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ワイン好きにワインを贈ってはいけない3つの理由

ワイン好きにワインを贈ってはいけない

ワインが好きな人にワインを贈りたい、しかし、どれを買ってよいか悩んでしまう。こんな経験はありませんか?

実は、ワイン好きな人にワインを贈るのはNGなのです。

販売の現場で「ワインが好きな人にワインをあげたくて」というお客様からの相談をよく受けます。そのたびに頭を抱えてしまいます。ワイン好きはワインのプレゼントを喜ばないことが多いからです。

この記事では「なぜワイン好きにワインを贈っていけないのか」その理由をお話しします。

理由は大きく3つあります。

3つの理由

1:贈ろうとしているワイン産地が相手の好みでないかもしれないから
2.:好きな味わいのワインではないかもしれないから
3:価格がバレてしまうから



1:贈ろうとしているワイン産地のワインが相手の好みでないかもしれないから

日本における2019年年間の赤、白、ロゼ、いわゆるスティルワインの輸入数量は約17,630万Lで前年比106%でした(財務省関税局貿易統計調べ)。

日本に最も輸入されているワイン第一位はチリワイン。ここ数年、不動のナンバーワンです。そしてその後にフランスが続きます。割合でいうと、チリワインが3割弱EUのワインが6割以上を占めています。

市場には輸入ワインの他、当然、日本ワインもあります。ここ10年で日本のワイナリーが100軒以上増え、現在は300を超えるワイナリーが国内にあります。注目産地の一つです。

つまり、ワインショップには、沢山の国のワインが並んでいるのです。
「ワインはフランス」などという話はもう過去のもの。様々な国のワインを選べる時代です。選択肢が山のようにある、というよりは、ありすぎるくらいです。

さて、あなたがワインを贈る相手はヨーロッパのワインが好きなのか、アメリカなどのニューワールドと呼ばれるワイン新興国のワインが好きなのかしっていますか。


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贈る相手の好みがはっきりわかっている場合は別ですが、ここが曖昧だとワイン選びはかなり難しい。例えば ヨーロッパのワインが好きな人の多くはニューワールドのワインを好まない傾向にあります。アメリカワインはカリフォルニアが主な産地です。ヨーロッパの国のワインに比べて、気候的に暖かく、出来るワインは全体的に果実の甘みが強い。完熟感がでやすい。これは暖かい国でできたワインの特徴です。そして反対に酸味が弱い。

そのため、ヨーロッパのワインが好きな人が飲むと、カリフォルニアワインは甘いだけに感じたりすることがしばしばあります。逆にアメリカのワインが好きな人がヨーロッパのワインを飲むと「酸っぱい、固い、渋い」親しみが持てないワインという感じに思えるはずです。またアメリカワインを好きな人には現地滞在経験があるかたが多い感じもします。思い出とワインをクロスさせて楽しむようです。

それではヨーロッパのワインが好きそうなら、ヨーロッパワインを選ぼうと思うかもしれません。これは声を大にしてNo!です。

例えば、イタリアワインが好きな人はフランスワインをほとんど飲みません。イタリアワインばかりを飲みます。イタリア以外の国のワインを「よその国のワイン」と呼ぶほど、イタリアワイン愛が強い。また、フランスが好きそうと思っても、ボルドーが好きか、ブルゴーニュが好きかで大きく分かれます。ブルゴーニュ好きは「ブルゴーニュワインが世界一」という考えを持っています。それ以外はワインと認めない人たちです。

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ワインの産地を選ぶことは大変重要な要素。これだけでも大きな壁が立ちはだかっているわけです。

2:好きな味わいのワインではないかもしれないから

ワインの原料はブドウです。つまり原料ぶどうがそのままワインの味わいを生み出します。
そのぶどうひとつとってみてもたくさんの種類があります。アナタがワインを贈ろうとしている人が好きな品種を知っていますか?

例えば、赤ワインを造る「カベルネ・ソーヴィニヨン」というブドウ品種は渋み成分であるタンニンを多く含んでいます。出来上がるワインはしっかりと濃く、若いうちは紫がかった濃い赤色。そして飲むと渋みであるタンニンを感じます。

ブルゴーニュの品種で使われる「ピノ・ノワール」は全く異なる特徴を持っています。ミディアム・ボディーで明るい透明感ある赤色のワインになります。渋みはあまり感じられず、酸味が強いワインです。この2つの品種だけをとってみても大きく個性が異なるわけです。

渋いワインが好きな人はひたすらカベルネ・ソーヴィニヨンを、ブルゴーニュワインが大好きな人はピノ・ノワールばかりをひたすら飲みます。特にブルゴーニュ好きはピノ以外のワインはワインとみなしません。

ワインは嗜好品。好きな味わいが異なって当然といえば当然なのですが、プレゼントとなると話は別。もらったワインが好きな味わいでなかったら悲惨です。

3:価格の問題

ワイン好きは普段からワインショップによく行きます。掘り出し物はないか、新商品がでていないか等チェックするためです。また、ネットショップ 検索も日常の仕事。さらにはワイン専門誌などで新しい情報を常にキャッチしています。

このことは、世の中に出回っているワインの価格に常に触れていることを意味します。例えば有名シャトーのものならば、この年代はこれくらいの価格、最新ヴィンテージならばこの値段など常に価格を把握しています。あまりメジャーでない造り手のものでも銘柄をみれば、どれくらいのワインで価格についても当然ざっくりとわかります。初めて見るワインでもだいたいこのくらいの価格だなという見当がつきます。

あなたが贈ったワインの値段というのかばれてしまうことになります。

贈り物する時、大抵はなるべく金額を隠したいというのが心情ではないでしょうか。そのために、ほかの品物であれば プライスシールを剥がしたりしますね。しかし、ワインの場合はたとえプライスシールを剥がしても、ワインの顔であるラベルを見れば大体の価格がわかります。これは贈る側としてはあまり好ましくないはずです。


まとめ 

ワイン好きにワインを贈ってはいけない理由がおわかりいただけましたか。わざわざあなたが気持ちを込めて、時間とお金を使ってプレゼントを選んでも、相手の好みのワインでなければ喜んでもらえない。それが現実です。そうなったら悲しいですよね。だからこそ、今一度、ワイン好きにワインを贈ることを考え直してみる必要があります。

それでも、他のものが思い浮かばず、「どうしてもワインを贈りたい」という時。リスクなく、必ず喜んでもらえるワインがあります。

知りたいですか?

これは次の回でお話ししたいと思います。

お楽しみに!

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