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DIE WITH ZERO

ゼロで死ね。
直訳すると少し衝撃的な本書。
本書には生きるためになりが必要であるのかが記されている。
FIREやVUCA時代などと言われる混沌とした現代社会において、人が生きる本質を9つのルールによって記されている。

本書のスタンスは限られた人生の中で、最大限に命を燃やせだ。そして、大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験にお金を使うこと。何を価値と感じるかは人それぞれだが、重要なのは流されて生きるのではなく、自分にとって大切な経験を意図的に選び、そこに惜しみなく金を使うことだと。

一方で、価値ある経験には、ある程度の費用がつきもの。一生記憶に残るような旅、素晴らしいコンサートのチケット、企業と言う夢の追求、新しい趣味、これらの経験にはお金がかかる。しかし、それこそが価値のあるお金の使い方だ。節約ばかりしていると、その時にしかできない経験をするチャンスを失う。本書では、アリとキリギリスの話を例に出し、冬に向けてせっせと働いたアリを賞賛し、ぐうたらで危機を迎えたキリギリスを非難する風潮は誤りだと指摘している。本当の幸せを考えるならアリはもう少し人生を楽しむべきだったし、キリギリスはもう少し働くべきだった。ようはバランスが重要なのだと。

人生はライフエネルギー(時間、体力、活力など)を何に分配していくのか?で決まる。最大限に充実させようと、いきなりポジティブな経験ばっかりをするのは難しい。なぜなら、ポジティブな経験にお金がかかるからだ。現実には金を稼ぐと言うステップを踏まなければならないため、ライフエネルギーのいくらかは仕事に費やし、それによって発生したお金で経験を買う必要がある。

また、経験の中には若い時にこそすべきものもある。旅の経験等は借金してでもすべきことの1つだろう。冒険の経験は、長い人生の中でも、自分を豊かにする「思い出」と言うお金に変えられない価値になるからだ。「思い出」は、株式や不動産投資にはない、記憶という分配をしてくれる。

では、そもそもなぜ経験がこれほど大切と言えるのか。
それは、人生は経験の合計であり、最後に振り返ったときに、この経験の豊かさがどれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる。あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まるのだ。

一般的に本能的な行動は、必ずしも良い結果にはつながらないことが多い。しかし、若いうちで基本的に収入が右肩上がりで考えられるのであれば、積極的に経験に投資しよう。そして、その決断は直感や本能に頼るのではなく、各体験から得られる喜びをポイントで表現することから始め、人生でどのくらいのポイントを手にする事ができるのか、各年齢でどのくらい積み上げられたかを意識すると良い。

お金は墓場には持っていけないし、周りの人に譲るなら早いうちがいい。そして、歳をとることで経験することが難しくなることは思っている以上に多い。自分の人生にどれだけの経験、思い出を残せるのかを意識して今を全力で生きようと。

本を読んで
老後問題やらFIRE、不況でどうしても将来が不安になる昨今だが、自分の人生を振り返った時に語り尽くせないくらいの思い出を残す人生を送りたいと思う。

おしまい。

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