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共働き子育て世代と起業がベストマッチな件👪

 現在私は3歳児(イヤイヤ期)を育てる傍ら、ジュエリーブランドとデザインの会社を経営しています。会社と言っても一人社長の小さな会社です。
 この記事で私がお伝えしたいのは、起業という働き方が、意外にも私のような共働き子育て世代にマッチしているよ、ということだ。

そもそも社長になりたいとか思っていなかった 🤷‍♀️


 人生、ピンチがチャンスになる瞬間、逆境が新たな一歩を踏み出すきっかけになるタイミングがある。
 私の場合はそれが出産であり、子育てだった。
 それまで、フリーランスのグラフィックデザイナーとして自由を謳歌し、仕事にもそこそこの経験と自信があった私は、「まぁ、子供が生まれても時間や仕事の量をやりくりして何んとかやっていけるだろう」くらいに思っていた。
 (余談だが、市の母親学級の担当者にすら、フリーランスなら家で赤ちゃんを見ながら仕事ができるね。と言われた。その後、コロナ禍でリモートワークを余儀なくされた子育て世代の人々は、その誤ったイメージを身を持って体感することになる)
 出産後、きちんと保育園を見つけ準備万端な状態で仕事に戻った私は、想定と現実との違いに打ちのめされた。
 子供は驚くほどすぐに熱を出し、打ち合わせ中でも呼び出しをされるし、何日も風邪でお休みをすることになっても、仕事の締め切りはそれを待ってはくれないのだ。
 ある日、印刷会社への本の入稿という大きな締め切りがあり、編集者を含む関係者全員のドラバタに巻き込まれる形で、入稿が遅れる旨を印刷会社の担当者へ連絡しなければならなかった。中年の営業担当者からは”これだから小娘は”というような口調を含む対応を受け、しかし小娘は、自分が一番抜けられないような状況の中でも子供を保育園に迎えに行かなければならなかった。
 急遽通常より保育時間を1時間延長してもらい、それでも終わらない仕事現場を抜け、走ってお迎えに行った先で、保育園の先生から伝えられた言葉は「お母さんが忙しそうなのが子供にも伝わり、寂しそうにしていた」というものだった。
 それで心が折れてしまった。

 以降、私は”締め切り”から開放されるためにデザイン案件の仕事の大半を手放し、デザイン業の傍ら細々とやっていたオリジナルジュエリーブランドの販売に大きく舵をきる形で、事業を法人化し”社長”となったのだ。

「共働き」だからリスクをとれる


 起業とはリスクを取ることだ。いくら一人で始められる規模の小さな事業であったとしても、いつ安定した収入を得れるようになるのかも分からない新たなチャレンジをすることは、そんなに簡単な覚悟ではできない。
 実際独身時代の自分では、10年以上頑張ってきたグラフィックデザイナーの仕事を手放し、新しい不確定な仕事に挑戦するなんてことはとても怖くてできなかっただろう。
 しかし、この決断を迫られた時、幸いにも私には会社員の夫がおり、万が一自分が失敗しても彼の収入がセーフティネットとなりうる状態にあった。
 まだまだ父親の育児参加に理解の少ない典型的な日本企業に、肩身の狭い思いをしながら勤める夫としても、妻が時間に融通をきかせられるようになる事には、大きな利点であった。

時間とリスクの取引き


 共働き子育て世代に何よりも足りないのは「時間」だ。
 そもそも、”両親ともに通勤ありのフルタイム勤務をしながら育児”というのが保育園を利用していても無理ゲーなのだ。
 1日の勤務時間が8時間+休憩1時間+片道1時間、往復で2時間で、残業なしの最低でも11時間となる。
 例えば、推奨睡眠時間が11~14時間の1-2歳児が毎日11時間以上を保育園で過ごすというのはあまり現実的ではない。
 育児に祖父母の協力を得れれば理想的だが、人生100年時代を生きる現代の祖父母世代もまた、元気に仕事をしていたりするのだ。
 そこで、多くの共働き世帯は時短勤務やパートタイム勤務への転向など、お金やキャリアを一部諦める形で、子育ての時間を得ている。
 
 起業は雇用に比べると、高リスク×ハイリターンの賭けである。子供に合わせた柔軟なスケジュールや時間を確保しつつ、将来子供に十分な教育の機会を与えれるだけの収入を得るために、リスクを受け入れるという形で挑戦をするのである。

優秀な人材を野に放つ日本企業


 実際私の周りでも、子供の誕生を機に会社をやめフリーランスになったり、独立をして事業を起こす友人が多くなってきている。
 例えば”妻”がとても優秀な会社員でフルタイムの勤務を希望しており、それを理由に”夫”が子育てのため時短勤務やパートタイム勤務を希望しても、それを快く受け入れてくれる会社はまだ多くはないだろう。
 そんな状況に直面した時、夫は転職や退職を考えるだろうし、仮に諦めて妻側にフルタイム勤務を諦めてもらっても、仕事が好きで優秀な妻であるほど、会社から離れ自分の力で適正な収入を得る道を選ぶであろう。
 現代の日本の状況において、”男女平等で夫婦共働き”に対応できない企業で共働きを続けるよりは、独立しフリーランスや起業をする方が、”ベター(Best ではないが Better)”な選択となっている側面があるのではないだろうか。

まとめ


 ここで私が言っている”起業”とは投資家に何億出資てもらいドカーン!とはじめるようなものではなく、シンプルに自分で事業を始めることを指している。
 一度経営者として事業を始めると、様々な業務をアウトソーシングしていくことになる。やる事が多岐に渡り、とても自分一人で全部はこなせないからだ。ここが、やるべき事を与えられる側の会社員や、以前の私のような受注型のフリーランスとは大きく異なる。
 自分の時間を確保するために、自分にしか出来ないことと、他の人に頼めるものを判断し、頼める事は人に頼む。それが経営者の仕事のベーシックな考え方だ。

 この経営者スタイルを、共働き子育て世代の我が家では取り入れている。
 夕食はヨシケイ(食材宅配サービス)で、月に1回プロの方に家の大掃除をアウトソーシングしている。
 共働き子育てを選んだ私達夫婦が限られた時間と力を注ぐべき先は、お仕事と子供との時間で、スーパーでの買い出しでも完璧風呂掃除することでもない。全部自分達でやっていた時は常に疲労し、イライラしていた。

 もし、私と同じように子育てと仕事の現実に打ちのめされている人がいたら、それは大きな変化へのチャンスでもあることに、ぜひ目を向けてみてほしい。🙆‍♀️✨


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