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2022年度の振り返り

はじめに

多くの方は年末に振り返りをされるかなと思うのですが、研究成果の報告などは年度末にあるため、私は年度末に振り返りをするようにしています。
今日は2022年度の主要な研究成果と来年度の目標を書いていきたいと思います。(写真はギャラリーでリフレクションと入力したら出てきました。なるほど)

2020年度の研究成果(論文のみ)

今年度はゲーム学習に関して1本、ライティング教育に関して2本で計3本の論文が査読付論文として採録されました。ライティング研究はすべて同僚(元同僚)との研究で、着任してから徐々に成果が出てきているのが嬉しいですね。

福山佑樹, 標葉靖子, 木村充 (2022) 科学技術と社会に関するゲーム教材 “nocobon online”の実践と評価. デジタルゲーム学研究.  15巻1号 pp.13-21.

三井規裕, 時任隼平, 福山佑樹, 西口啓太,野瀬由季子 (2022) オンラインライティング科目を受講した学生の文章作成に対する不安軽減に関する調査.  日本教育工学会論文誌 46巻4号  pp.695-704.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/46/4/46_46019/_article/-char/ja/

野瀬由季子, 西口啓太, 福山佑樹, 三井規裕 (2022)  初年次生のライティングにおける意識と執筆された文章との対応関係に関する考察. 日本教育工学会論文誌 46巻増刊号 pp.201-204.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/46/Suppl./46_S46101/_article/-char/ja

nocobonオンラインの研究は、アナログゲームだった科学技術と社会に関するカードゲーム教材“nocobon”をZoomで実践できるようにオンライン化して教育効果を検証した論文です。

またライティング教育関係では、「オンラインで開講されたライティングに関する授業が学生の文章執筆に関する不安をどのように軽減させているのか」や「学生はアカデミックライティングのルールを入学前にどのくらい認識しており、それを実際の文章に反映できているのか」という2つの研究が論文化されました。

個人的に後者の研究は結構好きで、「初年次学生は『根拠を持たなければいけない』というようなライティングのルールを何も教えられなくても、実は大まかには知っている。しかし、実際にそのルールを反映させながら文章を書いてみてというとほとんど書けない。」ということが分かりました。

これは、タキソノミー的に記憶・理解と応用・実践のレベルの差なのかもしれませんし、高校レベルと大学レベルの差異なのかもしれません。今後の研究でもう少し明らかにしていきたいですね。

2023年度の目標

実は現在論文を3本ファーストで投稿中(or投稿準備中)で、そちらの採録を目指すのが一番なのですが、2023年度の研究の目標はいくつかあります。

1.歴史の探究方法を学ぶ謎解きゲーム教材の論文化
かなり以前から「歴史の探究方法を学ぶ謎解きゲーム教材」の開発を千葉大大学院の明石萌子さん、木口恵理子さんと進めているのですが、コロナで実践が出来ず数年延び延びになっていました。今年度こそは対面での実践が出来る予定ですので、論文化して一旦締めたいなと思っています。

2.ゲーミフィケーション関係の共同研究
ありがたいことに来年度から江木先生@電気通信大学と瀬戸崎先生@長崎大学の2つの科研費基盤Bの研究に分担者として加えていただいており、そのどちらもシステムや教材にゲーミフィケーションの要素を導入するというお役目を期待されています。

これまでも何度か同様の役割を期待して分担者に入れていただいたことがあったのですが、残念ながら採択に至らずひそかに「ゲーミフィケーション」と申請書類に書かない方が良いのでは?と思っていた時期もありましたので、とても嬉しいですね。

3.新しいライティング教育研究の実施
残念ながら全く未発表かつご時世的にみんなやりそうなテーマですので詳細は書けないのですが、新しいライティング教育研究も進めています。こちらは春から実践を始めて、秋には学会発表できればと思っていますので、その頃にご報告したいと思います。

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