富なアドバンテージとロック手段で確実に勝利していくことが出来る。おれがだいすきなやつ

‣ リストの見たまんまの動きをする為、詳しくは以下の動画を参照したい。


■ ゴンドコンボ

‣《深夜の護衛》と《ゴンドの存在》による無限コンボを搭載するミッドレンジデッキ。コンボを使わなくとも普通に強力なビートダウンを仕掛けることが出来る。
 ⇒ 近似値としてはボロスラリーの動きに近い。トークンを生成してアグロ気味に動きつつ、《バジリスク門》による点での攻めも可能にしている。

‣ 《心優しきボディガード》の鬱陶しさが尋常じゃない。シンプルなアグロプランの時に除去から守るのにも活躍し、コンボプランの時に《深夜の護衛》を守るカードとしても活躍する。無色は宣言できない為、《幽霊火》が貫通することは覚えておこう。
 ⇒ 関連して、基本的に《虹色の断片》を搭載しているデッキである為《鋭い痛み》をサイドインすることがあるかと思うが、その時に《心優しきボディガード》のプロテクションを貫通するケースがあることに注意しよう。
たとえば、パワーが3ある赤いクリーチャーをブロックした《深夜の護衛》に対して《心優しきボディガード》でプロテクション(赤)を《深夜の護衛》に付与しても、《鋭い痛み》をキャストすることでプロテクションを貫通して倒すことが出来る。

‣ ゴンドコンボの手順は以下の通り。

① 召喚酔いしていない《深夜の護衛》が戦場に存在している状態で、《ゴンドの存在》を《深夜の護衛》にエンチャントする。
② 《ゴンドの存在》が与えたタップ効果で、1/1のトークンを生成する。
③ 《深夜の護衛》の誘発型能力により、《深夜の護衛》をアンタップする。
④ ②~③を任意の回数繰り返すことにより、1/1のトークンを任意の数生成することが出来る。
この時、隣に《月皇の古参兵》が存在する場合は、②~③を繰り返した回数分のライフゲインが発生する。

‣ ゴンドコンボを成立させたとしても速攻を付与する手段は無いため、《月皇の古参兵》によるゲインが発生していない場合は全体除去によるトークンの処理でゲームを続けることが出来る。
 ⇒ カルニブラックを使用している時に発生する可能性があるが、《予想外の牙》や地図・トークンの効果で+1/+1カウンターが乗った《墓所のネズミ》が存在する場合、ゴンドコンボによるトークン戦術で勝つことが不可能になるというケースが有る。尚、《月皇の古参兵》によるゲインが入った場合、若しくは《墓所のネズミ》による全体除去が入る時に《月皇の古参兵》の裏によるゲインが入った場合はゴンドコンボで勝つことが出来る。

■ ズー

※上記のリスト作成者である松音さんの最新リストはもっと洗練されていると思うので、本人に聞いて下さい。

‣ 赤緑白の3色で組まれ、《野生のナカティル》を最大限の強さで使うことを根幹とするアグロデッキ。派生型として、《部族の炎》を採用したトライバル・ズーも存在する。トライバル・ズーに関しては以下を参照。

‣ トップメタ・キラーであり、《Finishing Move》を採用した最新のリストだと一見不利そうなテラー系のデッキにも有利に立ち回れる(らしい)。

‣ 面よりも点で攻めてくるデッキである為、単体除去を当て続けられると何も出来なくなる。《怨恨》はデッキの強さを支えるカードの一つであるため、可能な限り《怨恨》をエンチャントするスタックで除去を当てるようにしたい。
 ⇒ デッキの性質上リソースゲームが不可能であり、《戦隊の鷹》は《怨恨》がない場合は1/1の飛行でしかない為、無視がしやすい。とにかく《怨恨》を狙ってゲームを進めていこう。

 ⇒ 《怨恨》関連ではあるが、《Finishing Move》で《怨恨》に《Carnival Elephant Meteor》を付けると、1回限りではあるが0マナで2ドローするスペルにすることが出来る。
 
《怨恨》や《Finishing Move》辺りのことが色々書いてある記事があるので、詳しくは以下を参照。


■ レインボーファミリア

‣ 基本構造はアゾリウスファミリアと共通しているが、《楽園の拡散》や《肥沃の大地》で1つの土地から複数のマナを生み出すようにして《断絶》を強く使いつつ無限コンボを目指すデッキ。

‣ 根幹は同じなので、詳しくは前回の記事を参照。
ここではコンボルートの説明のみとする。

⇒ 《陽景学院の使い魔》無しの場合
① 盤面に《楽園の拡散》や《肥沃の大地》が4枚以上エンチャントされた《島》があり、《古術師》が戦場に出ている。
② 《断絶》を自身の《古術師》を対象に唱え、①の《島》ともうひとつの土地をアンタップする。
③ ②によってアンタップした土地を使用して、②で手札に戻した《古術師》を唱える。
④ 《古術師》の効果で、②で使用した《断絶》を墓地から回収する。
⑤ ②~④を繰り返すことで、無限にストーム値を得ることができる。
⑥ 盤面に《アゾリウスの大法官庁》がある場合は、《断絶》でアンタップする対象を①の島と《アゾリウスの大法官庁》にすることで、②~④の手順1回につき《肥沃な大地》で発生した好きな色や《楽園の拡散》で指定した色マナ等を1マナ余らせることができる。
⑦ ⑥の状態で②~④を繰り返し、充分な色マナを手に入れる。
⑧ もう1体の《古術師》を戦場に出し、好きなスペルを墓地から回収する。
⑨ 《強迫的な研究》を対戦相手を対象に唱える。
⑩ 《幽霊のゆらめき》を戦場の古術師2体を対象に唱える。
⑪ 《古術師》の効果で、⑩で使用した《幽霊のゆらめき》と好きなスペルを墓地から回収する。
⑫ ⑨~⑪を繰り返し、相手をライブラリーアウトさせる。

《陽景学院の使い魔》が戦場にいる場合は、戦場にある《陽景学院の使い魔》の数だけ、①の状態の《島》にエンチャントされている《楽園の拡散》《肥沃な大地》の要求枚数が減る。

● 結構マイナーなデッキ

■ ジャンドガーデン

‣ 上でも動画を引用した、海外のパウパー配信者であるSnapBolt氏が作成したデッキであり、《薄光の子》と《クローク森の群れ守り》によって様々なトークン生成カードとのシナジーを搭載していることが特徴。
カルドーサの再誕》でアグレッシブに攻めたり、《入門の儀式》によるワンショットを決めてきたり、かと思えばリソースゲームに強かったりして非常に多角的な攻めを有している。
 ⇒カード感のシナジーが非常に強い為、どこかを重点的に攻めると瓦解しやすかったりする。
例えば、《命取りの論争》や《間に合わせの砲弾》を強く使わせない為にアーティファクトを攻め続けると、リソースゲームが出来なくなりアグロプランに持ち込むしかなくなる等、プランを複数搭載しているが故にそれぞれのプランの層はそこまで厚くない。

‣ 型によってはトークンシナジーを強く見て、《闇の森のコウモリ》を採用しているものも存在する。その場合は抱えられている《大量の芽吹き》の枚数や宝物・トークンの数、《間に合わせの砲弾》の有無で即座にゲームが終わる可能性がある為、よく吟味してスタックを解決していこう。

‣ モダンホライゾン以前の大昔のティムール親和を相手にする感覚と似ている。《薄光の子》はほぼ《エイトグ》なのでちゃんと気を付けなければならない。
 ⇒プレイヤーによっては《投げ飛ばし》だけでなく《ティムールの激闘》まで入っていたりする。フルタップする際はちゃんとこの2枚を受け入れるようにしよう。

‣ ほぼ100%の確率で《蜘蛛糸の鎧》がサイドインされる。その為、効果的だと思って入れた”1点を与えるカード”系はかなり消費期限が短かったり、そもそも効かないことが多い。
 ⇒《火の中へ投げ捨てる》はギリギリ置物にも触れるので使えるが、過去に筆者は《火の中へ投げ捨てる》を2枚抱えて負けたことがある。

■ ソウルシスターズ

‣ デッキ名としては他フォーマットでの存在もあり有名だが、パウパーでも一応デッキとして成立している。
魂の管理人》等の同型クリーチャーが12枚ある為、想像より硬いことに注意。

‣ フィニッシャーは型によって異なるが、多くは《天界のユニコーン》《血の研究者》といった”ライフゲインする度に+1/+1カウンターが乗る”クリーチャーを大きくして圧殺していく。
 ⇒最近では《バジリスク門》を搭載して小粒クリーチャーも攻撃に参加できるようにしているものが主流。

‣ 当然だが、リソースゲームに持ち込まれるとライフを得ること以外何もできないので、突くならそこ。
 ⇒ また、特性上裏返しコンボ以外のコンボデッキにも本当に勝てない。

‣ ほぼ全てのクリーチャーがタフネス1,2で構成されている為、全体除去が刺さる。前述したように、リソースゲームに持ち込むことが出来ない為、全体除去を一度食らうと立て直しがほぼ不可能になる。
 ⇒プレイヤーによっては《虹色の断片》を搭載しているため、火力の全体除去に関しては慎重に打とう。

■ ソウルシスターズ(改)

https://tappedout.net/mtg-decks/mono-green-abzan-merfolk-soul-sisters-1/


‣ 上述のソウルシスターズと似たようなデッキだが、《石ころ川の群れ長》をマナクリ等で寝かすことでトークンを量産し、《魂の管理人》でライフを得ながら横並びしていくことが特徴。
 通常のソウルシスターズとは異なり、《暴走の先導》《紆余曲折》を搭載していることにより、リソースゲームがしやすく、かなり粘り強い盤面を作り出すことが出来る。

‣ 《野戦外科医》が想像の100倍強いカード。横並びしきったところに出されると、火力では絶対に干渉できなくなる+コンバットが無敵になる為、盤面以外の要素でしかゲームに勝てなくなる。
 全体除去も特定のクリーチャーを守る為に能力を使用することが出来る為、大きな被害を与えることが出来ない。
 ⇒ 勿論黒の除去には弱い為、《野戦外科医》の為に残しておくことが必須。《野戦外科医》を除去してから全体除去を打とう。

 ⇒ 加えて、《古参兵の武具師》も非常に強力。最も効果的である《息詰まる噴煙》等の全体マイナス修正が効かなくなる。《息詰まる噴煙》で盤面を流すことを目標とするならば、真っ先に除去を切ろう。

■ バントブリンク

‣ 古くは《儚い存在》の収録時から存在していたアーキタイプ。序盤から《とぐろ巻きの巫女》や《海門の神官》といった強力なETB持ちクリーチャーをブリンクしていき、次々に獲得するアドバンテージによって相手を圧殺するデッキ。
 最近では《復讐する狩人》や《ゴライアスのパラディン》を搭載し、イニシアチブによって速やかにゲームを終わらせることをプランに取り入れた型も存在する。《東屋のエルフ》によってブーストするようなタイプは全くの別デッキ。

‣ 《古術師》+《儚い存在》に《時間の泉》が加わるとドローするカードもロックされる。そこから勝利することがほぼ不可能な為、ちゃんと投了することも大切。
 ⇒ というより、バントブリンクとの試合は必然的に長くなる為、投了するタイミングを間違えるとお互いにとって損になる場合が多い。間違っても自分が最後まで殴りきられるところを見届けないようにしよう

‣ 除去がほとんど搭載されていないデッキであることを知っておくことは重要。メインは入って《断絶》《時間の泉》で、サイドから《今わの際》《邪悪を打ち砕く》程度。
 ⇒ 故に、ファッティでゴリ押すのは真っ当な攻め方。対ファミリアとの戦い方よろしく、とっとと殴って勝ってしまおう。
 関連して、使いたくないタイミングで《儚い存在》を使わせることは非常に重要なプランニング。《熟考漂い》や《波ふるい》に能動的に使われてアドバンテージを稼がれるよりも、コンバットで相手の選択肢を狭めたり、除去の当て方を工夫して《儚い存在》を引き出そう。

■ 5/5 Storm

saidin.rakenが開発したストームデッキ。高速でデッキを掘り進めて《トレイリアの恐怖》と《グルマグのアンコウ》を展開し、《苦々しい再会》で速攻を付与して殴ることが目的。最近ではこのリストに《Name Sticker Goblin》が搭載されているものが主流。そのため、上記のリストよりも速度感は増している。
 《流れ込む知識》を搭載した、アドバンテージを確実に確保して5/5を展開する型も存在する。

‣ とにかく青マナが出ないので、《魔力変》や《命取りの論争》はカウンターできるならカウンターした方が良いことがある。《彩色の星》は《命取りの論争》の種にすることが多い為無視してよい。
 ⇒ 青マナの数だけ《トレイリアの恐怖》が出てくる為、《魔力変》で青を2つ出した時は覚悟しよう。

‣ 当然だが、墓地対策が非常に有効。しかし、想像よりもかなり早いスピードで走り始める為《大祖始の遺産》を起動する1マナをちゃんと確保しながら動こう。
 ⇒ 過去に《大祖始の遺産》の上から2ターン目に5/5を3体並べて《苦々しい再会》から走り切ったことがあるので、本当に注意した方が良いことがある。

■ Pinger Burn

‣ saidin.rakenシリーズその2。《火付け射手》や《ケッシグの炎吹き》といった、”スペルを与えると1点のダメージを与える”Pingクリーチャーに《二人組の見張り番》や《蛇の陰影》といった、”ダメージを与えると1枚カードを引く”パーマネントと組み合わせ、ドローとスペルのキャストを繰り返して勝利を目指すデッキ。

 ‣ 序盤は《夜の囁き》や《命取りの論争》でリソースを着実に伸ばし、手札にPingerとドローパーマネントが揃ったら走り始める。基本的にPingクリーチャーを先に戦場に出すので、《蛇の陰影》のスタックや、《二人組の見張り番》の結魂スタックに除去することを心がけよう。
 ⇒結魂は対象を選ばない為、2体以上のPingクリーチャーがいる場合は片方を除去しても意味がない。その場合は《二人組の見張り番》本体を除去しよう。

‣ コンボの特性上、手札に土地が溜まったりして突然止まったりするので、ちゃんと最後までライフが削られるかを見届けるべき。

‣ サイドボードを見ればすぐ理解されるように、青いデッキ相手は相当な苦戦を強いられるデッキ。もし青いデッキでこのデッキと相対した場合は、特にアクションを起こさず構え続けていると自然に有利になっていくので意識してみよう。

■ ドラゴン探査


‣ 数々の呪文で山札を切削し、《ドラゴンの息》や《ドラゴンの牙》等のドラゴン・エンチャントを落としてファッティを唱えまくるデッキ。

‣ 持久戦に滅法強く、上からファッティを引くだけでドラゴン・エンチャントの恩恵により戦い続けることが出来る。
 ⇒ 《骨までの齧りつき》もそれを後押しする存在。赤単相手は必勝レベルのライフ水準の高さを与えている。

‣ リアニメイトに重きを置いた、《ウラモグの破壊者》を《信仰無き物あさり》等で捨ててから《死体発掘》で《ドラゴンの息》を付ける型も存在する。リアニメイト型は初手の要求値が非常に高く、継戦能力もさほど高くはない。

‣ 最早言うまでもないが、墓地対策が強烈に刺さる。しかし数々の切削呪文で《古えの遺恨》が墓地に落ちる為、サクっと墓地対策を処理されることのほうが多い。とはいえ、それまでの墓地はちゃんと処理できる為積極的に唱えていきたい。
 ⇒ 墓地に存在することで真価を発揮するタイプのカードが多い為、除去を打ち切ってから墓地対策を使用するとより効果的。

■ 現実の酸

‣ 《現実の酸》を相手のパーマネントに張り付け、《コーの空漁師》や《夢で忍び寄るもの》で《現実の酸》を回収し破壊することで相手をコントロールしていくコントロールデッキ。めちゃくちゃ古くからパウパーに存在する元祖コントロールデッキとも言える。

‣ 《現実の酸》本体がめちゃくちゃ重く、あまり積極的に貼ることはない。他のパーマネントでアドバンテージを稼ぎ、そこで得たアドバンテージを還元して《現実の酸》の行動に費やしていくことがメインとなる。
 ⇒シンプルな飛行生物によるビートダウンが強力であることは注意。除去も《儚い存在》で避けられる上、反復した《儚い存在》の対象が《コーの空漁師》しかいなくとも、《広がりゆく海》や《孤独な宣教師》といったETB持ちパーマネントを回収してアドバンテージを得ることが出来る。

‣ 《海の神のお告げ》や《太陽の神のお告げ》でアドバンテージを稼ぐ型の方が多いかもしれないが、個人的には《広がりゆく海》で相手に干渉した方がデッキの性質上強いと思っている(主観100%)。

‣ 小テクがあるデッキでもある。
たとえば、《コーの空漁師》や《夢で忍び寄るもの》がいる状態で《未達への旅》を唱え、《未達への旅》で相手のクリーチャーを対象として追放するスタックで優先権を渡さずに《コーの空漁師》系を《儚い存在》等でブリンクして《未達への旅》を戻すと、《未達への旅》の離れた時の効果が先に解決してから追放のスタックが解決される為、確定追放除去として機能させることができる。
 ⇒このコンボと《現実の酸》とのシナジーを込みで、《運命のちらつき》を採用するリストも存在する。《運命のちらつき》の場合は《未達への旅》をリキャストする手間無くそのまま1体をテキスト通り追放することができる。

‣ 上記のような小テクで盤面を取れる上に《現実の酸》で全てのパーマネントを触れるとはいえ、それぞれのアクションは4~5マナを必要としてしまうので、とにかく動き出しが遅い。そして除去をするにも手間がかかる為とてもスローなゲーム展開に持ち込まなければならない。
 ⇒ スピーディーな展開についていけないデッキ構成となっている為、とっとと殴るのが一番早い。


● おわりに


 ちょっと見かけるかもしれない?くらいのデッキは大体網羅できたように思います。とっても疲れました!!!!!!

 知らないデッキはまだまだ色々ありますし、今後も増えていくと思いますので、適宜更新しつつやっていこうと思います。
前回同様、「これもそうちゃう?」等のツッコミは大歓迎ですので、どしどしお待ちしております。

 最後になりますが…前回のコンボデッキのしかじかも含め、「勉強になったから小銭をくれてやる」「これで飯を食え」という方向けに以下に募金箱を設定することにしました。
今後の励みになりますので、是非お願い致します!

それではまた次の記事で~

※この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.※

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