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赤子のウケをとりたい

月齢4ヶ月になるわが子、よく笑う。

生まれたてを思い返すと喜怒哀楽で入ってたのは「怒」「哀」のみだった。「号泣」「ブチギレ」あと「真顔」。要は生存最低限セット。

人間、怒ったり悲しんだりしかしない相手とずっと接するのはなかなかしんどいものだ。

赤子は非常に手がかかるうえに離れられないからなおさら。だが、尋常じゃなくメチャクチャかわいいという特殊性と親としての責任感でなんとかやってきた。
そんな活動の中で生み出された、「もはや子は存在するだけで愛、尊い」という極限に低く設定された愛ハードル。

そんな日々だったが、いつからか私の顔を発見するととろけるような笑顔を浮かべたり、話しかけると声をあげて笑うようになってきた。

最低設定の愛ハードルにそんなポジティブな反応が供給されるとどうなるか?ハードルを日々軽々とブチ越え、それはもう愛がブーストされている。


ていうか…

この満面の笑顔…

明らかに私のことすごい好きじゃん…


人間はチョロいので、自分のこと好きな人のこと好きになる。もともとこちら側が大好きなのでなおさらだ。
両想いが判明したときの脳内麻薬、ドーパミンのでかたがすごいのは経験したことがある人も多いと思う。

しかも「えっわたしのこと好きなの?」じゃなくて「エッエッ完全に好きじゃーーーーん!」なのでとろけるような快楽がすごい。


ああ…

もっと…

もっと…

もっと好きっていってくれーーー!!!

それがたとえ、あなたのただの生存戦略なんだとしても!!!かまわない!!!!!


両想いの快楽に逆らえない。あらがえない。
もっと笑ってほしい。なんとか赤子からもっとウケをとりたい。
そういう私利私欲もあり赤子の笑いのツボを考えている。


この時期の赤子のツボは基本「五感って、たーのしーーー!!!」だ。

生まれたては動けずほぼ目も見えず。
つまりすごーく限られた五感しか感じ取れないんだけど、成長とともに日々感度があがっていく。

なので、「見える!聴こえる!触れる!」が全部新感覚でメチャ新鮮で圧倒的エンタメなのだ。

視覚的には一番最初に見分けられるようになる色は赤らしい。そして、たとえイラストであっても三次元であっても顔っぽいものはかなり初期から認識できるらしく明らかに注目するし、笑顔だと真似して笑顔になる。

こう思うといかにアンパンマンが完璧な設計なのかわかる。まだこの月齢だとさすがに反応しないが、幼児には悪魔的な魅力があるんだろう。

聴覚。大人が赤子に接する時に3オクターブくらい高い声になっちゃうアレ、自分がやったらサムイのでは??と思ってたが、赤子の耳的には高い声のほうが心地よいらしく理にかなってるようだ。
あとはシャカシャカとかクシャクシャとかそういう音もかなり反応する。

触覚を使うことでもブチ上がる。徐々に自分に手足があることに気づいていく(!)ので、手足を握って動かしてあげて、可動域をおしえたりするだけで「えっここまで動くんか!!」で、ウケる。
頭の上とか自分で触れないので触ってあげると「こんな感覚もあったんかー!!」となってウッキャーとエンジョイしている。
(「ふれあい遊び」でYouTube検索すると捗ります)

こういった前提のもと、五感のいくつかを刺激してあげるようにすると楽しくなって笑えてくるようだ。

そんなこんなで、なんとなく赤子のツボを理解しつつある。

思い返せば子がいなかったころは子どものあつかいが下手というかナチュラルに接することができなかった。
「雰囲気で接してるけど、わたし、スベってるんじゃ…」という怯えと元来の人見知りがあいまってた。

今となっては真のスベりも知った。

腹ヘリ、眠い、寒い、人肌恋しいなど「なんか不快」の閾値を超えてるともうなにしてもスベる。高い声と笑顔で全力でぶつかっても「スン」…。無情

堂々とウケをとりにいき、そして堂々とスベる。子と「エッヘッヘッヘッ」何回も何回も何回も笑い合い、そして何回も何回も何回もスベリ倒す。そうして心が強くなる。スベリ、コワクナイ

こういう経験が「子どもの扱いがうまい」になるんだろう。

そんなわけで、子どもいない人も自信持って赤子には高い声と笑顔で接してほしい。ちゃんとツボだから。

私はここまで考えてやっと赤子とある程度遊べるようになったので、ナチュラルボーンでうまいこと接せる人はやはり人付き合いの天才だなと改めて思っている。

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