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もし一度だけ国籍を変えられるとしたら・・・

晩ご飯の時、小5の娘が突然こう言った。

「ママ、もし1回だけ国籍を変えられるとしたら、どうする?」

どうするって・・・?

「えー?別にそんなこと考えたことないけど?
 ママは日本と中国以外の国は知らないし、
 中国のこともよく分からないし中国語もあんまりやから、
 やっぱり日本人のままでええわ。」

と言うと、娘、やや失望した様子。

「じゃあ、あなたは中国国籍と日本国籍選べるとしたら、
 どっちを選びたいの?」

と聞くと、

「ぜ~~~~~ったい中国!!!」

と激しい答えが返ってきた。
上の息子に比べ、娘のほうが中国への染まり度合いが高いと
感じていたが、これほどまでに言い切るとは正直思わなかった。

理由を聞いてみると、

「中国はコロナをちゃんとコントロールできてるでしょ。
 すごいから」

そこかぁ。

でもそこまで激しい言い方をするのは
ほかに何か理由があるんじゃないかと思ったら、
やっぱりあった。

小学校(中国現地校です)の道徳の時間で、
中日間の歴史について

「日本はちょっと借りる、みたいな言い方で中国に入ってきて
 そのまま約束を反故にして居座った」

みたいなことを習ったらしい。

「日本は・・・、日本は・・・、かわいくてずるがしこいキツネみたい」

と娘。
「かわいくて」とつけたところは、
母への配慮なのか、自分自身の心の揺れなのか。

「そしたら、そういう話を習うときは、
 クラスで居心地が悪いんじゃない?」

「うん、悪い」

「お友達に何か言われたりしないの?」

「それはない。わたしうまくやれてるから。」
「ちょっと言われたこともあったけど、やり返した」

思わず、

「それは誰?」「何言われたの?」

と聞くと、娘、

「ママには言いたくない」

と口を閉ざした。

中国人の父と、日本人の母を持つ娘。
中国で生まれ育ち、日本は時々行く国。

その昔、シルバニアファミリーのミニブックに書かれた
森の奥に素敵な国があるというお話を聞いて、

「おかしいよ、だって日本が一番素敵な国でしょ?」

なんて言っていたのに、
今はそう思わなくなったのかと聞くと、

「わたし成長して色々分かるようになったから!」

との答え。
もっと成長したら、もっと色んなことが分かるようになって
また考えが変わるかもね!?
成長過程ってこういうことをいうんだな。
言うことがコロコロ変わるのだが、
娘にしたらいつも真剣そのもの。

親はつい親の考えを押し付けたくなるし、
日本を悪く言われると、つい日本をかばいたくなったり、
中国だって悪いとこいっぱいあるじゃん!
とか言いたくなったりするのだが、
日中ミックスの娘の前で、
中国を悪く言うのは控えるようにしている。

それにしても、国籍のことなんて考えるようになったんだな。
事実上二重国籍の娘は、大人になったら
どちらかの国籍を選択することになる。

親としての思いはいろいろあるが、
娘が成長し、より広い視野を持ち、
自分なりの考えを持って社会でしっかりと生きて行ってくれれば
それでよし、と思うことにしている。


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