見出し画像

アスリートのメンタル維持パワーに関する又聞きの立ち聞き

これは又聞きの立ち聞きということで、ホントかどうか何の保証もないので話半分の半分にはなるんですけど、すこし面白い内容だったので書いておきたいと思います。

そいつは僕とは関わり合いのない人物なので、まあ名前を……「対応塩太郎たいおう しおたろう(仮)」としておきましょう。他意はありません。内輪ではちょっと知られているアスリート(らしい)ですが、業界の外で彼の名前を知っているのは隣の部屋の住人くらいでしょう。

塩太郎はかなりストイックに競技に打ち込むタイプで、プレイをうまく進められても思ったとおりにいかなくても、態度や表情に出さないそうです。とはいえ人間、もちろん失敗するときは失敗します。一般に、人間はなんらかの失敗すると気分が下がり、気分が下がるとすぐやってくる次のプレイに影響が出ます。ですからそうならないよう、失敗したところで素早く気持ちを切り替えなければなりません。
こういうとき、どうすればよいでしょうか。

興味深いのはその対処方法で、とりあえず目的としては「忘れる」ようにしたいらしいのです。しかし、実際に「忘れよう忘れよう」と念じて忘れられるでしょうか。どっちかというと、かえって忘れられなくなりそうですよね。

そこで塩太郎は、「忘れよう」と思うかわりに「失敗に理屈をつける」のだといいます。なんらかの理由があって失敗したのなら、次はそれに気をつければよい。だから失敗した理由を説明して自分の気持ちの中で処理するのだと。

そしてこの「理屈」はなんでもよく、「一歩目の踏み出しが甘かった」とか「始まる瞬間に光が目に入った」といった具体的なものはもちろん、「セットしたとき身体の角度が開き気味だった」のような、事実かどうかよくわからないものでも問題ないようです。とにかく必要なのは、失敗の理由がわからないまま次のプレイまで引きずっていくのを避けることだと。
そのためならば自分に嘘をつくのもいとわないし、それが合理的だというわけです。これはいわば、自己暗示の一種なのかもしれません。何事も上級者はいろいろな技を持っているのだなと驚かされた瞬間でした。

というわけで僕も、次に相手を蹴ったり殴ったりして反則を取られたりしたときには「審判が悪い」と理屈をつけて切り替えていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?