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『影の居処』

※アーカイブ配信観劇の方でまだご覧になられていない方はネタバレ注意!



少々経ちましたが

とりのこいろ『影の居処』
無事終演いたしました。

ご来場いただきました皆さま、配信観劇の皆さま。
そして応援してくれた皆さま、ありがとうございます。

脚本があって演出がいて、劇場があって。
スタッフの皆さまがいて共演者のみんながいて。
お客さんがいて…ようやく完成する舞台。

これ、全部が揃うのって簡単なことじゃなくて、さらに全てを終えることができるのは奇跡に近いよね。


だからこそ、本当に本当にありがとう。
舞台が終わるたびに言っていると軽く見えるような感じもするけれど、私の中ではその逆で毎度毎度重くなっていく言葉。



今回演じたのは、詠坂否宇(よみさか ひう)ちゃん。
この子はとても、吐き出す言葉と心の言葉が違う子だった。

人間だー。ってめちゃ思った。

そう、あの異常な空間に存在した異質なものの中とてつもなく人間だった。
私たちが抱えているものって単純じゃない、そして一つの感情で生きていることってある程度歳を重ねるとなかなかないじゃないですか。
もちろん『作品』として届けるときに、どれを一番ピックアップするかは大事だけれどそれだけになる必要は全くないなと思っていて。

その時感じた、心や体のどこかにある歪みを楽しんだ。

あのね、否宇ちゃんは『ここ』から出れなくてもよかったんだ。
照葉と緑がいるならそれでよかった。
だからこの世界が終わる時、少しだけ嬉しかった。

羨ましい、という気持ちもすごく強かった。
とくに照葉にそれを抱いた。

照葉のことを守ってあげたいという気持ちの裏に、守ってもらえる女の子で羨ましいという気持ちもあったり。
だから緑から守られている場所にいるときは嬉しかったり。

ね。

ただ。誰かに見ていてほしかったよ、私は。
もちろん生き返って楽しくまた暮らせたらさ、それが一番いいけど。
生きているとそれだけじゃないんだもん。

だったらこれで、これでいいんだよ。


さぁ行こう、寂滅の地へーーー。

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とりのこいろ 第二回公演
「影の居処」
2021年12月1日(水)〜5日(日)
@アルネ543

詠坂否宇(ヨミサカ ヒウ)
たにかわ夕嬉

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