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研究書評:外国にルーツのある子供に対する初期日本語教育に関する研究

2023/07/06
期末発表の内容

2023/07/06

大学院進学試験を受けて

 大学院試験の中で口頭試験があったのですが、その中で先生からご指摘いただいたことを今回はまとめておきたいと思ういます。
・母語と母国語の定義をしっかりとする
・ゲーム理論について学ぶ
・経済特区を作ることは考えないのかについて
これらについて考えていった。

母語の定義:母語とは、その人が子供のころから使っていて、もっともスムーズに感情を表現することのできる言語のことである。

母国語の定義:母国語という言葉は、母国の公用語という意味であり、母国語=母語という関係が成り立つのは、日本のように国民のほとんどが同じ言語を話すという特殊な事情を持つ場合のみである。
参考文献:

国権について:

2023/06/29
オンライン教育の具体的な指針いついて

2023/06/22
自分の考えをまとめてみた


2023/06/15

宮口先生へのインタビュー調査の結果
まず初めに、少年院や矯正施設には、外国籍の子も確かに多く存在する。東海地方などでは特に従業員の子供(ブラジル系の子供などさまざまな子供がいる)。
しかし、言語の壁を感じることはあまりなく、外国籍だからという問題があるわけではないように感じている。家庭環境も外国籍だからという問題点があるようには感じられなかったと言う。彼らは日本語の習得は早いと思う。
非行少年の原因はやはり勉学にあると思う。
言語の取得の後の学習(学習不振、読み書き計算の困難さ)
数学(算数)でつまづく子供が多い。例えば九九を覚えていなかったら3年生以上の問題が解けないなど、算数が日本の学校ではウェイトを占めている(計算力がとても大事)。
これらのことから、私の思っていた、外国人の子供の日本語教育をすることで、非行少年を減少させることができるという考えが安易であったことがわかった。もう少しフェーズを具体的に細かくする必要性があることがわかった。

<語彙に関して気になること>
興行:芝居やコンサート、スポーツイベントにおいて、鑑賞、観戦を主な目的とした観客を集めることを目的とした催事のこと。
特別永住者:通常の入国管理法ではなく「入管特例法(正式名称:日本国と平和条約に基づき日本の国籍を離脱したもの等の出入国管理に関する特例法)」によって規定されている特別な身分系在留資格のこと。この在留資格は、韓国人・朝鮮人・台湾人を中心とする、ごく限られた外国人のみが申請できるもの。
この歴史として、特別永住制度は、WWⅡの敗戦をきっかけに誕生したものであり、1952年のサンフランシスコ平和条約で日本が朝鮮半島や台湾などの領土を失うと、それに伴い、日本に定住していた韓国人・朝鮮人・台湾人も日本国籍を離脱することになり、これらの人々やその子孫の身分が不安定な状況に置かれ続けていたため、1991年に入国管理特例法で「特別永住者」が制度化された。

<今後調べるべきもの>
関西国際交流団体協議会
大阪市立南小学校
学習教室Minamiこども教室

2023/06/08

「大阪府教育委員会からの回答について」
以前大阪府教育委員会にオンライン教育についてお話をお伺いしたいと言ったところの返答としてこれらのことが返答としてきた。
オンライン日本語指導について週に2時間に4名の指導員の授業の準備に割いて、教育をしている。日本語指導は言語関係なく行われており、日本語で日本語を教えている。ということだった。これ以上はこの授業を受けている子どもの権利の問題で話すことができないと言われてしまったために、今後より調べられる方法で考えていきたと思う。

「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著 第三章
 
西日本最大の繁華街は、定住外国人の主従地域でもある。1980年以降に来日したいわゆるニューカマーが多く住んでいる。
2012年4月に外国人母子の無理心中事件が起きた。この事件をきっかけに、13年9月に外国につながる子供たちのための地域の学習教室Minamiこども教室が始まった。
 経済不況下では、移民コミュニティとホスト社会の地域レベルでの関係性が重要だとされている。
 日本全国に通称フィリピン・パブと呼ばれる風俗営業店が建てられたが、南の歓楽街にもフィリピンパブやインターナショナルパブが乱立するようになった。しかし、1980年台から2000年台前半にかけて、旧入国管理法は述べ100万人以上のフィリピン人に在留資格「興行」を発行している。しかし、2004年にアメリカ国務省により「人身売買の容認国」と批判されたことを聞かっけに、日本政府は興行査証を厳格化するようになった。孔子て新規来日するフィリピン人女性が激減したことでフィリピンパブは減少し衰退したが、東京都足立区や名古屋市中央区、そして大阪中央区などの大都市の歓楽街には現在も数店残っている。そのため、統計で見ると女性が男性の1.3倍も多い。
 外国人の親は、昼夜問わず働いて暮らしに余裕がなかった。夜間に親が働いているため、子供たちは一人で家にいることが寂しくて深夜徘徊をしていた。また、親が帰ってくるまで眠りにつくことができず、深夜まで起きていて学校に遅刻しがちだった。ある日は、子供が熱を出しても仕事を休めない親のために、兄弟が学校を休んで妹や弟の面倒を見ていた。賑やかな裏路地で暮らす子供たちは、安心して過ごせる居場所がなく、また経済的な貧困の中に生きている。
 南小学校の元校長は事件を受けて、学校が取り組んだこととして、授業の見直し、自主学習と生活設計、地域学習だった。この三本柱で独自の「多文化共生の学校づくり」を実施し、子供たちの生活意欲や学習意欲を高めてきた。事件当時、大阪府教育委員会小学校に対して児童「学力」をあげるようにプレッシャーがかかっていたことで、現場の教員は日本語能力がおぼつかない子供たちの「学力」をあげる脳にプレッシャーがかかっていたことで、現場の教員は日本語がおぼつかない子供たちの「学力」を向上させようとするあまり疲弊していた。この事例から決して「学力をあげる」というものを目標にするのではなく、まずは、子供たちの自己肯定感を育む授業をするようにすることが大切である。そうすることで、子供たちに自信が月初、学校が楽しいと思うようになることで出席率も上がり、結果てkにい学力も少しづつ上がっていったという。
 学習教室Minamiこども教室の特徴は南小学校と子供一人ひとりの学習状況や私生活実態に関して情報公有することができる点である。

<語彙に関して気になること>
興行:
特別永住者:
永住者:
<今後調べるべきもの>
関西国際交流団体協議会
大阪市立南小学校
学習教室Minamiこども教室

5月のまとめ 

「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著
「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
・朝鮮学校閉鎖令について
・ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動
・マイクロアグレッション
上記について今月は調べた。その中で分かったこと。
「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著
→「日本語指導が必要な高校生の進路」についての結果を見ると、大阪府立高校に通う日本語指導が必要な生徒は全国平均とし比較した際、中退率が低く、進学率が高いこのことからも、大阪府の教育支援は課題展はあるものの全国と比較するとうまくいっていることが伺える。
 民族学級の存在の大きさ。関西の特徴として人権教育がベースにあり、そこに多文化共生がある。一方で他のところにはそのスタート地点がない。
 「違いを豊かさに」これは「違いを排除の理由に」から「違いを尊重し、豊かさに」転化できる実践の深化や拡大という考えが波及している。
 多文化共生の学校が必要とする観点として以下の5つが挙げられる(52頁)
・自尊感情を育てる
・子供の関係性を高める
・カリキュラムの改革・進路補償をあげ、最後に地域活動として当事者の活動やさまざまな交流や支援がある
 多文化共生の問題意識として基本的な方向について以下の3つを提言している(53頁)
・母語能力に応じた日本語教育
・教科書学習と結合した日本語教育
・母語の保持・伸長を目的とする母語教育 

「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
→<非行少年に共通する特徴>47頁
・認知機能の弱さ:見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ:感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる。
・融通の効かなさ:なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い。
・不適切な自己評価:自分の問題点がわからない。自信がありすぎる、もしくはなさすぎる。
・対人スキルの乏しさ:人とのコミュニケーションが苦手
+1身体的不器用さ:力加減ができない、身体の使い方が不器用

(サインの「出し始め」は小学2年生から」)
非行少年の調書から成育歴を見ると境界知能の特徴がで始めるのが大体小学2年生からであることがわかった。
(境界知能)98頁
知能指数(=IQ)で平均的とされる部分と、障害とされる部分の境目にあたるところが境界知能。主にIQ70〜84の子供たち。知能分布から算定すると14%、1,700万人いることになり、35人クラスでは下からの約5人。境界知能は「平均的とは言えないが、障害とも言えない」とされることが多い。日本において境界知能は認知度が浅いことが課題。下図のイメージ。
※知能指数の平均はIQ85-115
※IQ70以下は知的障害の可能性が考えられる範囲。

2023/5/25

『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治

<非行少年に共通する特徴>47頁
・認知機能の弱さ:見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ:感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる。
・融通の効かなさ:なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い。
・不適切な自己評価:自分の問題点がわからない。自信がありすぎる、もしくはなさすぎる。
・対人スキルの乏しさ:人とのコミュニケーションが苦手
+1身体的不器用さ:力加減ができない、身体の使い方が不器用

(対人スキルの乏しさによる怖いところ)79頁
・嫌なことを断れない:悪友からの悪い誘いを断れない。
・助けを求めることができない:いじめにあっても他者に助けを求めることができない

(サインの「出し始め」は小学2年生から」)
非行少年の調書から成育歴を見ると境界知能の特徴がで始めるのが大体小学2年生からであることがわかった。

境界知能の特徴(91頁)
・感情コントロールが苦手ですぐカッとなる
・人とのコミュニケーションが上手くいかない
・集団行動ができない
・忘れ物が多い
・集中できない
・勉強のやる気がない
・やりたくないことをしない
・嘘をつく
・人のせいにする
・じっと座っていられない
・身体の使い方が不器用
・自信がない
・先生の注意を聞けない
・その場に応じた対応ができない
・嫌なことから逃げる
・漢字がなかなか覚えられない
・計算が苦手

(境界知能)98頁
知能指数(=IQ)で平均的とされる部分と、障害とされる部分の境目にあたるところが境界知能。主にIQ70〜84の子供たち。知能分布から算定すると14%、1,700万人いることになり、35人クラスでは下からの約5人。境界知能は「平均的とは言えないが、障害とも言えない」とされることが多い。日本において境界知能は認知度が浅いことが課題。下図のイメージ。
※知能指数の平均はIQ85-115
※IQ70以下は知的障害の可能性が考えられる範囲。

2023/5/18

<前回調べようと思ったことについて>
・朝鮮学校閉鎖令について
 第二次世界大戦後に日本において在日朝鮮人によって創られた朝鮮学校に対する1949/10/19に施行された(GHQ) の意向による閉鎖令のこと。GHQの意向による文部省の通達により各地方自治体が行政措置として行ったもの。
 1945年に第二次世界大戦が終結すると、日本国内に居住する在日朝鮮人が、主に個人宅・あるいは公私立学校・工場を間借りする形で、「国語講習所」と称する朝鮮語による民族教育を行う教育施設を全国各地に作った。それらが1946年以降在日朝鮮人連盟(以下朝連と略す)によって学校の形を整えて行った。
 その後朝鮮半島の政治情勢が悪化するとGHQの意向により文部省が1948/1/24、各都道府県宛に以下の通達を出した。
・在日朝鮮人も日本の公私立学校に就学する義務がある
・私立学校は学校教育法で定める認可を受けなければならない
・義務教育機関における各種学校は認めない
・朝鮮語教育は課外で行っても差し支えない
 これによって各自治体は朝鮮学校を閉鎖させた。
(国語講習所とは)
 戦後在日韓国・朝鮮人が自由的に建設した朝鮮語による民族教育を行うための施設のこと。

・ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動
「Black Lives Matter」(以下、BLMと略)とは、アメリカで始まった人種差別抗議運動のことで、構造的な人種差別や、特に黒人への不当な暴力に対して戦うことを目的としている。

・マイクロアグレッション

「マイクロアグレッション」の定義
・マイノリティーの属性を持った人に対して尊厳を傷つける・敵視を示す・排除をする言動
・言葉の裏に隠された攻撃的なメッセージがある
・発している側は自覚がないことが多い
文脈がすごく大事になる。

「マイクロアグレッションの歴史について」

 マイクロアグレッション(Microaggression)という言葉自体は、1970年代にアメリカの精神医学者であるチェスター・ピアス氏が提唱したものである。もともとアメリカでアフリカ系でない人々が、アフリカ系の人々を苦しめているようすを見て同氏が「侮辱だ」と捉えたときにできた言葉で、マイノリティに対してちょっとした悪意や偏見を持って行う行動、言動を指す。
 また、2000年代にコロンビア大学教授のデラルド・ウィング・スー氏がこの言葉を再定義した。同氏は人が無意識の差別攻撃を受けたときの精神的悪影響に関する研究のなかで、マイクロアグレッションを「特定のコミュニティに属しているというだけで否定的なメッセージを向けられる、日常的なやり取り」としている。
 日本では、在日コリアン青年連合(KEY)が2013年前後に行ったヘイトスピーチに関する調査の中で「差別未満」というカテゴリーを設けていた。差別とまではいかないが、聞いた人々が不快な思いをするような発言のことを指すものである。

2023/5/11

「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著

第1章
大阪府の多文化共生教育ー公立学校の外国人教育研究組織に着目してー

 民族教育は帰国と直結する朝鮮学校で受けるべきという教育論が確立し、教員たちは、子どもたちを日本の公立学校から「民族学校の門まで」連れていくという認識も作られて行った。これが、公立学校就学(保障)への批判や朝鮮学校での教育の奨励擁護論が継続的に発展してきた歴史にもつながる。(39頁)
 大阪で、公立学校に在学する外国人の教育問題が顕在化したのが、1950年、大阪市立今里中学校が朝鮮学校として創立された時に始まったとされている。それに先立ち45年に朝鮮学校閉鎖令によって朝鮮人児童・生徒は、樹種学校としての朝鮮人学校や公立学校としての朝鮮人学校、公立学校の民族学級、何も配慮されていない公立学校へと分散された。そしてその多くが、日本の公立学校の体制かにおかれた。(39頁)
 1971年4月、大阪市立中学校校長会が全市中学校校長に配布した1970年『研究部のあゆみ』の「外国人女子教育の実態と問題点」が差別的な文章であり、大阪の外国人教育を大きく転換する機会になった。(40頁)
 豊中など15組の職員組合(15単組)が窓口となり、大阪府教育委員会との交渉を続け、1988年に「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の方針」が策定された。それに伴い、府内市町村外教を束ねるものとして府外教設立が目指された。(44頁)
 府外教の結成記念誌によると「日本語がわからないままの編入学のため、意思疎通ができないこと、民族文化の違いから生じる日本の子供との摩擦やいじめがある中、日本語指導や日本の生活習慣、文化への適応教育が中心になっていることを指摘し、民族文化に対する理解と尊重の態度を日本の子供に培うことを、20年かけて進めてきた外国人教育による同化と排除意識の克服として全面に打ち出している。その象徴として、スローガンになったのが、「違いを豊かさに」これは「違いを排除の理由に」から「違いを尊重し、豊かさに」転化できる実践の深化や拡大を目指そうとしていることなのではないだろうかと言われている。(51頁)
 多文化共生の学校が必要とする観点として以下の5つが挙げられる(52頁)
・自尊感情を育てる
・子供の関係性を高める
・カリキュラムの改革
・進路補償をあげ、最後に地域活動として当事者の活動やさまざまな交流や支援がある
多文化共生の問題意識として基本的な方向について以下の3つを提言している(53頁)
・母語能力に応じた日本語教育
・教科書学習と結合した日本語教育
・母語の保持・伸長を目的とする母語教育
 
今後読むべき論文
・大阪府在日外国人教育研究協議会『多文化共生の日本語教育 その方向性と可能性ーー府外教が目指す日本語教育の進め方』大阪府在日外国人教育研究協議会1998年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『21世紀の日本語教育ーー豊かに生きる力を全ての子供達に』大阪府在日外国人教育研究協議会1999年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『21世紀の日本語教育Ⅱーー渡日の子供たちの新たな課題に直面して』大阪府在日外国人教育研究協議会2002年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『日本語教室でできる母語の保持と伸長』大阪府在日外国人教育研究協議会2007年
・大阪府在日外国人教育研究協議会実践プラン集作成プロジェクト編『ちがいドキドキ多文化共生ナビーー在日外国人教育実践プラン集』大阪府在日外国人教育研究協議会、2017年


今後調べること
・朝鮮学校閉鎖令について
・2008年以降の大阪での新自由主義的な政治の動きがあったか否か
・ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動
・マイクロアグレッション

2023/5/4

「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著

まえがき

 2017年に文部科学省が初めて公開したデータ「日本語指導が必要な高校生の進路」についての結果を見ると、大阪府立高校に通う日本語指導が必要な生徒は全国平均とし比較した際、中退率が低く、進学率が高いこのことからも、大阪府の教育支援は課題展はあるものの全国と比較するとうまくいっていることが伺える。
 この理由には、外国人向けの入試が設けられているなどの取り組みのほかに、移民や民族的マイノリティを対象にした特徴的な政策がさまざまに存在する。その一つが「民族学級」である。そのほかにも、2000年代初頭に行われ始めたヘイトスピーチに対処する条例が全国でいち早く設置されるなどが行われたのも大阪市であり、多文化共生に対する視点が目覚ましい。一方で全国レベルの「多文化共生」は、よく知られているように2006年に住む生姜「地域における多文化共生推進プラン」を公表し全国的に関連の政策が取られるようになった。さらに2018年に出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正を機に、政府レベルで「外国人の受け入れ・共生のための関係閣僚会議」設置され同年12月には「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」が策定された。これは、外国人労働者の受け入れ拡大を踏まえ、「外国人材の受け入れ・共生のための取り組みを政府一丸となっていくという観点」から取りまとめられた。しかし、外国人政策のほとんどが共生政策と同義になり、この共生政策は何を目指すべきかわからないものとなっている。また多文化共生に関しても定義が曖昧であり、構造的差別や歴史的不正義の観点が欠如しており、マジョリティに都合がいいマイノリティ像を土台にしていることなどが批判されている。
 関西特に大阪では、人権教育がベースにあり、そこに多文化共生がある。(大阪の「多文化共生」のルーツは同和教育を端を発する人権教育にある)しかし、他の地域はそのスタート地点がない問題がある。そんな関西だが、1970年代から活動してきた人々が第一線を退く時期にあり、これらの理念や実践が次世代に継承できるかが課題となっている。

4月のまとめ

ここから学んだこと
・2歳から8歳にかけて言葉が形成され4,5歳から14,15歳までに読み書きが定着する(この言葉が形成される特に2歳から8歳(中でも幼稚園卒園する)までは社会状況の影響をもろに受けて育つ。)
→高度達成方バイリンガルになるためには、聴いたり、見たりする比率が同じになるようにする必要性がある。
・カナダにおけるESL教育の目的とアメリカのESL教育の目的
カナダの場合
→「単に言語獲得をすることにとどまらず、自己の存在価値が自覚できるように、学校・地域・社会が他の文化に尊重するような教育を実施すること」
=教育の機会平等を保障しようという考えから起きている。
アメリカの場合
→「外国人が教科を学習するための基礎的言語の習得という意味と同等に、異文化の中で学校生活をより快適(自分でできる・独立する・自立する)にする表現手法の習得する」
=個人の存在価値を互いに尊重のあること、そのために相互理解できる手段として言語教育が行われている。
*アメリカとカナダのESL教育を比較する中で、日本はアメリカ式に近いところがあるのではないかと考える。

2023/04/27

「多言語・多文化共生社会とバイリンガル教育」中島和子,新しい日本学の構築Ⅲ

<選定理由>
 現在の日本のJSL教育の方法について疑問点があり、海外の多言語教育と多文化共生についてどのような方法が小学生などの子どもたちに必要かを考えたいと思ったため。また、バイリンガル育成に適齢期があるということが書かれており、それについて、今まで認知していなかったため、検討する必要性があると考えたためである。

<内容>
 日本は現在国をあげて、外国語教育を取り組むようになっているが、海外を見るとすでにトリリンガル育成の時代に突入しており、時代として遅れをとっていることがわかる。しかし、遅れをとっているからこそ、バイリンガル教育の知見は多く存在している。そこで今回はバイリンガル教育に焦点を当てて書かれている。1960年代まではバイリンガルは悪いものとされていたが、現在ではプラスの面が多く取り上げられている。バイリンガル教育のプラスの面として、バイリンガル児童は言葉を分析する力やコントロールする力などのメタ言語使用の力が強いとされている。(メタ言語:)次に、話し相手への配慮力が高い。バイリンガルは話し相手やその場の状況によって言語の選択を迫られたら相手の理解状況を監視しながら、必要があれば伝わりやすい言葉に変換する(言語を変えるなど)ができる。また、使用言語と帰属意識を関係なくすることができる。さらに、想像力や思考力が柔軟になるとされている。このようにバイリンガルには良いことが多くあるように考えられる一方で、課題もある。それは、全ての子供が高度達成方バイリンガルになれないというものである。図のように高度達成方バイリンガルと両言語低迷方バイリンガルがいる。以下図になる。

子供の言葉は、2歳から8歳にかけて言葉が形成され4,5歳から14,15歳までに読み書きが定着するとされている。この言葉が形成される特に2歳から8歳(中でも幼稚園卒園する)までは社会状況の影響をもろに受けて育つ。そのため、高度達成方バイリンガルになるためには、聴いたり、見たりする比率が同じになるようにする必要性がある。それができなければ、言語形成がうまくできず、ダブルリミテッドとなってしまう。また、日本は日本語を強制するのが常套手段であるため、母語が確立されていない年少者は確実にダブりリミテッドになる確率が高くなってしまう。そのため、パーシャル・イマージョン(とは、パーシャルイマ―ジョンは一部の課目又は時間を、学習言語にあて、その他のクラスは母語で受けるということ)の形態が望ましいとされている。これらを行うためには、国、地域、学校をあげて態勢を作っていく必要性がある。

<批評>
 日本のバイリンガル教育のミスリードを感じるとともに、今後の日本政府の外国語に対する考え方を再構築する必要性があるのではないかと考えた。また、ダブルリミテッドの子供を生み出さないためにも、年少者の教育においては十分な配慮が必要であると考える。さらに、今後外国人の子供がさらに増加することが予想されるため、バイリンガル・トリリンガル教育についてより政府は対策を講じる費用性があると考える。

2023/04/19

「アメリカ・カナダにおけるESL教育の実状とその考察」
東京工業大学:赤 堀 侃 司、 大学入試センター:小野 博,日本教科教育学会誌 199D.10:第14巻 第4号



<選定理由>
 日本におけるJSL(Japanese as a Second Language)教育では、どうしても日本の言語に馴染ませることのみにフォーカスがされているという課題点があるのではないかということが今まで読んできた先行研究から考えられた。そこで、今回海外におけるESL(English as a Second Language)教育の実情を理解することで、日本にどのように応用することができるかを考えたいと思ったためである。

<内容>
 
現在日本は外国人の子供の増加により外国人の子供が日本の小中学校で学ぶ数が増加している。つまり、母国語の他に第二言語として日本語教育(JSL教育)の重要性が求められ始めた(1990年代)。しかし日本は大きな括りで言うと単一民族、単一言語、単一文化の国であるため、言語教育に乏しい現状がある。一方で、アメリカ、カナダなど、他民族国会において第二言語としてESL教育はとても豊富であるとされている。その中で、ESL教育の目的・内容・課題として挙げられることは以下の4つに分類することができる。初めに、ESL教育の目的は異文化似合って子供たちが、自己の価値を認めることができるように援助すること。次に、Whole Languageの概念に基づいてる(ホール・ランゲージとは、子供が意味に集中するべきだと強調する読み書き能力育成に関する考え方のこと)。次に、ESL教育の指導方法が単に言語指導にと留まらず適応指導も含み、精神的ストレスを解放するような指導が行われている。最後に課題として、ESL教育実施にあたっって、地域住民の経済的負担が大きいことが挙げられていた。
 これらのことがわかった上で、カナダとアメリカのESL教育の目的について述べる。カナダにおけるESL教育の目的は「単に言語獲得をすることにとどまらず、自己の存在価値が自覚できるように、学校・地域・社会が他の文化に尊重するような教育を実施すること」である。これは、各個人が持っている民族文化に対してランクづけをせず、個人の尊重や暴動の原則から発送されていて、教育の機会平等を保障しようという考えから起きている。次にアメリカのESL教育の目的としては、「外国人が教科を学習するための基礎的言語の習得という意味と同等に、異文化の中で学校生活をより快適(自分でできる・独立する・自立する)にする表現手法の習得という意味を持っている。これは、個人の存在価値を互いに尊重のをルコと、そのために相互理解できる手段として言語教育が行われている。しかしESL教育の問題点として、質や量が不十分であったり、予算不足、児童生徒の教育的背景が多様化して対応できないということ、また高いレベルの英語力を要求している人の対応ができないことなどが挙げられている。

<批判>
 日本はESL教育のような目的ではなく、「外国人の子供が日本の教育についていくことができるよう」にということが散見してみられる。そこで、今後日本のJSL教育について見直す必要性が国単位であると考える。

2023/4/12

「在籍学年の学習についていけないダブルリミテッド児童に対する言語教育環境の改善法」(小野梨紗子)

<内容>
 カンガス(2008年)は母語を習得する時期、習得順序、熟達度、使用頻度、内的/外的アイデンティティの4つの側面から定義している。(多文化環境で育つとこの定義が明確にならない場合もある)
例)国際結婚などで両親が違う言語を話す場合、どちらも母語ということになるが、両親が違う言語を話す場合、どちらも母語ということになるが、熟達度や使用頻度という意味で2つの言語が全く同じとういうわけにはいかない。
→そのことが内外的アイデンティにも影響がある。
 中島(2001年)の論文には、言語形成期前期(0〜9歳)、言語形成期(9〜13歳)この時期が重要な時期である。この時期に複雑な環境下にいる子供は、極めてダブルリミテッドになる可能性が高い。
・同時に2つ以上の言葉に接触する「同時発達バイリンガル」
・一つの言語の習得してから二言語目以降が加わる「継起発達バイリンガル」
・どちらにも当てはまらない
これらの人がいる。
就学前に文字認識や読み書きの基礎母語ができていれば他言語へのリテラシーへの移行がスムーズに進むと考えられている。

Cummins(1984)
・BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)
→場面依存度が高く認知力必要度の低い言語(買い物、挨拶など)
→取得には2年程度かかる
・CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)
→場面依存度が低く認知力必要度が高いしよう言語(学習に必要な言語能力)
→取得には5〜7年程度かかる
欧米諸国→現地生まれの第2世代の社会統合に向けて取り組んでいる。
    →移民の子供の額ろくと国の教育政策背景、家庭言語との関係がOECD
     に蓄積されている
    →2世の読解力は1世よりも低い(原因の一つとして現地生まれの2世
     の母語力の低下が挙げられる)

アイデンティティの形成について
高橋(2009)他言語話者児童のアイデンティティの形成過程は単純ではなく、自己のルーツの否定、アイデンティティクライシス、葛藤など課題が生じる。そこで母国語教員が重要
所属学年の学習についていけないダブルリミテッド児童に対する言語教育の改善
→「オーダーメード教育」を本書の方は述べている。

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