生態系

なぜnoteを書くのか:生態系のなかで、他者の目を通して「自分」を再構成する

noteのアカウントを開設して1ヶ月が経ちました。試しにやってみるかという感覚でしたが、意外と自分の習慣に馴染んできて、サービスとしてとても気に入っています!

研究メモを共有しているワークショップデザイン・ファシリテーションに関するマガジンや、問いのデザイン論に関するマガジンもご好評いただき、研究や執筆を継続するモチベーションにもなっています。

noteが書きたくなるワークショップ

しかしながら、まだまだnoteの勘所が掴みきれていないところもあるため、先輩ユーザーである臼井さんに相談して、ミミクリデザインのオフィスにて「noteが書きたくなるワークショップ」を開催していただきました!

改めてnoteというメディアの特性から確認し、読まれやすい記事の分量や形式、人気を得ている記事の傾向、まとめ記事ピッカーによるテーマ別の盛り上がり、noteに限らない文章構成術など、非常にためになる内容でした。

"下書き"を晒すような実験的思考でも全然OKであることや、大事なことはnoteの記事を通してインターネットに貢献することだ」というのはなかなか刺さりました。休日なので、生後5ヶ月の娘も参戦。

講義のあとは、3人1組になり、臼井さんお得意の「3ピースダイアローグ」を使って一人一人の「noteを書く目的」と実際に「書きたいネタ」を掘り起こし、3人の相互作用を通して「noteにこれから書いていくこと」を再構成するワークをやりました。

「書く目的」と「書きたいネタ」の不一致

面白かったのは、僕を含め、何人かのメンバーが「noteを書く目的」「書きたいネタ」の間にちょっとしたずれや矛盾があったことです。

僕であれば、「noteを書く目的」の一つには、ワークショップデザインやファシリテーションだけでなく、それを活用して取り組んで来た「商品開発」「組織開発」「人材育成」「地域活性化」などのそれぞれの課題領域に関するノウハウを発信し、自分自身のリブランディングをしていくという目的が含まれています。ところが、リストアップしてみた「書きたいネタ」に並ぶのは、やっぱりワークショップデザインやファシリテーションの話ばかりだったりするんですね笑。

僕以外にも、運用の目的は未来を向いているけど、書きたいネタは過去の経験がベースになっていることで、ズレが起きている人がいて、面白かったです。noteに限らないですが、ブログメディアおける発信は、過去の自分と未来の自分をつなぐ「結節点」的な意味合いを持つので、そうしたズレが起きるのは当たり前なのかもしれません。noteを書くことが、うまく経験学習のサイクルを加速させる触媒として位置付けられるとよいのかも。

「書きたいネタ」と「読みたいネタ」の不一致

もう一つ面白かったのは、ワークショップの中でお互いのnoteの運用方針を編集し合うワークをしたときに、ほぼ全員「自分が書きたいネタ」として挙げるものと、他の人にとって「読んでみたいネタ」が一致していなかったという点です。

そのズレをもとにしながら、実際に「何をnoteに書いていくのか」をグループで再構成していくわけですが、面白いのが「あなたのこういう経験のほうが読みたいよ」という意見だけでなく「noteだったら、こういう記事の方がいいんじゃない?」「こういう記事を書いたあとに、こういう記事を書いたほうがストーリーがつながるんじゃない?」というフィードバックも織り混ざって、noteというメディア特性が「何を書くのか」に明らかに影響していたんですね。僕自身も、もともと書きたいと思っていたネタが、他のメンバーの視点が入ることで再構成される経験をしました。

noteという生態系で、「自分」を再構成する

ワークショップのあとに振り返ってみて何となく思ったのは、「ああ、noteは"生態系"なんだな」ということです。単に情報をネット空間に"野晒し"的に発信にするのではなく、noteのインターフェースとユーザーが作り出している生態系のようなものがあって、そこに自分も身を置くことによって、"野晒し"だったときとはまた違ったまなざしで自分を捉え直すことができる。

さらにはnoteという生態系では、独特のフィードバックがかかります。「気楽に書いた記事に、思わぬ人から投げ銭がもらえた」「PVは少ない記事なのに、スキがたくさんもらえた」「アカウントはフォローはされていないけど、このマガジンだけフォローしてくれている」などなど。

深津貴之さんが、noteのサービスの設計思想を「都市国家」というアナロジーで解説されていて、最初はあまりピンときていなかったのですが、1ヶ月この都市に住んでみて、なんとなくその意味が少しわかったきがします。

この都市に「新しい住人」として馴染めているかどうかはわからないのですが、情報を発信する複数の拠点のうちの一つとして、しばらく住み続けてみたいと思います。(学会という生態系でも、論文を書かねばという自戒を込めつつ..)

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