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5月、総移動距離、約1000キロ。

それでも回れた高校は8校程度。
島根は(島根も)広いぞ・・・。

でも、ずっと海岸線を眺める景色が多くて、とても癒される。海が好きなんだなぁ。

そんなことを思いながら回った県内の高校は下記。

・松江東高校
・平田高校
・大田高校
・江津高校
・益田高校
・浜田高校
・島根中央高校
・矢上高校

月並みだけど、やっぱり現場は良いなって思う。

学校の空気感。

前は慣れない環境に戸惑ってもいたけれど、いまは何だか居心地が良い。無意識に、だいぶ「学校の中」に染まった身体になっている。

「魅力化とはいったい何だろう?」

そんな問いを持ちながら、現場に足を運び始めた5月。

高校は、来年度から新しい学習指導要領に変わる。

それ以外にも、スクールミッション・ポリシーの策定や、高校と地域とのコンソーシアムの構築など、相変わらずやることはたくさん。

それでも島根県は、そんな変化をうまく乗りこなしていくために、2年前から、県内の普通科高校に主幹教諭を配置し始めている。

段階的に配置を始めた主幹教諭の人数は、今年度で18人(18校)になった。

いわゆる「企画開発部」のような、学校の学びを横断的につなげていく分掌の主任を兼務している先生も多く、要は「高校魅力化」の要となる先生たち。

今回の訪問は、そんな主幹の先生たちの声に耳を傾けることを目的とした。



…って言っても、1時間そこらでわかることもたかが知れているし、生徒の顔もあまりはっきりは見えてこない。(そりゃあ、校長室にいるのだから仕方ないのだけど)

うーん、県教委の役割とは結局いったい何なのだろう・・・。

とか、思いを馳せてしまうわけだけど、大田高校に行ったとき、主幹の先生が言っていた言葉が印象的だった。

「ここに初めて赴任したのですが、周りの先生がとても協力的で助けられているんです。」

島根県に限らず、全国の色々な高校で、主幹教諭のような役割を担う先生の話を聞くと、「校内の先生たちの意識を合わせていくことが課題。」とか、「まだ校内がチームになり切れていない。」とか、どちらかと言うと、校内の体制づくりに苦慮する先生の声が多かった。

そんな中、開口一番、「周りに助けられている」と言っている先生の言葉が印象的だった。

何だか気になって、昨年度まで大田高校でコーディネーターを担っていたもりまほ森下 真穂に連絡をしてみた。

オンラインであれやこれやと色んなことを聞かせてもらって、当たり前だけど、裏側にはたくさんの苦労や努力もあったことも知れて、より、大田高校という存在の理解を深めることができた。
(もりまほ、そして、田中 魁人君、時間取ってくれてありがとね!)  

その中で聞いた話。

大田高校では、月1の職員会議を1つのリズムとして、その職員会議後に、校内勉強会を精力的に実施しているそうだ。

事の始まりは4年ほど前に、もりまほが仕込んだ校内勉強会からスタートしているらしいのだけど、それを面白がった先生たちにバトンが繋がり、「学ぶ」ということが、学校の文化として定着した。

もちろん、忙しい時間の合間を縫って、という感じではあるのだろうけれど、子どもたちが学ぶのと同じように、先生たちも学び続けることを通して、校内で上昇志向が育まれている。

そんな文化の一つの片りんが、「周りに助けられている」という言葉に繋がっているようにも思った。



異動が当たり前のようにあって、人がどんどん入れ替わっていく公立高校の組織の中で、「文化」をつくることは並大抵のことではないと思う。

でもやっぱり、文化に勝るものはなくて、それが隠れたカリキュラムとして、生徒の学びにも大きな影響を与えていることは間違いない。

違う言葉で言い換えれば、「学びの土壌」。

つまるところ、これをどう耕していけばいいのか?が、生徒の学びの質に直結していくようにも感じる。

でも、きっと、何となくそのヒントは見え始めている気もしていて、そのキーとなるものが、島根で言えばグランドデザインであり、全国で言えば、スクールミッション・ポリシーなのだと思う。

ただそれは、表向きな学校のお化粧の話ではなく、その学校や地域に、深く深く根差したものでなければ、土壌を耕し、文化をつくるものにはなり得ない。

では、どうしたらいいのか?

もりまほ曰く、大田高校のグランドデザインを考えるとき、高校や地域の「歴史」を参照したそうだ。

ルーツに根差したもの。
未来を見るためにも、後ろをしっかり見てみる感覚。



6月も、現場に耳を傾けてみようと思っている。だけど、焦点は、あえて、未来ではなく、過去に当ててみようかなと思っている。

もちろん、目の前の未来に向けた動きもしていくのだけど、少なくとも、島根に来たばかりのいまの自分にとって、圧倒的に過去の変遷の景色が足りていない。

ここにリーチせずして、未来を語っていくことは、地図なき航海のよう。

とも思いながら、心に触れる景色や言葉を、もっともっと集めていきたいと思う。じっくりと、焦らずに。

そうそう、益田に行った時に、念願のユタラボにも行くことができました。

流れる空気感が、らしいな、と思いながら、それぞれの頑張りに勇気をもらって、また明日への糧に変わる。

ユタラボ行ったのに結局まだけん君には会えていないのだけど、笑、きっと近いうちに会えるでしょう。

日々是好日!

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