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失くしたと思ってたお気に入りのおもちゃが出てきた!

今週の 2 試合目の振り返りだ。日曜の昼に試合をして、木曜の昼に試合。ふつうなら木曜だとしても夜にやるはずだから、現行のシステムではほぼ最短のインターバルだろう。考えるだけでもしんどいね。
しかしなか 3 日でもできるんだから、ロースター枠が歴史的に拡大され続けている以上、いずれは月に 7 試合くらい平気でやるようになったりするのかな。それはさすがに死人が出るか……ま、でも人の命よりカネの NFL だから、何をしだすかわかったものじゃない。

試合前には、ここまでの戦績とケガ人の名簿の長さの違いを見てみんなライオンズ (Detroit Lions) に乗った――そりゃそうだろう。もちろん僕もだ。「観るまでもないんじゃないのか」などと心ない声まで聞こえる(自分の心の声だ)。
しかし、あまりにもみんなが乗るから過積載だっただろうか? 試合が始まると、車はいきなり蛇行を始めた。

スコアはこれだ。

パッカーズ (Green Bay Packers) はコイントスに勝ったにもかかわらず先攻を選択すると、最初のプレイでいきなり特大のパスを入れた。パスそのものは予定の着弾点には少し届かなかったように見えたが、ワトソン (Christian WATSON; #9) はうまいこと飛び上がると空中でキャッチして 53 ヤードを稼いだ。まず捕ったことにびっくりしたが、さらに落ち着くヒマもなく、信じられない隙間からレーザービームが通ってタッチダウンになった。

正直、これだけでも感動ものだ。QB が空いているところに目ざとく投げ、レシーバーたちが難解なボールであってもしっかりと捕り、しかも捕ってからさらに進む……殿堂に名が刻まれるワイドアウトであるアダムス (DaVante Lavell ADAMS; #17) がチームを去って以来、グリーン・ベイではほとんど失われていた美しい光景が、突如として現出した。
なんというか、まるで……失くしたと思っていたお気に入りのぬいぐるみが押し入れからひょっこり出てきたような嬉しさだ(ぬいぐるみが好きではない人は本の間に思わぬ高額紙幣が挟まっているのを発見する自分を想像してほしい)。

もっとも、タッチダウンに関してはいくらなんでもこんなレシーバーの背中を通すようなデザインはしないだろうから、ワトソンがコールを勘違いして変なルートを走っているような気はする。……でも、まあ、それはそれ、あれはあれだ。この次のドライヴの活躍だって素晴らしかった。

もちろん、すべてが急激に良くなるわけではない。
外側にセットしたライオンズの RB ギブズ (Jahmyr GIBBS; #26) に LB のウォーカー (JaQuavian Jy'Quese WALKER; #7) がついてみたりするのはいつもの挨拶めいたお笑いで、14 点差となっていた Q2 最初のプレイでは、4th & 1 からハンドオフしようとしたら QB と RB が左右を違えて正面衝突するという珍プレイを炸裂させた。もしここでタッチダウンまでいけば試合はほぼ一気の決着を見たはずで、なんというか、その……(リプレイを再生する)……ハハハ! ダメだ、何回見てもこれは笑う。

笑うなといわれても無理だ

ほかにもミスはあったものの普段に比べればはるかに少なかったし、それ以上にライオンズが繰り返した事故のほうが巨大だった。3 回ファンブルしてすべて失ってはさすがにいかんともしがたい。
もちろん、それも守備の奮闘あってのことだ。昨年はここフォード・フィールド (Ford Field) でゲイリー (Rashan Abdul GARY; #52) のシーズンをケガで終わらせてしまい、優秀なパスラッシャーを失ったグリーン・ベイの守備陣はそれ以降きわめて窮した。今回は同じ場所で 3 サック (sack) と 2 ファンブルを記録し、借りを返した恰好になった。

前半の爆発に対して後半の得点はワトソンのタッチダウンのみにとどまった。ただ、勝利にはこれで十分に足りた。
このタッチダウンパスは明らかにオープンになる前にエンドゾーンに向けて投げられており、ワトソンの速さと高さを頼みにした一投だ。グリーン・ベイはこれを捕ってくれるのを期待して彼を指名したはずであり、ファンもずっと待ち焦がれていたものだ。それが見られたのもファンとしてはまた嬉しい場面だった。もっとも、本人はあまり得意でないようだけれども。

いずれにしても、モータウンで奇跡は再び起きた。プレイオフの芽が生えたとはいえないが、いちおうまだ数字上はある。少なくとも、この快勝がたまたまだったのかそうでもなかったのかを確かめるために、もういくらか試合を観る必要はありそうだ。


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