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私の仕事はなんだろう

「週に3回くらいなら」アルバイト感覚で始めたワイン販売の仕事。


2019年の年末に知り合いの輸入業者さんから「ワイン販売しないか」とオファーをいただいた。通訳は不安定だし、定期的に仕事があるのも悪くない。以前、しばらく販売をしていたこともあり、知らない職場でもない。


ご縁があって声をかけてもらったのだから、無下に断るのもかわいそう。それならば「週に3回くらいなら」とお引き受けした。


2020年1月。久しぶりにソムリエ制服を着てブドウのバッチをつけて売り場へ。ここは10年ぶりぐらいだろうか。かつての仲間が何人もいて温かく、活気にあふれた売り場。久しぶりすぎて慣れないことも多いが、接客は楽しく無事に初日を終えた。そこから、少しずつ、昔のカンを取り戻し、高額商品を売る楽しさなどを感じながら仕事をした。


そこへコロナ。


イタリア絡みのイベント、商談会、あらゆるものが3月に入るとキャンセルの嵐。楽しみにしていた仕事もたくさんあった。できなくなった。
そこで、通訳がないならばと、販売の仕事をたくさんさせてもらうようになる。シフトもいつの間にか、私を中心にくまれるようになった。販売力を評価されたらしい。もはや副業などとはいっていられない。通訳の仲間たちが仕事を失い、日々時間を持て余している中、私にはワインがあった。ワインに救われたのだ。
そこからは、ひたすらワインと向き合った。長くイタリア関係の仕事をしていたので、イタリアワインならばわかるのだが、フランスワインはじめその他の国のはあまり飲む機会もなく、最近の流行りもわからない。本をひたすら読みはじめた。ワインを教えている関係上、基本的な知識はもちろん忘れていない。しかし、それだけではこと足りない。

ボルドーの格付けシャトーの特徴、ブルゴーニュの畑の位置など見直さないといけないことが多い。あっという間に部屋が今まで以上にワインの本だらけになった。

あれから一年。

家の中はワイン絡みの本とワインそのものであふれている。その一方、イタリア語を使う機会を失い、このままずっと遠のいてしまうのかなとも寂しく思う。
インバウンド需要を期待して、通訳ガイドを目指していたのに、観光には明るい未来が見いだせずなんだか目標を失ってしまった。もう必要ないのか、いや、勉強はずっとあきらめずに続けるべきなのか。

この一年、ほんとうに私の仕事について考えさせられた。どこに向かって走ればよいのかわからなくなった。

このままワイン販売がこれからずっと私の仕事になっていくのか、それともまた以前のように通訳業務やイタリア絡みに仕事ができるようになるのか。それとももっと違う仕事がまっているのか。

いまはわからない。

ただ一つ思うのは、目の前のことをきちんと日々こなすこと。それができれば、未来は明るいに違いない。

どんな仕事も私の仕事に変わりはないのだから。

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