はじめて朗読劇を観に行った話
先日、友人に誘われて朗読劇を観てきた。
はじめて朗読劇なるものを観にいくことになり、結果からいうとめちゃくちゃよかった。
いった朗読劇は朗読パンダさんの「100年越しの初恋 vol.2」
今回は4チームに分かれての公演だったが、チームDを観に行った。
第1話〜第3話まであり時代が異なる3組の男女のお話だった。
まず驚いたのはその近さだ。
劇場に入ると正面に椅子がふたつ置いてあり、客席との距離感の近さに驚いた。
今まで普通の舞台しか見たことがなかったから上がる幕もなく、ポツンと置かれている椅子の存在感と「朗読で表現する」ことへの関係者の気迫を感じた。
●第1話「ノックアウト」
はじまるとまず千歳ゆうさん演じる北条美沙子の表情に引きこまれた。
ただ書いてあることを読むだけじゃない、目の前で朗読してくれているからこそ伝えられる情報全てにグッと心を掴まれて終始目が離せなかった。
ここまで感情の機微が表情で、セリフで、纏う雰囲気で伝わることに驚き、迫力に気圧され、熱に当てられた作品だった。
●第2話「神様みたいな男の子」
杉山麻衣さん演じる春野翔太が純朴な少年で舞台上では男の子にしか見えなくて、キラキラ輝いている瞳が眩しかった。
あさのあつこのバッテリーに出てきた「発光少女」という表現を思い出す。
舞台の光を受けて輝いているのではなく、自らが発光しているかのような、これが「神様みたいな男の子」ということかととても腑に落ちした作品だった。
●第3話「100年越しの初恋」
登場早々ららいさん演じるアスカの天真爛漫で屈託なく笑った姿に一瞬で釘付けになった。
宮本聖矢さん演じる金井圭一もなかなかにクセ強で登場早々観客の笑いをかっさらい一瞬で場の空気を自分のものにしていたのが印象的だった。
アスカと金井の掛け合いもテンポがよくすっと内容が入ってくるのも良かったし、最後、朗読劇なのに二人の目があった瞬間は息をするのも惜しくて、身じろぎ一つもしたくないぐらいあの雰囲気に圧倒されていた。
最後のカーテンコールの時はなぜか涙が止まらず、劇内の感動が遅れてわっと押し寄せたみたいに感情が溢れ出て止まらなかった。
はじめての朗読劇、生の朗読だっただけでなく演者の皆さんの熱を直接肌で感じられて、コロナ禍での開催で中々難しいところもあったようだが見に行けて良かったと思える劇だった。
朗読劇、敷居が高く機会がないとあまり行かないものだと思うが、これを機に休日の選択肢のひとつに入れてみてはいかがだろうか。