見出し画像

イタリアの新酒、ノベッロ解禁!


10月30日は何の日かしっていますか?

これを知っていたら、ちょっとしたワイン通。
昨日はイタリアワインの新酒の解禁日。ヴィーノ・ノベッロが店頭に並ぶ日。


画像1

ノベッロとは

ワインの新酒というとフランスのボジョレー・ヌーヴォーが一番有名ですが、もちろんイタリアでも今年のブドウで造ったワイン、新酒があります。これをイタリア語でノヴェッロ(新しい)といっています。

いわば、イタリア版、ボジョレー・ヌーボーですね。
このイタリアの新酒、イタリアワインに少しでも興味をもったならば、絶対飲むべきワインなんです。

その理由は3つあります。

理由1.解禁日がはやい

イタリア新酒の解禁日は10月30日土曜日。フランスは11月の第3木曜、そして山梨県は11月3日。そうです、世界の新酒の中でとっても早くに飲めるのがイタリアの新酒”ノベッロ”。新しもの好きには目が離せないんです。

まずは先にイタリアの新酒を飲んで、それからフランス、そんな流れも楽しくなります。

理由2.様々な土地のワインがある

フランスのボジョレ・ヌーボーはブルゴーニュの南に位置するボジョレー地区でできた新酒を指します。ボジョレーは地区名。つまり一か所を意味します。でも、イタリアの新酒はイタリア国内、色々なところでで造られています。北の新酒、中部イタリア、南イタリアと新酒だけでイタリアを旅できちゃうほど。北と南と飲み比べたりできるのがイタリアの”ノベッロ”の面白いところなんです。



理由3.いろいろな品種が試せる

ボジョレー地区の新酒で使われるぶどうは「ガメイ」という名前です。ワイナリーは数あれど、ボショレ・ヌーボーといったら品種は「ガメイ」だけなんです。つまり、同じ品種しか飲めない。

一方、イタリアワインの特徴は何といっても品種の数の豊富さ。EUが認めている品種だけでもざっと400以上は存在します。

そして品種の豊かさは新酒でももちろん楽しめるんです。北の新酒、たとえばヴェネツイアがあるヴェネト州ではメルロー種の新酒があったり、花の都フィレンツエがあるトスカーナ州ではサンジョベーゼ種、海が美しいシチリア州のネーロ・ダヴォラ種など、新酒と一口にいっても使われているブドウの種類はそれぞれ異なるんです。


画像3

イタリアは土着品種の宝庫。新酒で色々な品種を試せちゃう。試しながら、あなたの好みを探っていくことが出来ますね。北のワインが好きか南のワインが好きか、まずは新酒を飲むことであなた自身の好みがわかるかもしれません。また、普段、飲んだことないような土地のワインでも新酒ならとっつきやすい。フレッシュで飲みやすいんです。ワイン超初心者にはうってつけです。


画像2


終わりに

新酒は今年のブドウの出来がどうかを判断する材料の一つであったりもします。新酒を飲めば、その年の気候がどうだったか、これから出てくるワインがどんなものかなど、プロの人たちは判断材料として使ったりもします。

しかし、新酒を飲むということの一番の意味は

「今年も無事にワインが出来た」

それをお祝いすることではないでしょうか。ブドウ栽培農家さんの日々の畑仕事、醸造家さんたちの緻密な作業、そして天候の力、全てがうまく重なり合わないとワインは出来ない。今年もノベッロが飲めるということは、ワインの誕生の喜び味わうことを意味します。

よくヌーボ―など新酒は美味しくないから・・という人がいますが、美味しい、美味しくないという判断で飲むのではなく、新酒は一種のお祭り。収穫祭。収穫の喜びをみんなで味わうことなのです。

今年のヨーロッパはコロナで危機的状況が何ヶ月も続きました。どのワイナリーも不安を抱えながらのワインづくりだったはずに違いありません。とりわけレストランにワインを卸しているワインナリーはロックダウンで飲食店がクローズになり、売り先を失い苦しい状況が続きました。それでも、ワイン造りはやめない。例年通りに畑仕事をし、ワインづくりをしていた。その結果がノベッロなのです。

ここ数日のイタリアは再び夜の外出に規制がかかっています。そんな彼らを応援する意味でもぜひとも今年の新酒、ノベッロを味わってみてください。

多種多様なブドウ品種が放つフレッシュで活き活きとしたその味わいに、きっと魅了されるはずです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?