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【NFL】出張先の仕事場の床がバナナの皮で覆われていたら悲しいですよね?

スケートリンク・アット・サウパウルー

2024 年の NFL 観戦記の時間がやってまいりました。
今年も開幕試合からいきなりカスみたいなオフィシエイティングを見て気分はさらに下がっていたが、ぶつぶつ言いながらこっちの試合も観てしまった。まぁ義理みたいなものだ。これがシーズンの終わりごろまで、続けば続くだろう。
どうでもいいけど筋金入りの反米右翼ですら観ているんだから、NFL の魅力はやはり大したものだな。

スコアはこれだ。

São Paulo (\sow-POW-loo\) での試合はもちろん、アメリカ大陸の南側で NFL の試合が行われるのも今回が初めてとのこと。試合場となった Arena Corinthians はもちろんいずれのホームでもなく、条件は互角だ。ちなみに NFL と比較すると収容人数の少ない球場で、最少のソルジャー・フィールド (Soldier Field) よりも 14,000 席くらい少ないらしい。

グリーンベイ (Green Bay Packers) はコイントスに勝って先にボールを選択。基本的には後半開始のところでボールをもらうほうが得だが、近年のグリーンベイはこっちを選ぶ場合が多い。オフェンスの人員の中に僕のような記憶がすぐ飛ぶ人間がまぎれているのかもしれない。このタイプは少し時間が経つと重要な要件でもたちまち忘れる特性があるので、練習してきたオープニングをつつがなく披露させたければボールを選択することだ。知らんけど。

この記念すべき 2024 年シーズン最初の――そしてたぶんもう忘れ去られた――ドライヴは自陣 35 ヤード地点から始まり、まずまず進んでいった。だがそれはほぼパスによるもので、ラッシュはからっきしだ。新しくパッカーとなったジェイコブス (Joshua Cordell JACOBS; #8 HB) は何度かボールを持って正面からの突進を試みたが、オフェンスラインが用意した空間はネコかヘビでないと通りそうにない狭さだった。

グリーンベイはしかたなく Q2 の途中から左右へ勢いよく振るルートでのラッシュに方針を転換して、フィラデルフィア (Philadelphia Eagles) のラインとの正面衝突を回避した。ちょっと "お手上げ" だったのかもしれない。とはいえこの判断によって、最初の 8 回で 12 ヤードしか出なかったラッシュは試合後半で劇的に改善した。試合中に素早く対応ができたのは引き出しの多さの証明といえ、非常に良かった。

ディフェンスのほうも脚力のあるハーツ (Jalen Alexander HURTS; #1 QB) のためにかなり用意してきたとみえ、ポケットからほとんど走らせない。ついでにコーナーまで封じられれば試合は完勝していただろうが、まあ開幕週から何もかも求めるのもせんないことだろう。

そもそも走れなかった理由はそれだけではなく、球場に起因したかもしれない。ズルズルズルズル、本当に全員が足元を滑らせまくった。選手どころかオフィシャルまで滑って負傷したのだから並大抵ではない。
海外のフットボール用でない球場で試合が行われた際には結果にかかわらず非常にしばしばいわれる言葉であって、もう定番なのでわざわざ避けなくてもいいだろう……はい、ご一緒に。「二度とこんなとこ来るか!」

3 日か 4 日かかけて整備してくれた現地のスタッフには本当に悪いけど、雪の上で試合をしたってなかなかあんなに滑らない。人工芝と天然芝の混合だといっていたが、どこの DIY ストアで安売りしていたのかだけは知りたいものだ。

イーグルスのオフェンスがいまいち機能しなかったのはたくさん滑ったおかげもあるが、それは一方だけに都合よく働くということはなく、とくに最後のイーグルスのドライヴが 3rd & 12 となるべきところをファーストダウンにして試合を傾けたホールディング (holding) のコールを生じさせたのは最悪にいただけなかった。このプレイは二者ともに滑っているだけで、反則といえるようなものはなかったように見える。

最後のプレイもドロップバックしたマリーク・ウィリス (Malik Antonio WILLIS; #2 QB) の足が滑って投げることができず、さえない終わり方になった。もう 10 年はここで試合することはないだろうが、もしラヴ (Jordan Alexander LOVE; #10 QB) の怪我が深刻なものであると判明したらその期間は 30 年に伸びるだろう。アデュースさよなら、ブラジル。

ところで 1 週目だからというのもあるだろうけど、ベンチの挙動も……うーん、まあいいかそのへんは。その他はまだ些末すぎることだ。いろんな意味でな。


追記

その後の幾度かの検査によってラヴについては MCL、膝の内側側副ないそくそくふく靱帯じんたい捻挫であると発表された。外からは今季終了の動きに見えたので、最悪の事態はまぬかれたわけである。

なおマイヤーズ (Joshua David MYERS; #71 C) も同じプレイでフィールドから退いたが、こちらは脚がっただけで大したものではないらしい。一安心だ。


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