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「La Viña」だけじゃない!サンセバスチャンで本場のバスクチーズケーキを食べ比べしてきました!

レアでもベイクドでもスフレでもない、新感覚のチーズケーキとして今注目を集めている「バスクチーズケーキ」。その独特の味や食感から、じわじわとファンが増加しています。

そしてワタクシは、日本未上陸時(約3年前)に現地で出会った時から一目惚れした“バスクチーズケーキ愛好家”
ってことで、スペインバスク地方のサンセバスチャンの5店舗にて、本場のバスクチーズケーキを食べてきました!

世界で最も有名な「La Viña」のバスクチーズケーキ以外にも、絶品バスクチーズケーキがあちらこちらに!
店舗ごとに焼き加減などの見た目、舌触り、味……みんな違ってみんないい感じ!うまい!!

というわけで、以下その模様をお伝えします。

バスクチーズケーキの聖地サンセバスチャンで食べ比べの巻!

元祖バスクチーズケーキの店「La Viña」

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まずはバスクチーズケーキといったらお馴染みの「La Viña(ラ・ヴィーニャ)」から。旧市街の北エリア、評価の高いバルが密集する31 de Agosto通り沿いにあります。

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扉を開けると目の前のテーブルや棚に何十個ものバスクチーズケーキが!同店はバルだけれど、店内はふわっとチーズケーキの香りが広がって……もうこの時点で幸せ(笑)。

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大きなホールサイズがところ狭しと並べられたこの迫力感!それに表面の絶妙な焦げ具合がいい感じ!

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お店のバスクチーズケーキは1ピースと1/2ピースの2サイズから選べます。お持ち帰りもOK!1ピースで5ユーロ(約604円)。

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さらに1ピースを半分にカットしていただいたのがこちら!

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早速いただきます……う、うまい!とろっとろのチーズケーキは濃厚でほんのり甘く、後からうっすら塩味を感じる!とにかく口当たりが最高で、絶妙な塩加減と表面の香ばしさがワインと相性抜群!

「La Viña」
住所:31 de Agosto Kalea, 3, 20003 Donostia, Gipuzkoa, España
営業時間:11:00~16:00、19:00〜23:30
定休日 : 月曜日
URL:「La Viña」公式HP

色とりどりのピンチョスが並ぶバル「Bar Sport」

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お次はサンセバスチャンの数あるバルの中でも名高い「Bar Sport」

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店内のカウンターには彩り豊かなピンチョス!
※ちなみに「Bar Sport」について、詳しくはこちらの記事に書きましたー!


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本記事ではいきなりバスクチーズケーキへ(笑)!生地がしっかりしているから1ピースが「La Viña」のより大きく感じるなー!1ピース3.9ユーロ(約471円)。

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上から見るとこんな感じ。焦げ目の色は薄目だけれど、全体的に黄色味があって、濃厚さが伝わってくる……!

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フォークで刺して、いただきます!……う、うまい!!
ケーキの先端はとろり、食べ進めるほどにしっとりを超える“ずっしり”とした口溶け。まさにクリームチーズそのものを食べているかのような濃厚さがたまらない……!

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ケーキの背中側から見るとこんな感じ。存在感ある佇まいが食感や味を語っているかのよう……。ドリンクを飲みつつ、会話を楽しみつつちびちびと食べ進めたいなー!

「Bar Sport」
住所:Fermin Calbeton Kalea, 10, 20003 Donostia, Gipuzkoa, España
営業時間:【月〜金】9:00~24:00【土】10:00~24:00【日】11:00~24:00
URL:「Bar Sport」公式Facebook

サンセバスチャンの市場「Mercado de San Martin」

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旧市街から南に行くとある市場「Mercado de San Martin(メルカド・デ・サンマルティン)」内でも発見!上の写真奥にある「Nicasio」のデリの一角にて売られており、グラム当たりで購入する感じ。「1ピースください!」とお願いしたら3.22ユーロ(約325円)でした!

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じゃん!写真だと小ぶりに見えるけれど、持ってみるとずっしりと重さを感じます!!

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バスクチーズケーキにおいて大事な上からの俯瞰図(笑)。前者2店よりしっかりとした焦げ目!

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では一口ぱくっと……う、う、うまい!!滑らかな口溶けながら、一口ごとに重厚感のあるテクスチャー。ケーキの背中側の焦げはフォークで刺すとほろりと崩れ、ざらっとした舌触り。焦げ目のほろ苦さとギュギュっと凝縮されたチーズのコクが合わさって最高……!

「Mercado de San Martin」
住所: Urbieta Kalea, 9, 20006 Donostia, Gipuzkoa, España
営業時間:8:00〜20:00
定休日:日曜日
URL:「Mercado de San Martin」公式HP

1886年創業の老舗パティスリー「Otaegui」

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「Bar Sport」から西に歩いてすぐ、南北に走るNarrika通りにある「Otaegui」。約134年前から今も変わらず地域の人々から愛されている“街のパティスリー”です。

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クリスマスの時期だったので伝統菓子「Frutas Escarcbadas」(フルーツの砂糖漬け)も並んでいました!甘いものが好き×フルーツが好きな人ならハマる味かも(笑)!?

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ショーケースにバスクチーズケーキを発見!お値段は3.79ユーロ(約458円)。

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お持ち帰り用にと包んでくれました!スペインの老舗パティスリーでよくある包装の仕方!

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開けてみるとこんな感じ!高さは低めで表面こんがり。
食べてみると……やっぱりうまい!前者3店よりさっぱりと酸味がいい感じ!焦げ目の香ばしさとケーキの甘さがナイス!ケーキの先端がとろっとろなので、お持ち帰りの際は温度含めて気を付けて運ぶべしです!

「Otaegui」
住所:Narrika Kalea, 15, 20003 Donostia, Gipuzkoa, España
営業時間:9:30〜20:30
URL:「Oiartzun」公式HP

グロス地区の地元民が集うカフェ「El Café De Gros」

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最後に紹介するのはカフェ「El Café De Gros」。Gros(グロス)駅の北にある、近所の人たちが通うお店です。

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入るとカウンターにどどん!と焼かれたケーキが!上の写真はスペインでお馴染みの焼き菓子「Bizcocho(ビスコチョ)」。チョコレート、オレンジが特に定番なので、食べたことない方にはぜひ!

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別のカウンターにはピンチョスやボカディージョ(スペインのサンドイッチ)も!ってことで朝食や軽食にもピッタリなお店!

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お目当てのバスクチーズケーキはこちら。お値段は4.5ユーロ(約543円)。
持ち運ぶ際に崩れてしまい、写真はこれだけになっちゃいましたが、そのくらい全体的にとろりとした生地でした。甘さも控えめで塩味の効いたチーズのコクもあり、どこか懐かしい味わいが良き!

「El Café De Gros」
住所:20001, Kale Berria, 17, 20001 Donostia, Gipuzkoa, España
営業時間:【月~金】6:00〜16:00【土・日】8:00〜13:30
URL:「El Café De Gros」公式HP

という感じで、ごちそうさまでしたー!

“バスクチーズケーキの魅力って何だろう?”

そんな問いについて考えてみたら、3つのことが頭に浮かびました。

まずおいしさを生み出す基本のキである素材たち。クリームチーズや牛乳、生クリーム、卵など、チーズケーキに合う選りすぐり素材が揃うのは、バスク地方の自然環境あってこそ。

スペインの中でもバスク地方は雨量が多く、海も川もあるため水に恵まれ、緑豊かな光景が広がっています。だから肥えた土地からおいしい食材ができる。これはサンセバスチャンのバルやレストランにも言えること!

次に言えるのが、バル発祥のデザートだったこと。「La Viña」がバルスイーツとして提供していたことに始まったことから、バスクチーズケーキは「ワインなどお酒にあうスイーツ」であり、バルに来る大人向けの「甘すぎず、ほろ苦く、ほんのり塩味の効いた、味覚のバランスの取れたスイーツ」。
それが結果的に世界中の人が愛する味になったのかも!?

あとはバスク地方が「美食の街」として名高くなった理由の一つである、レシピのオープンソース化。地域の人たちでレシピをシェアし、皆でバスク料理の発展に貢献する。単純にレシピを真似するのではなく、基本を学び、それぞれのお店でオリジナリティを生み出している気がします。

どのお店も全く同じではなく、素材の配合や焼き加減にこだわりがあり、ケーキの大きさや舌触り、味に特徴が表現されている!個性があるからこそ磨きが加わって、質も高まるしね!

ってことで、バスクチーズケーキの奥深い世界に人々はハマっていくのではないでしょうか?
ワタクシのように(笑)

※2020年1月の旅での情報です。